○ 純流動と総流動の違い
幹線旅客流動とは、交通機関の乗り継ぎ状況によらず、実際の出発地から目的地までの流動を示しています。 これに対し、交通機関ごとの流動を『総流動』と呼びます。
○ 利用交通機関と代表交通機関
幹線旅客純流動で対象としている利用交通機関は、航空、鉄道、幹線旅客船、幹線バス、乗用車等の5種類です。旅行者が実際に利用している交通機関を表しています。
上記の利用交通機関の内、2種類以上の利用交通機関があった際に、1つに代表させた利用交通機関を代表交通機関としています。
○ 代表交通機関の設定方法
全国幹線旅客純流動調査では、実際の出発地から目的地までの移動を1トリップとして計上しています。そのため、複数の幹線交通機関を乗り継いだ場合には、乗り継いだ交通機関のうち、1つを代表交通機関として定義し、その代表交通機関を利用した移動として1トリップを計上しています。代表交通機関の設定方法は、利用した交通機関の移動距離の長短にかかわらず、以下に示す通りです。
1.純流動調査では、以下の優先順位で代表交通機関とする [1]航空 [2]鉄道 [3]幹線旅客船 [4]幹線バス [5]乗用車等 2.ただし、上位の幹線交通機関の利用区間が都道府県内々の場合は、 都道府県を超えている交通機関を代表交通機関とする |
仕事:業務での出張等、仕事目的での流動で、仕事の帰りも含みます 観光:観光(名所・旧跡、催し物等を見る)、保養(温泉、家族・知人との交流等)、スポ ーツ・体験型レジャー(遊園地・ドライブ・釣り・写真等)の目的での流動で、観光の帰りも含みます。 私用・帰省:上記の観光以外を目的とする私用・帰省による流動で、私用・帰省の帰りも含みます。 その他:上記以外の目的をその他目的としています。 |
○ 1日データの留意事項
1日データは、年間データと比べ各地域の調査日の時期や天候や交通機関の運行状況、各種イベントの開催状況等の影響を受ける可能性があります。
第1~4回や第6回の実態調査は秋期1日(10月中旬~11月中旬を想定)に実施されていますが、第5回の公共交通機関の実態調査は、平日が12月上旬、休日が 11月下旬に実施されています。
第1~4回や第6回と第5回の調査結果を比較すると、こうした実態調査日(季節)の影響が含まれている可能性があります。
その影響は、旅客流動量及び旅行目的で影響が大きいと考えられるため、異なる年次の調査結果を比較(時系列分析)する際の解釈には留意する必要があります。
○ 年間データの留意事項
第1回(1990年度)から第3回(2000年度)の年間データは、第4回以降(2005年度)以降の平日と休日のサンプルを用いて拡大を行った年間データとは手法が異なるため、時系列の分析はできなくなっています。なお、第5回(2010年度)までは、平日のサンプルのみを用いた年間拡大データも公表していますので、そちらをご利用ください。
年間データは、平日と休日に実施した実態調査で得られたサンプルを元に年間の輸送実績等で拡大しています。そのため、交通量は1日データに比べ季節変動の影響は小さいと考えられ、 時系列で分析をするのに適していると考えられます。ただし、旅行目的、年齢・性別といった 情報は、秋期1日データを基本に作成しており、季節ごとに旅行目的等が変わることを考え、 年間データの提供は行っていません。また、東日本大震災などの天災やイベント等による影響にも留意する必要があります。また、第6回調査(2015 年度)では、前回調査より対象路線等を拡大しています。このように、異なる年次の調査結果を比較(時系列分析)する際の解釈には留意する必要があります。
官公庁、地方自治体、交通事業者、研究機関等の多くの主体において幹線交通機関の実態把握、将来交通需要予測、経済効果計測などに利用されています。
全国幹線旅客純流動調査では、通勤・通学等の日常生活圏内の流動をのぞいた都道府県をまたぐ長距離流動を対象としています。
集計ゾーンは、都道府県を基本とした50都道府県ゾーンと、都道府県よりもさらに細分化した207生活圏ゾーンの2通りあります。都道府県ゾーンのうち、北海道は4つの地域に分割します。首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏内の流動は、都道府県内の流動と同様であるとし、三大都市圏内の流動は対象外としています。
また、207生活圏ゾーンにおいても都道府県内の移動は対象外となります。よって、同一県内で異なる207生活圏での流動は0(ゼロ)になります。