
国土交通白書 2024
第6節 交通政策の推進
■3 持続可能な地域旅客運送サービスの提供の確保に資する取組みの推進
人口減少等による長期的な需要の減少に加え、運転手等の人手不足による供給の減少により、地域公共交通を取り巻く状況は厳しいものとなっている。他方、高齢者の運転免許の返納件数は依然高い水準にあり、受け皿としての移動手段を確保することは重要性を増している。
これまで、地方公共団体が中心となって、地域交通法に基づき、令和5年度末までに1,021件の地域公共交通計画が作成されるなど、持続可能な地域旅客運送サービス提供の確保に資する取組みが進められている。
また、依然として厳しい状況を踏まえ、地域の関係者の連携と協働の促進を国の努力義務として位置付けるとともに、ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設・拡充、エリア一括協定運行事業の創設、道路運送高度化事業の拡充等を盛り込んだ改正地域交通法が施行されたほか、地域の関係者の連携・協働(共創)の取組みの支援やDX・GXによる経営改善支援、社会資本整備総合交付金等、地域公共交通の再構築を図るための所要の予算が措置された。このうちローカル鉄道の再構築については、JR芸備線について、JR西日本からの要請に基づき、国が主催する再構築協議会の設置を決定、開催したほか、鉄道の維持・高度化により利便性・持続可能性の向上を図る鉄道事業再構築事業について、JR城端線・氷見線等7件の実施計画の認定を行った。
引き続き、あらゆる政策ツールを最大限活用しつつ、デジタル田園都市国家構想実現会議の下に設置された地域の公共交通リ・デザイン実現会議における議論も踏まえ、関係府省庁とも連携して利便性・生産性・持続可能性の高い地域交通へのリ・デザインを加速化させる。