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松田 美夜子委員 | ||
●ショートスピーチ 「21世紀のエネルギー」 | ||
ドイツのフライブルグ市を、この秋に訪ねました。環境都市として数々の賞を受けているフライブルグが、今最も力を入れているのは、太陽光発電などのエネルギーにより市内で使用される電力の50%を自給することです。 その代表的な事例を写真で紹介します。この写真は市内に1997年に創設されたソーラーパネルを組み立てる工場の社屋です。建物の両側は総ガラス張りになっており、屋根にも外壁のガラス面にもソーラーパネルが組み込まれており、4階建ての各階のひさしもソーラーパネルでできています。 ロビーは4階までの吹き抜けになっており、太陽の光が柔らかくロビー全体を満たしています。雨水利用、コーゼネレーションはもちろん行われており、何より驚いたのは、地熱を夏の冷房と冬の暖房に利用していたことです。地下3mに、外気をためる太いパイプを埋め、そのパイプを通して12゜Cの空気を、夏は冷房用に冬は暖房用に送風管から室内に送り込んでいます。 この企業は、工場と管理棟で使われる電力と熱を100%自給していました。エネルギー自給の取り組みは、ドイツでは日本よりはるかに進んでいることを実感しました。21世紀の日本のエネルギーについて、あなたの夢を語ってください。 |
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●ショートスピーチに対する投稿 | ||
○20歳代男性(教育・研究機関) | ||
エネルギーのなかには、使い勝手の良いエネルギーと使い勝手の悪いエネルギーがあります。使い勝手の悪いエネルギーの代表格が「熱エネルギー」です。たいていは、使い勝手の良いエネルギーだけが使われて、使い勝手の悪いエネルギーは捨てられてしまいます。 松田先生のお話の中で出てくるコージェネレーションは、まさにその使い勝手の悪エネルギーを最後まで使い尽くすことを目指した技術思想です。エネルギー効率を与えられたエネルギーを無駄にせずに以下に使い尽くすかと言う観点からするとコージェネレーションは先生のご指摘の通り効率の良いエネルギー利用をしており、進んだ社会を実現する技術思想といえるのかもしれません。 ただし、熱エネルギーのような使い勝手の悪いエネルギーまで使い尽くすシステムは、使い方に手間と工夫に加えてそのエネルギーの利用に多大な時間を要します。 忙しく生きる今の日本の人々は、使いたいときに使いたいだけ使えるエネルギーを必要としており、多くの使い勝手の悪いエネルギーを捨ててしまっているのです。 使い勝手の良いエネルギーだけを利用する社会と使い勝手の悪いエネルギーまで活用する社会とで、どちらを楽しい社会と感じるか、どちらが住み良い社会と感じるかは、日々過ぎゆく生活の中で何に幸せを感じるかという人の心の問題なのかと感じます。 楽しい生活を送るために、また住み良い生活を送るために私たちが選ぶ社会のかたちは、どのようなエネルギーの使い方を必要とするのでしょうか? 自然の恵みと生活の中での工夫を大切にし、時間をかけて得られた小さな感動に喜びを感じる心をもてる社会に生きたいと私は思います。 |
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○学級委員 20歳未満男性(学生) | ||
この前「コジェネレーション」と「ゼロエミッション」という言葉を学校で習いました。これが、将来は僕たちの住んでいる家でもできるかもしれない、と。すごいことだと思います。そのとき教えてもらったのですが、例えばゴミも意外とエネルギー源になるだとか、生ゴミが肥料になったりだとか、みんながいらないと思って見過ごしている資源がごろごろと転がっている、ということなんですね。僕は将来「ゼロエミッション」の家に住んでみたいな〜、と思いました。 | ||
○エコ小僧 30歳代男性(製造) | ||
土曜日のテレビで「ソーラーカーでどのぐらい進めるか」という番組をやっていました。はっきり言ってびっくりです。太陽という有る意味無尽蔵なエネルギーであんなに走れるんだ、と思って。実用化されないのは、設備投資にお金がかかったり、馬力が足りなかったり、そんな理由なのだと思います。私の考えでは、やはりこの部分をサポートするのが行政なのだと思います。企業だって利益を上げるために仕事をやっているし、従業員を雇わないと行けないのだから、いくら環境が大切だといっても、利益の出ない仕事はやらないと思う。行政側が免税制度とかを活用して、もっともっとエコ商品を普及させるべきだと思います。 | ||
○100万ボルト 40歳代女性(専業主婦) | ||
昔の農家には各家に水車があって、それで臼を引いていたり、裏庭に井戸があったり、竈やいろりにくべる木も裏山にとりにいったりと、エネルギーや資源の自給自足をしていました。 今では大きなダムを造ったり、原子力発電所を造ったりと・・・。確かに大都市での電力をまかなうためにはこれらは不可欠だと思うのですが、都市部を離れた田園地帯にまで、これらの発電施設が使われています。 例えば川の流れを利用した小さな発電施設であれば、カバーできる電力は少ないけれど、環境への影響も少ないし、メンテナンス費用もそんなにかからない。もちろん数が増えると管理の手間はかかりますが、地域毎の発電施設なら「自分たちの生活のための電気だから」という気持ちで地元で管理ができると思う。 こういった地域コミュニティレベルでの発電施設。せせらぎ発電所、ソーラー発電所、風車発電所などなど。地域の人が管理する「プチ発電所」っていいと思うんですけど、どうですか?? |
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