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澤登 信子委員 | ||
●ショートスピーチ 「緑と木の国づくり」 | ||
私がイメージするこれから日本の姿は美しい“緑と木の国”である。 森林都市に暮らす人々は、豊かな自然に包まれて適度な都市文化を謳歌しながら穏やかに時を刻んでいく。あの経済軸を中心として暮らしていた半世紀前が懐かしくさえ思われよう。 その視点は、急速に進んでいる少子高齢社会は人口が減り高齢人口が増し、景気の変動に関係なく、個人も社会のエネルギーも減少し“動から静”へと文化が移動する。個々人の暮らしの有り様は大きく変化し、日本のカタチは否応なしに変容せざるをえない。この根本的な現象からわが国の目指す方向性を定める必要がある。 2つ目の視点は、私達は動物であり、生きた物であると云う紛れもない事実を、余りにも軽視してきたのではあるまいか。 その結果、今日の日本の風景はハイテクの名の基に、冷たい無機的な生活環境。動く、動けない子供達。封じ込んできた文化や歴史。気候や風土を無視した作物。活力を喪失した顔々々。どこでも同じ地方都市。旅の楽しさも半減させられる。 3点目は、地球温暖化防止にとって森林と木材の果たす役割は大きく、人々は緑や木に囲まれた暮らしを求めているが、林業は廃れ、手入れがされない森林の増加が目立つ。このミスマッチ深刻さ。 林業を継いだ20代の若者は、森林空間や森林資源を社会資本として位置付け、自らを社会起業家として、バイオマスや文化、スポーツ、地域コミュニティづくりに取り組み始めている。美しい、気持ち良い、には理屈は不用。プラス思考で夫々が行動してみませんか。 森林空間は“人間性の回復の場”であり感性、身体性や知性を育み活力を与えてくれる。森は人間を必要としていないが、私達は森林なくして生きられないのだから。 |
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●ショートスピーチに対する投稿 | ||
○都市空間こそ緑を(澤登氏投稿) | ||
「都市に緑が必要か?」とのご意見ですが、私はいつ何処に暮らしても自然環境の基盤となり、そのうえで様々な社会システムが形成されていくと考えます。 都会に暮らす私達はいつの間にか人工的な都市空間に慣れコレが当たり前と感じていませんか?また、山村の文化や環境は遅れていると対立軸で捉えていませんか? 次世代の子どもたちの体力低下やヒートアイランド現象、エネルギー問題、地球温暖化・・・など多様な課題は“地球環境から隔離された暮らし”が起因していると私は考えます。 これから都市生活者も“のびやかな清々しい美しい暮らし”を味わい、そして高度な技術を活用した都市生活をおくりたいものです。そのためには、技術を活用する知性と品格が問われているのではないでしょうか? |
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○中田耕二 40歳代男性(製造) | ||
都市生活を享受している者としては、「緑」のようなリフレッシュ機能も重要でしょうが、それ以上に様々な都市機能が充実していることも重要という気がします。どの程度の「緑」が適切かということの科学的調査結果等はないのでしょうか、ねえ。 | ||
○大学院生 20歳代女性(学生) | ||
大学で地域の音環境について調査しています。市民の方々の意見から、自然環境の良いところで生活したいと思ってはいるものの、高齢になると交通や買い物の便のよいところにすみたいと思っていることが分かりました。そこが一番難しい点だと思います。 | ||
○たらばがに 20歳代女性(専業主婦) | ||
近代都市での生活を支える技術。確かにこれが発達すれば、「環境」と「経営合理化」の共存は可能だと思います。ただ、私が少し不安なのは・・・。例えば遺伝子操作で作られた、近代都市でも育つ木だとか、都市で発生する排気ガスを浄化してくれる緑地だとか、科学が発展すれば、こんなことも可能で、緑に囲まれたきれいな街に住むことができると思うのですが、それってホントの「自然」や「緑」なのかな〜って。 科学技術に支えられた環境って、ホントに「人に優しい環境」なんですかね? |
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○東京砂漠 20歳代女性(サービス) | ||
「ポトス」って観葉植物って知ってますか?とても人気があって、家の中に置くにはもってこいです。でもこの植物、もともとジャングルでは10m近くの長さになり、葉の大きさも50cmを超えるとか。市販されているものは小さくてかわいらしいんですが・・・。これも「作られた自然」の一つなのかしら?
でも私はそんなポトスが好きだし、10mにもなってしまうポトスはちょっと抵抗あります・・・。これって私が「本当の自然」を見失ってしまってるのかしら?? |
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○ローカル 20歳代男性(官公庁) | ||
都会に暮らしてきた(いる)せいか、緑が大事だと言ってもなかなかピンとこないのが実感です。これは都会に暮らしている人、皆に言えるのではないでしょうか。緑といえば公園の緑ぐらいしかない都会に暮らし、週末に郊外(地方)の緑を見に行く。そう、もはや緑はお金を払って見に行くものとなっている気がします。 緑をはじめとした自然は、観光資源として十分成り立ちます。地方において自然を大事にし、観光資源として育てていくことはとても大切なことだと思います。 |
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○ヨーダ 30歳代女性(サービス) | ||
私も都会育ちの人間ですが、都会の緑は、目立ちにくい気がします。全体でどのくらいの緑があるのか分かりませんが、注意していると、道の植え込みや街路樹、ちょっとした広場なんかに結構あるのではないでしょうか?ただ、実感があまりありません。緑を感じられる工夫はないでしょうか? | ||
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