全体会議

 ◆分科会のまとめ
   分科会Aのまとめ
   分科会Bのまとめ
 ◆コーディネーターからのまとめ
   阿蘇コーディネーター
   上野コーディネーター


◆分科会のまとめ

○分科会Aのまとめ

 交流・連携のための重要ポイントについて、「10の提言」が挙げられました。

[10の提言]
・連携の対象を団塊の世代にしぼり、地方で活用する。テーマのない研究所をつくり、
 民間が活用する。
・高学歴化の女性を活用する。元気な地域は女性が美しい。
・定住の促進は、新しい定住システム(お試し定住システム)が必要。
・二つの住居をもつ場合に、住民税を二つの地域で分納する(させる)仕組みが必要。
・交流拠点として、地方建設局の工事事務所やNTTの事業所を「交流拠点(交流の場)」として開放する。人が3人集まると「集」と読む。4つ集めると「世論」になる。
・定住促進のためには、田舎と都市の往復に「ふるさと割引切符」の創設。
・交流と連携は掛け算。都市と田舎は異質で、異質のものは掛け算しかできない。まったく新しいものが生まれるのが交流と連携である。
・都会の困り者と地方の困り者、都会の素晴らしい者と田舎の素晴らしいものを掛け合わせる。
・異質なものを結びつけるためには、コーディネーターが必要。コーディネーターはアジテーターではいけない。「走りテーター」でなければいけない。コーディネーターこそ連携のキーワードである。
・コーディネーターは、闇の中に幻想が見えて、明日にはこういうふうなものになるということが分かっている人のこと。そういう方向に撃つことができう人で、「明日に向かって撃て」がキーワード。


○分科会Bのまとめ

 次のような結論が出されました。

[制度的な壁のとらえかた]
まず、壁のとらえかたとしては、ルール、ハードル、関門といった程度と考えてはどうか。あるいは壁は協調していくなかで消えていくものである。

[壁を乗り越えるためのアクションと考え方]
・ネットワークを形成すること。ネットワークの形成することによって情報を共有することで壁を乗り越えることができるし、また、お互いの合意の形成が基本的に大事である。
・マスコミの活用、外圧を利用する。自治体であれば、しなやかに住民に対応することが大事。
・長期的な見通しと、具体的な行動に対する計画性と実行が伴うことが大事である。
・制度は人がつくったものだから、その制度は人間が変えればいいという認識を根底にもつことが重要である。
・ネットワークをつくることでいま壁と思われていることを乗り越えることができる。そのためには人と人のネットワークが大変重要である。なかでもキーマンとなる人がカギを握る。
・壁の前に合意形成があれば壁は取り払うことができる。そうした認識も大切。
・場づくりとして、人と人のネットワークで、乗り越えられるものも多い。
・ネットワークをつくるためには、自分から飛び込んでいくことが重要。

[キーマンとは]
・ホットラインですぐつながる人、
・慰めてくれる人、
・時代を読める人、
・自分自身も具体的な技術をもっていること。ただし、ホットラインの場合には、特定の人だけにつながるというのはどうか。情報を共有することで、みんなにチャンスがあればホットラインを使えるようにすることが必要ではないかという声もあった。

[地域づくり全般に言えること]
・「P(plan)D(do)C(check)A(action)」は、地域づくり全般に言えることだが、収益性を考えていかないと継続はできない。地域づくりにおいてもマネジメントが必要である。
・行政と住民の相互信頼は新たなエネルギーを生む。


◆コーディネーターからのまとめ

分科会Aと分科会Bの代表者による発言が終わったあと、コーディネーターである上野氏と阿蘇氏による全体のまとめが発表されました。

○コーディネーター・阿蘇氏のまとめ

・地域づくりでは、10年前では考えられないような意見が出てきている。
・問題意識をもった個が確実に育っているし、これからの地域づくり、交流や連携において、そうした個をつなぐこと、マネジメントしていくことは極めて重要であると思う。そういう作業は必要である。
・建設省でいえば、個を捜していく作業をしながら、個を暖かく見守ってあげる。個というのは個人とか民間の話だけではなくて、厚生省や郵政省など媒体をもっているような、官庁の横のつながりをつくりながら、システムづくりを行う。それが完成すれば建設省はさっさと次のことを考えていく。それは建設省の当面の役割である。
・当分は、個をつないでいく、個をマネジメントをするといった作業が必要だし、旗振り役が必要である。
・これからの国土は、個が情報発信をする、あるいは政策に参加するといった、そういう場面をつくっていくことが重要だと実感した。

○コーディネーター・上野氏のまとめ

・「場づくり」が大きくクローズアップされてきていることを感じる。
・情報交流の結果、地域の団体は人と人が集まってグループ化して、情報交流にいくわけだが、それがまたフェイス・トゥ・フェイスの関係に戻っていくと実感している。酒の量と回数というのはまさにそれを言い得ているのだが、人と人が実際に物理的に交流することによって継続する、あるいは絆を強くする意味で、そのことは重要である。そういうことでは、「人の顔の見える地域づくり」が重要であり、そうした地域づくりを心掛けるべきである。
・省庁間の連携を図ることがますます必要だと感じる。個人的な見解だが、国、都道府県、市町村といった縦の流れにこれは関係しているのかもしれないが、国の人たちと話をしていると柔軟な話ができるが、県や市町村へいくほどみんな意外に頑なな人たちが多い。そういう意味では、政策の流れについてのトータルな変革は必要だと感じている。
・地域というときに、日本人は土地に対するしがらみから抜け切れないような感じがしている。そういう意味では団塊の世代を地方で活用するのはいいことだと思うが。土地に対するしがらみは過去志向である。むしろ子孫に申し訳ないと思うべきで、アメリカインディアンは7代先の子孫(200年先)に申し訳できるかできないかを考えて行動しているようで、そういう意味では、未来への長期的な視野が、地域づくりでも大事である。



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