表紙 ホームドア整備に関するWG 報告書 国土交通省 鉄道局 目次 第1章 はじめに 2ページ 第2章 ホームドア整備の意義 3ページ 2.1 駅ホームからの転落に関する状況 3ページ 2.2 駅ホームにおける安全性向上の取組 5ページ 2.3 ホームドア整備の効果 7ページ 2.4 ホームドアに対する利用者の認識 8ページ 第3章 ホームドア整備に関する現状・課題 9ページ 3.1 現行目標の設定経緯 9ページ 3.2 整備の進捗状況 10ページ 3.3 次期目標のあり方 13ページ 3.4 ホームドア整備の課題 16ページ 3.5 ホームドア整備に関する新たな動き 17ページ 3.6 駅ホームにおけるホームドア以外の安全対策 21ページ 第4章 終わりに 26ページ 参考 ホームドア整備に関するアンケート 27ページ 2ページ 第1章  はじめに 駅ホームにおける安全性の向上は、視覚障害者を含む全ての利用者にとって重要な課題である。 ホームドアは、ホームにおける転落・接触事故やそれに伴う列車遅延を減少させる効果を有するとともに、利用者の安心感の向上にも寄与する。 このため、政府は「交通政策基本計画(2015年2月13日閣議決定)」において、2020年度までに800駅を整備するという目標を設定するとともに、1日当たり平均利用者数が10万人以上の駅(以下「10万人以上駅」という。)について優先的な整備を行う方針を示し、ホームドア整備に関する補助制度等を活用して、その設置を促進してきた。 これを受け、鉄道事業者の積極的な取組により、2019年度末において858駅整備され、整備目標を1年前倒しで達成することとなった。 また、来年度からは新たに2025年度を目標年次とするバリアフリー化の目標が定められるため、新たなホームドア整備目標の検討も必要である。 このため、これまでのホームドアの整備状況や整備における課題を踏まえ、ホームドアを巡る現状を分析のうえ、今後の整備の考え方等を整理するため「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」の下に「ホームドア整備に関するWG」を設置し検討を行った。 3ページ 第2章  ホームドア整備の意義 2.1  駅ホームからの転落に関する状況 ○視覚障害者の駅ホームからの転落件数は2011年度から2015年度まで毎年70件以上であったものの、2015年度をピークに、2019年度は61件となっている。 〇一般利用者を含めた全利用者の駅ホームからの転落件数は、2014年度をピークに、2019年度は2,887件となっている。 ○ホームからの転落件数のうち、視覚障害者の占める割合は2〜3%であり、一般利用者がその大半を占めている。 ○全利用者のホームでの列車等との接触事故件数は年々減少傾向にあり、2019年度は160件となっているが、視覚障害者のホームでの列車等との接触事故件数については、2015年度を除き、毎年、数件発生している。 ○ホームからの転落及びホームでの列車等との接触事故の発生要因別では、酔客の占める割合が最も多く、2019年度は全体の約54%を占めている。 図‐1 ホームからの転落件数の推移 ※説明 ア:年度別のホームからの転落件数、イ:アのうち視覚障害者の方の件数を記載する。 2010年 ア2806件、イ58件 2011年 ア3182件、イ74件 2012年 ア3223件、イ91件 2013年 ア3263件、イ74件 2014年 ア3673件、イ80件 2015年 ア3518件、イ94件 2016年 ア3449件、イ78件 2017年 ア3339件、イ79件 2018年 ア3256件、イ72件 2019年 ア2887件、イ61件 4ページ 図‐2 ホームでの列車等との接触事故件数の推移 ※説明 ア:年度別のホームでの接触事故件数、イ:アのうち視覚障害者の方の件数を記載する。 2010年 ア224件、イ2件 2011年 ア209件、イ4件 2012年 ア223件、イ1件 2013年 ア221件、イ1件 2014年 ア227件、イ2件 2015年 ア198件、イ0件 2016年 ア187件、イ3件 2017年 ア176件、イ2件 2018年 ア178件、イ3件 2019年 ア160件、イ5件 図‐3 ホームからの転落の要因別件数の推移 ※説明 ア:年度別のホームからの転落件数、イ:アのうち転落の要因が酔客の件数、ウ:アのうち転落の要因が体調不良の件数、エ:アのうち転落の要因が携帯電話使用の件数、オ:アのうち転落の要因が旅客トラブルの件数、カ:アのうち転落の要因がその他の件数を記載する。 2010年 ア2806件、イ1613件、ウ185件、エ10件、オ17件、カ981件 2011年 ア3182件、イ1832件、ウ195件、エ17件、オ21件、カ1117件 2012年 ア3223件、イ1845件、ウ169件、エ19件、オ30件、カ1160件 2013年 ア3263件、イ1959件、ウ177件、エ44件、オ11件、カ1072件 2014年 ア3673件、イ2070件、ウ206件、エ32件、オ26件、カ1339件 2015年 ア3518件、イ1979件、ウ168件、エ42件、オ12件、カ1317件 2016年 ア3449件、イ1822件、ウ252件、エ34件、オ19件、カ1322件 2017年 ア3339件、イ1936件、ウ227件、エ49件、オ33件、カ1094件 2018年 ア3256件、イ1779件、ウ223件、エ53件、オ17件、カ1184件 2019年 ア2887件、イ1565件、ウ212件、エ45件、オ26件、カ1039件 5ページ 図‐4 ホームでの列車等との接触事故の要因別件数の推移 ※説明 ア:年度別のホームでの接触事故件数、イ:アのうち接触事故の要因が酔客の件数、ウ:アのうち接触事故の要因が体調不良の件数、エ:アのうち接触事故の要因が携帯電話使用の件数、オ:アのうち接触事故の要因が旅客トラブルの件数、カ:アのうち接触事故の要因がその他の件数を記載する。 2010年 ア224件、イ138件、ウ25件、エ1件、オ2件、カ58件 2011年 ア209件、イ122件、ウ17件、エ1件、オ1件、カ68件 2012年 ア223件、イ137件、ウ21件、エ0件、オ0件、カ65件 2013年 ア221件、イ133件、ウ27件、エ1件、オ1件、カ59件 2014年 ア227件、イ142件、ウ21件、エ4件、オ1件、カ59件 2015年 ア198件、イ122件、ウ15件、エ1件、オ1件、カ59件 2016年 ア187件、イ106件、ウ13件、エ3件、オ1件、カ64件 2017年 ア176件、イ96件、ウ8件、エ1件、オ1件、カ70件 2018年 ア178件、イ96件、ウ6件、エ1件、オ0件、カ75件 2019年 ア160件、イ83件、ウ12件、エ0件、オ1件、カ64件 2.2  駅ホームにおける安全性向上の取組 ○駅ホームにおける転落事故防止への取組は、視覚障害者をはじめ、全ての利用者にとって大変重要な課題である。 ○抜本的な対策として、これまで鉄道事業者によりホームドアの整備が鋭意進められてきた。また、ホームドア整備のみならず、内方線付き点状ブロックの整備などのハード対策や、適切な情報提供や駅係員等による案内の充実、鉄道利用者による視覚障害者への声かけの啓発などのソフト対策により、駅ホームにおける安全性向上に向けた取組が進められている。 ○一方、いまだ視覚障害者のみならず、一般の利用者を含め、転落・接触事故は発生しており、引き続き、ホームドアの更なる整備推進とともに、一層の駅ホームの安全性向上が求められている。 6ページ 【参考】 1) 新大久保駅転落・接触事故 ○2001年1月にJR山手線、新大久保駅において、プラットホームから線路に転落した人を救助するために2名が線路に降りたが、間に合わず駅に入ってきた列車に接触し3名が死亡する事故が発生した。 ○この事故を踏まえて国土交通省はホームからの転落事故に対する安全対策として、列車の速度が速く、かつ、1時間当たりの運行本数の多いプラットホームについて、非常停止押しボタン又は転落検知マットの整備、プラットホーム下の待避スペースの確保、ホーム柵等の設置に関する検討、旅客に対する注意喚起の徹底等といった措置を講ずるよう、全国の鉄軌道事業者に対し指導を行ってきた。 2) 視覚障害者による主な転落・接触事故 ○2016年8月に東京メトロ銀座線、青山一丁目駅において盲導犬を利用していた視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2017年10月にJR阪和線、富木駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2017年12月に阪急京都線、上新庄駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2018年6月にJR横須賀線、保土ケ谷駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2019年10月に京成押上線、京成立石駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2020年1月にJR京浜東北線、日暮里駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2020年7月にJR中央線、阿佐ケ谷駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 ○2020年11月に東京メトロ東西線、東陽町駅において視覚障害者がホームから転落し、列車に接触して死亡する事故が発生した。 7ページ 2.3  ホームドア整備の効果 ○ホームドア整備の効果として、ホームからの転落の防止が考えられるが、列車運行の観点からは転落に伴う列車の遅延防止も挙げられる。以下に、先駆的に整備が進められてきた東京地下鉄株式会社の事例を紹介する。 ○ホームドアの整備が完了している丸ノ内線及び有楽町線では、全線整備完了後には、列車乗降時に列車とホームの隙間に足を踏み外して転落した事象は発生したものの、それ以外の転落及び転落による遅延は発生していない。 図‐5 転落件数の推移(東京メトロ) ※説明 ア:2007年度にホームドア整備が完了した丸ノ内線の年度別の転落件数の推移、イ:2013年度にホームドア整備が完了した有楽町線の年度別の転落件数の推移 2008年度 ア0件、イ28件 2009年度 ア0件、イ25件 2010年度 ア0件、イ38件 2011年度 ア0件、イ22件 2012年度 ア0件、イ11件 2013年度 ア0件、イ7件 2014年度 ア0件、イ1件 2015年度 ア0件、イ0件 2016年度 ア0件、イ1件 2017年度 ア0件、イ1件 2018年度 ア0件、イ0件 8ページ 図‐6 転落による総遅延時間の推移(東京メトロ) ※説明 ア:2007年度にホームドア整備が完了した丸ノ内線の年度別の転落による総遅延時間の推移、イ:2013年度にホームドア整備が完了した有楽町線の年度別の転落による総遅延時間の推移 2008年度 ア0分、イ77分 2009年度 ア0分、イ80分 2010年度 ア0分、イ122分 2011年度 ア0分、イ31分 2012年度 ア0分、イ11分 2013年度 ア0分、イ9分 2014年度 ア0分、イ0分 2015年度 ア0分、イ0分 2016年度 ア0分、イ0分 2017年度 ア0分、イ0分 2018年度 ア0分、イ0分 2.4  ホームドアに対する利用者の認識 〇全国の大都市圏を中心とした視覚障害者及び一般利用者を対象としたアンケート調査では、ホームドアは視覚障害者のみならず全ての利用者にとって必要なものと広く認識されているとの結果が得られた。 ○実際の接触・転落事故は、視覚障害者ではない一般の利用者が大半を占めることも踏まえれば、ホームドア整備は、視覚障害者の転落・接触を防止する設備であるとともに、一般利用者を含めた全ての利用者のための安全対策としても必要な施設と考えられる。 図‐7 ホームドア整備に関するアンケート結果@ 視覚障害者及び一般利用者に対し、「ホームドアは誰のための転落等防止対策だと思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:そう思うの割合、イ:そう思わないの割合、ウ:無回答の割合 @視覚障害をお持ちの方のため 視覚障害者の回答 ア84%、イ4%、ウ11% 一般利用者の回答 ア95%、イ5%、ウ0% A視覚障害以外の身体障害をお持ちの方のため 視覚障害者の回答 ア77%、イ7%、ウ16% 一般利用者の回答 ア92%、イ8%、ウ0% B高齢者のため 視覚障害者の回答 ア80%、イ7%、ウ13% 一般利用者の回答 ア91%、イ9%、ウ0% C幼児/ベビーカーを連れている方のため 視覚障害者の回答 ア78%、イ8%、ウ14% 一般利用者の回答 ア86%、イ14%、ウ0% D酒に酔った方のため 視覚障害者の回答 ア78%、イ10%、ウ12% 一般利用者の回答 ア83%、イ17%、ウ0% Eすべての利用者のため 視覚障害者の回答 ア89%、イ4%、ウ6% 一般利用者の回答 ア85%、イ15%、ウ0% 9ページ 第3章  ホームドア整備に関する現状・課題 3.1  現行目標の設定経緯 ○ホームドアの整備については、移動等円滑化の促進に関する基本方針(2011年3月31日)において、「視覚障害者の転落を防止するための設備として非常に効果が高い」とした上で、「車両扉の統一等の技術的困難さ、停車時分の増大等のサービス低下、膨大な投資費用等の課題について総合的に判断した上で、優先的に整備すべき駅を検討し、地域の支援の下、可能な限り設置を促進する」とされた。 ○2011年8月の「ホームドアの整備促進等に関する検討会」において、ホーム上での転落・接触事故の約8割が1日平均利用者数1万人以上の駅で発生していること、特に10万人以上駅において発生件数が多いことが指摘され、「10万人以上駅については、ホームの状況等を踏まえ、ホームドア又は内方線付き点状ブロックの整備を優先して速やかに実施」することが提言された。 ○また、「交通政策基本計画(2015年2月13日閣議決定)」では、「特に、視覚障害者団体からの要望が高い鉄道駅及び1日当たり平均利用者数が10万人以上の鉄道駅について、優先的な整備を行う」として、2013年度現在全国で583駅であったホームドア整備駅数を、2020年度末までに800駅とする具体的な数値目標が掲げられた。 ○一方、2016年8月15日に発生した東京メトロ銀座線・青山一丁目駅における視覚障害者の転落事故等を踏まえ、同年8月26日に「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」が設置され、同年12月に中間とりまとめが提言された。この中では、10万人以上駅について、「整備条件を満たしている場合(車両の扉位置一定、ホーム幅を確保できる等)、原則2020年度末(平成32年度末)までに整備」、「整備条件を満たしていない場合、新しいタイプのホームドアにより対応する場合は概ね5年を目途に整備/整備着手等」が提言された。また、1日当たり平均利用者数が10万人未満の駅(以下「10万人未満駅」という。)については、「駅の状況等を勘案した上で、10万人以上と同程度に優先的な整備が必要と認められる場合に整備」とされ、交通政策基本計画で掲げられた2020年度までに約800駅としている整備目標について、できる限りの前倒しを図ることが提言された。 10ページ 3.2  整備の進捗状況 (1) 整備駅数の推移 ○移動等円滑化の促進に関する基本方針が告示された2011年当時、全国におけるホームドア整備駅数は519駅であり、そのうち10万人以上駅は30駅であった。 ○その後、地下鉄、JR、民鉄における整備が進み、整備駅数は2018年度末時点で、全国で783駅となった。 ○2019年度末時点では、全国で858駅となり、交通政策基本計画における2020年度末までに800駅とする整備目標を1年前倒しで達成することとなった。 ○一方、ホームドア優先整備の対象としてきた10万人以上駅では、2018年度末時点で125駅であり、全国において10万人以上駅が285駅存在することから、その整備率は約44%に留まっている状況であった。 ○2019年度末時点では、154駅と前年から着実に整備が進んでいるものの、全体285駅に対して整備率はまだ約54%である。 図‐8 ホームドア設置駅数の推移 2011年1月 目白駅での視覚障害者転落死亡事故 2011年度〜 JR・民鉄に対する補助制度により更に加速化 2016年8月 青山一丁目駅での視覚障害者転落死亡事故 2016年12月 駅ホームにおける安全性向上のための検討会・中間とりまとめ ※説明 ア:年度別のホームドア設置駅数、イ:アのうち10万人以上駅におけるホームドア設置駅数 2011年度末 ア519駅、イ30駅 2012年度末 ア564駅、イ39駅 2013年度末 ア583駅、イ50駅 2014年度末 ア615駅、イ60駅 2015年度末 ア665駅、イ82駅 2016年度末 ア686駅、イ85駅 2017年度末 ア725駅、イ105駅 2018年度末 ア783駅、イ125駅 2019年度末 ア858駅、イ154駅 11ページ (2) 地域別、駅利用人数別の分布 ○全国におけるホームドア整備駅858駅(2019年度末)を地域別に見ると、首都圏が484駅、近畿圏が118駅、中京圏が66駅となっており、三大都市圏で全国の約77%を占めている。その他のエリアについては、北海道エリアが49駅、東北エリアが37駅、北陸エリアが13駅、中国エリアが25駅、九州エリアが47駅、沖縄エリアが19駅となっている。 図‐9 ホームドア設置状況(首都圏、近畿圏、中京圏) ホームドアは2019年3月末現在、全858駅に設置されている。 首都圏には484駅に設置されている。内訳は次の通り。 JR東日本 山手線27駅、京浜東北線16駅、総武快速線1駅、横浜線1駅、八高線1駅、成田線2駅 東武 東上線5駅、野田線2駅 西武 池袋線2駅、新宿線1駅 京成 本線2駅 京王 京王線5駅、井の頭線2駅 小田急 小田原線7駅 東急 田園都市線25駅、東横線15駅、目黒線13駅、大井町線13駅 京急 本線3駅、空港線2駅 相鉄 本線1駅、新横浜線1駅 東京臨海 りんかい線2駅 みなとみらい21線4駅 つくばエクスプレス20駅 東京メトロ 丸ノ内線26駅、南北線18駅、有楽町線16駅、銀座線15駅、千代田線14駅、副都心線8駅、東西線6駅、半蔵門線1駅 都営 浅草線2駅、三田線24駅、大江戸線36駅、新宿線18駅 埼玉高速鉄道7駅 横浜市 ブルーライン32駅、グリーンライン8駅 東京モノレール11駅 ゆりかもめ16駅 日暮里・舎人ライナー13駅 多摩モノレール19駅 ディズニーリゾートライン4駅 金沢シーサイドライン14駅 東海道新幹線3駅 中京圏には66駅に設置されている。内訳は次の通り。 名鉄 小牧線1駅、空港線1駅 名古屋市 上飯田線1駅、桜通線21駅、東山線20駅 あおなみ線11駅 リニモ東部丘陵線9駅 東海道新幹線2駅 近畿圏には118駅に設置されている。内訳は次の通り。 JR西日本 東海道線5駅、東西線3駅、山陽本線1駅、山陰本線1駅 近鉄 南大阪線1駅 阪急 宝塚線1駅 南海 高野線1駅 北大阪急行 南北線3駅 京都市 烏丸線2駅、東西線17駅 OsakaMetoro 長堀鶴見緑地線16駅、千日前線12駅、今里筋線11駅、御堂筋線1駅、堺筋線1駅、谷町線1駅 神戸市 西神・山手線1駅 大阪モノレール8駅 ニュートラム南港ポートタウン線10駅 ポートライナー12駅 六甲ライナー6駅 東海道新幹線2駅 12ページ 図‐10 ホームドア設置状況(首都圏、近畿圏、中京圏以外) ホームドアは2019年3月末現在、全858駅に設置されている。 北海道エリアには、地下鉄46駅、JR3駅の全49駅に設置されている。内訳は次の通り。 札幌市 東豊線12駅、東西線19駅、南北線15駅 北海道新幹線3駅 東北エリアには、地下鉄29駅、JR8駅の全37駅に設置されている。内訳は次の通り。 仙台市 南北線17駅、東西線12駅 東北新幹線8駅 北陸エリアには、民鉄1駅、JR12駅の全13駅に設置されている。内訳は次の通り。 立山黒部貫光1駅 上越新幹線1駅 北陸新幹線11駅 中国エリアには、民鉄の25駅に設置されている。内訳は次の通り。 スカイレール3駅 アストラムライン22駅 九州エリアには、地下鉄35駅、JR12駅の全47駅に設置されている。内訳は次の通り。 福岡市 空港線13駅、七隈線16駅、箱崎線6駅 JR九州 筑肥線1駅 九州新幹線11駅 沖縄エリアには、民鉄のゆいレールの19駅に設置されている。 【参考】 地域周辺施設(特別支援学校(盲学校)・点字図書館・視覚障害者訓練施設)に着目した整備状況(2018年度末現在) ○特別支援学校(盲学校)、点字図書館及び視覚障害者訓練施設は全国に166施設あり、その最寄駅1となる総駅数は243駅であった。 ○243駅中、ホームドア整備済み駅は25駅、そのうち10駅が10万人以上の駅であった。また、ホームドア整備計画がある駅が23駅あり、このうち13駅が10万人以上駅、10駅が10万人未満駅であった。 「最寄り駅」とは、全国の特別支援学校(盲学校)・点字学校等のホームページにおいて、アクセス情報として掲載されている駅を指す。 13ページ 3.3  次期目標のあり方 (1) 目標に用いる単位のあり方 ○従来指標として用いてきた「ホームドア整備駅」とは、駅に複数ある番線のうち1番線でもホームドアが整備されている駅を指しており、必ずしもすべての番線にホームドアが整備された駅ではない。 ○一方、視覚障害者へのアンケ―ト調査より、同じホームの片側にはホームドアが整備され、もう片側には整備されていないホームがあると、利用時に混乱を招くとの意見が得られた。 ○2018年度末時点における10万人以上駅における総番線数は1,255番線であるが、そのうち整備済み番線数は355番線であり、整備率は駅数ベースでの割合(約44%)よりも低い約29%である。 ○こうした状況を踏まえると、視覚障害者を含む利用者全てに、ホームドア整備の実態を正しく情報提供し、きめ細やかにフォローするためには、これまでの駅単位の数値目標ではなく、番線に着目した指標を取り入れることが必要であると考えられる。 (2) 全体と10万人以上駅の目標設定の必要性 ○優先整備を推進してきた10万人以上駅の整備率は、2018年度末には44%まで進展してきているものの、いまだ整備は道半ばである。 ○その整備進展に伴い、1駅当たりの転落・接触事故の年間発生件数は、2014年度の6.9件をピークに、2018年度には4.6件まで低下してきており、10万人以上駅における整備に一定の有効性が認められると考えられる。 〇また、「乗降客が多く混雑しているホーム」に対して、視覚障害者、一般利用者ともに、「大変危険」、「ホームドアの設置を望む」とする回答の割合が最も高いことから、利用者ニーズからも乗降客が多い駅を優先することの妥当性が確認された。 ○一方、10万人未満駅においても、2016年度以降、毎年度、視覚障害者の転落・接触事故が発生していることから、事故発生リスクが高い駅やホームがあると考えられる。 ○そのため、駅の利用実態や利用者のニーズを踏まえ、10万人以上駅及び10万人未満駅を含む全体の駅において、それぞれ目標を設定する必要がある。 14ページ 図‐11 10万人以上駅における1駅当たりの転落・接触事故の発生件数及びホームドア整備率の推移 ※説明 ア:10万人以上駅における1駅当たりの転落・接触事故の発生件数の推移、イ:10万人以上駅におけるホームドア整備率の推移 2013年度 ア6.1件、イ22% 2014年度 ア6.9件、イ25% 2015年度 ア6.5件、イ30% 2016年度 ア4.8件、イ32% 2017年度 ア5.0件、イ38% 2018年度 ア4.6件、イ44% 図‐12 ホームドア整備に関するアンケート結果A 視覚障害者及び一般利用者に対し、「ホームドアが設置されていない次の@〜Cのホームについて、転落や接触の危険があると思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:大変危険の割合、イ:少し危険の割合、ウ:どちらでもないの割合、エ:あまり危険ではないの割合、オ:全く危険ではないの割合、カ:無回答の割合 @乗降客が多く「混雑しているホーム」 視覚障害者の回答 ア70%、イ17%、ウ4%、エ3%、オ0%、カ:6% 一般利用者の回答 ア60%、イ27%、ウ8%、エ2%、オ3%、カ0% A階段の脇など「ホーム縁端からの間隔が狭い箇所」 視覚障害者の回答 ア63%、イ25%、ウ4%、エ1%、オ0%、カ:7% 一般利用者の回答 ア47%、イ36%、ウ12%、エ3%、オ2%、カ0% Bホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」 視覚障害者の回答 ア52%、イ32%、ウ7%、エ3%、オ0%、カ:6% 一般利用者の回答 ア28%、イ39%、ウ25%、エ6%、オ2%、カ0% C特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」 視覚障害者の回答 ア61%、イ20%、ウ6%、エ6%、オ1%、カ:6% 一般利用者の回答 ア45%、イ34%、ウ14%、エ3%、オ4%、カ0% 視覚障害者及び一般利用者に対し、「駅における転落・接触のヒヤリハットの有無及び発生状況」についてアンケートを実施。 @ヒヤリハットの経験の有無 ※説明 ア:あるの割合、イ:ないの割合 視覚障害者の回答 ア59%、イ41% 一般利用者の回答 ア8%、イ92% A発生したときの状況 歩く方向を誤った39%、離れたホームの列車を自分が乗る列車と勘違い20%、線路の向こうの壁面のサインや模様に気をとられた5%、人混みに揉まれた19%、ホーム縁端位置がわかりにくかった34%、車両の連結部を乗車口と勘違いした15%、その他理由36%、分からない6% その他理由の抜粋として、ホームと列車の間に広く隙間が空いていた、車両の最後尾で思ったよりホームが狭くなっていた、雨で車両とホームとの段差が滑りやすくなっていたがある。 15ページ 図‐13 ホームドア整備に関するアンケート結果B 視覚障害者及び一般利用者に対し、「次の@〜Cの状態のホームについて、それぞれホームドアを設置してほしいと思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:設置してほしいの割合、イ:どちらかといえば設置してほしいの割合、ウ:どちらでもよいの割合、エ:どちらかといえば不要の割合、オ:不要の割合、カ:無回答の割合 @乗降客が多く「混雑しているホーム」 視覚障害者の回答 ア81%、イ13%、ウ1%、エ0%、オ1%、カ:5% 一般利用者の回答 ア51%、イ29%、ウ16%、エ1%、オ3%、カ0% A階段の脇など「ホーム縁端からの間隔が狭い箇所」 視覚障害者の回答 ア81%、イ9%、ウ4%、エ1%、オ1%、カ:5% 一般利用者の回答 ア41%、イ34%、ウ20%、エ2%、オ3%、カ0% Bホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」 視覚障害者の回答 ア74%、イ18%、ウ2%、エ0%、オ1%、カ:5% 一般利用者の回答 ア32%、イ33%、ウ30%、エ2%、オ3%、カ0% C特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」 視覚障害者の回答 ア70%、イ19%、ウ6%、エ0%、オ1%、カ:5% 一般利用者の回答 ア43%、イ31%、ウ21%、エ2%、オ3%、カ0% 視覚障害者及び一般利用者に対し、「@〜Cの他、特にホームドアを設置してほしいと思う箇所はありますか。」というアンケートを自由記述にて実施。 島式ホームで片側にのみホームドアが設置されている駅、無人駅、ホームの最前部と最後部、乗降客が多い駅、列車の侵入が頻繁な駅、柱の多い駅 (3) 優先整備における留意点 ○同じ10万人以上駅であっても、乗降客が多く混雑しているホームがある一方で、「降車専用番線」や「支線」のように降車客のみが利用したり、そもそも利用者数が少なかったりするなど、性格が異なる番線もあり、利用実態に応じた優先整備の考え方が必要である。 ○また、10万人未満駅であってもホーム上の混雑や駅の周辺状況などの利用実態により、10万人以上駅と同等に事故発生リスクが高い番線等があり、利用実態に応じた優先整備の考え方が必要である。 〇さらに、周辺状況や利用実態に応じて、駅単位のみならず路線としての線区単位での整備を考慮する必要もある。 16ページ 3.4  ホームドア整備の課題 (1) 膨大な初期費用と維持管理・更新コスト ○ホームドアの整備には、1駅(上下2線、以下同じ。)当たり数億〜十数億(ホーム補強含む)の初期費用と1線当たり年間300万円〜2,000万円前後の維持管理コスト及びその他多額の更新コストがかかる。 ○従来型のホームドアの設置には、1開口当たり450〜500 s程度の自重や水平方向の荷重に対して十分に耐えるよう設計する必要があるため、特に盛土構造のホーム等においては基礎部の補強費用が高額となるケースがある。 ○ホームドア本体設置費用が1駅当たり数億円程度と試算されるのに対して、ホーム基礎部の補強工事を伴う場合には1駅当たり十数億円にも及び、ホームドア導入の課題となっている。 (2) 車両の扉位置・編成長の相違などの物理的制約 ○相互直通等を行う事業者の中には、各社ごとに編成両数や扉位置の異なる車両が運行していることがあり、ホームドア設置のハードルとなっている。 ○また、自社線内でも特急列車と普通列車の扉位置、編成数の違い等から、各種ホームドアで対応が難しい現状がある。 (3) 施工時間及び施工能力 ○既設駅にホームドアを設置する場合、その設置工事は、一般的に営業時間終了後から始発点検までの、極めて限られた時間内に行う必要がある。 ○従来型のホームドアの場合、戸袋等部品サイズ・重量が大きいことや、現場での工事期間を短縮するため、終電後に営業列車や保守車両を用いてホームドア本体(機器)を現場に搬入するケースが一般的であるが、ホームドアの形式により、構成する部品が軽量コンパクトな場合にはエレベーター等で搬入し、現場で組み立てるケースもある。 17ページ 3.5  ホームドア整備に関する新たな動き (1) 新型ホームドア ○新型ホームドアは軽量化やホーム改良範囲の縮小によって、本体機器費や設置工事費の低減に加え、基礎部の補強工事を軽減し、コスト削減効果が期待されている。また、開口を大きくとることで、多様な車種の扉位置に対応が可能となる場合もある。 ○新型ホームドアの主なタイプとしては、横扉式(フレーム式、二重式)と昇降式等がある。 ○なお、新たなタイプの軽量型ホームドア等の導入にあたっては、検討段階から視覚障害者等の参画を得て意見の反映に努めるとともに、視覚障害者等の不安を解消するため、ホームドアの形状、動作等の情報に関して、整備の事前事後問わずに十分な周知に努めることが必要である。 (2) QRコードの活用 ○ホームドア整備の課題の1つである編成両数や扉位置の異なる車両の全ての規格に対応するQRコードを利用したホームドアの開閉制御装置を東京都交通局と株式会社デンソーウェーブが共同開発し、実証実験を行った。 ○大規模な車両の改良を必要とせず編成両数や扉位置の異なる車両に合わせたホームドアの開閉制御ができるため、相互直通や列車種別が複数ある路線へのホームドア普及促進効果とそのコスト削減効果が期待できる。 18ページ [参考] 新型ホームドア及びQRコード活用例 ○スマートホームドア ドア部をフレーム構造として軽量・簡素化等を図り、本体機器費用、設置工事費用等を低減。※スマートホームドアはJR東日本メカトロニクス(株)の登録商標です。 図‐14 JR東日本 東日本旅客鉄道株式会社から、スマートホームドアの写真を提供していただいた。 ○軽量型ホームドア 重量を従来型ホームドアの半分程度まで軽量化し、ホームの補強工事や設置工事費用を低減。 図‐15 JR九州 九州旅客鉄道株式会社から、軽量型ホームドアの写真を提供していただいた。 19ページ ○昇降ロープ式ホーム柵(支柱伸縮型) 開口部が昇降する5本のロープで構成されており、開口幅を大きくとることが可能。乗務員の視認性向上のため、支柱が伸縮型となっている。 図‐16 JR西日本 西日本旅客鉄道株式会社から、昇降ロープ式ホーム柵の写真を提供していただいた。 ○大開口ホーム柵 通常の横開きタイプのドア部を2重引き戸構造とし、開口幅を大きくとることが可能。 図‐17 東京メトロ 東京地下鉄株式会社から、大開口ホーム柵の写真を提供していただいた。 20ページ ○QRコードの活用例 QRコードを車両ドアに貼り、ホーム上のカメラ(読み取り装置)で車両ドア数、編成車両数などの情報やQRコードの動きを検知することで、相互直通運転により車両の編成数や扉の位置が異なる列車であっても、車両ドアの開閉に合わせてホームドアを開閉することが可能。 図‐18 東京都交通局 東京都交通局から、QRコードの活用例の写真を提供していただいた。 21ページ 3.6  駅ホームにおけるホームドア以外の安全対策 (1) 鉄道事業者が実施している安全対策 ○ホームドア整備以外にも、各鉄道事業者が駅ホームの安全性向上のために実施しているハード・ソフト両面の対策について以下に紹介する。 1) ソフト施策 ○ホームの安全性向上のため、多くの事業者において、混雑するホームにおける駅員・警備員の配置や見守り・声かけ強化等が実施されている。また、歩きスマホの注意喚起、転落防止放送の強化など、利用者に対する働きかけも行われている。なお、歩きスマホの注意喚起を行う際には、駅構内における視覚障害者の歩行をサポートするアプリもあるため、留意が必要である。その他、駅ボランティアやバリアフリーアプリの導入など各事業者独自の取組も実施されている。さらに、ITやセンシング技術等の積極的な活用により、駅係員のみならず鉄道利用者による協力も視野に入れた駅ホームの安全性向上が期待される。 ○また、特別支援学校(盲学校)や視覚障害者団体と連携して行っているソフト施策等もある。特別支援学校(盲学校)では、生徒が駅施設等を体験し意見交換を実施するもの、駅の休止線を活用して同校の歩行訓練士による歩行訓練を実施するもの、同校の歩行訓練士による鉄道事業者社員に対する視覚障害者接遇研修会を実施するもの、同校の最寄駅において登下校時にサービススタッフがホーム監視を行うもの等が挙げられる。視覚障害者団体では、視覚障害当事者が講師となり鉄道事業者社員に対する視覚障害者接遇研修会を実施するもの、同団体の会員が駅施設等を体験し意見交換を実施するもの等が挙げられる。 表‐1 各事業者のソフト安全対策事例(各社回答より集約) @駅員・警備員の配置として、駅員、警備員等による駅ホームの巡回。遠隔システムによるホーム監視。 Aホームでの見守り、声かけ強化として、ポスター掲出や駅での啓発活動、駅構内・車内放送を活用し、一般旅客に対して視覚障害者への声かけをお願いする呼びかけを実施。視覚障害者のお客様へ、「何かお手伝いできることはありませんか?」、「白杖のお客様、盲導犬をお連れのお客様、止まってください」などの声かけ・注意喚起を実施。 B駅係員のサービス力向上(サービス介助士の取得・盲導犬対応等)として、サービス介助士の取得促進、認知症サポーター養成講座の開催。鉄道部門の技術系係員およびスタッフ部門の社員に対しても、「見守り、声かけ」教育を実施。盲導犬ユーザー等対応講習として、視覚障害者のお客様に危険が迫っている場合の声かけ等の仕方、方法の教育強化を年1回実施。日視連がJR東日本から要請を受け、実施した接遇研修等として、駅構内スタッフ向け体験セミナー、日視連において研修、我孫子駅でサービス品質向上研修会を実施。 C歩きスマホ注意喚起として、様々な媒体(駅貼りポスター、車内刷りポスター、異常時運行情報ディスプレイの映像放映、各駅でのポケットティッシュ配布、駅構内のアナウンス)で注意喚起。 D転落防止放送の強化として、点状ブロック上に人が立ち止まらないように、「安全のため黄色い点状ブロックの後ろまでお下がりください」などの放送を実施。 E駅ボランティアの取組(京王電鉄)として、多摩市と連携し、視覚障害者等をサポートできる「駅ボランティア」講習会を開催(2019年度実績16名)。 Fバリアフリーアプリの導入(東急電鉄)として、車椅子使用者や視覚障害者が列車を利用する際に、駅員間、乗車駅・降車駅間でスムーズに連携を図るためのアプリを導入。 G特別支援学校(盲学校)との連携(南海電気鉄道)として、汐見橋駅の昼間休止線を使用して歩行訓練等を実施。 H安全教室の実施(JR東日本)として、品川駅において、視覚障害者が使用停止した状態の線路上に降りてホームの高さや車両の構造を体感する機会を提供。 23ページ 2) ハード施策 ○ホームドア整備以外に、現状で設置が困難な箇所にはホーム固定柵を設置している事業者もある。また、列車接近時の自動放送や内方線付点状ブロック等、CPライン・スレッドラインの整備を進め、ホーム上の安全性向上に努めている。 表‐2 各事業者のハード安全対策事例(各社回答より集約) @ホーム固定柵として、お客様のホームからの転落防止を目的として、ホーム端部やエレベーター出入口が線路側を向いているなどのホームの一部に固定柵を設置。 A列車接近時の自動放送として、列車入線を知らせるために入線の際に警告メロディを放送。 B内方線付き点状ブロックの設置として、ホームの内側であることを認識できるよう、点状ブロックとホーム内側を示す線状の突起とを組み合わせた内方線付き点状ブロックを設置。 CCPライン・スレッドラインの整備として、ホーム端部の危険性に対して注意喚起を行うためのホーム端明示ライン(CPライン)の導入。列車が通過する駅に、列車が通過する際にお客様が列車に接触しないよう、ホームの床面の一部を点滅させるスレッドラインを設置。 Dホームベンチ設置方向の変更として、酩酊のお客様等のホームからの転落防止対策として、ホームに設置されているベンチ方向を線路に対して直角方向に変更。 Eセキュリティカメラの設置として、ホーム上のお客様の歩行の乱れや長時間の座込み、線路内への立入りなど通常と異なる動きを自動的に検知し、駅係員等に知らせることによりお客様を保護する取組を実施。 F転落検知マットの設置として、お客様がホームから線路上に転落された場合等に、ホーム下線路内に設置した検知マットが検知すると、乗務員及び駅係員に警報ランプや警報サイレン等で異常を知らせ、事故を未然に防止する装置を設置。 G注意喚起シートの設置として、狭隘個所がある番線には、当該箇所で立ち止まらないように、ホーム上に注意喚起シートを貼付。 24ページ (2) その他の取組等 1) 視覚障害者のためのきめ細やかな情報提供 「らくらくおでかけネット」におけるホームドア設置情報の表示 (公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団) ○ホームドア設置状況を反映しており、696駅(2019年9月30日現在)について情報を表示している。鉄道局公表のホームドア設置駅数783駅(2018年度末)との差異は87駅となっている。 ○2019年4月1日のリニューアルに伴い、直接、鉄道事業者が設置状況を入力する方式に変更になった。 2) 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会 ○視覚障害者による痛ましいホーム転落事故を防ぐためにはホームドアの整備が有効であるが、ホームドアの整備には、コスト問題のみならず、車両の扉の位置が一定でないことなど物理的、技術的な制約もあることから、ホームドアによらない転落防止対策が喫緊の課題となっている。 ○このため、ホームドアの設置を引き続き推進するとともに、ホームドアが整備されていない駅ホームにおいて、ITやセンシング技術等を積極的に活用し、駅係員のみならず鉄道利用者による協力も視野に入れて、視覚障害者の方々に駅ホームを安全に利用いただくための対策についての検討を行うことを目的として、2020年10月に国土交通省が視覚障害者団体・支援団体、学識経験者、鉄道事業者及び、国土交通省で構成された「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会」を設置した。月1回程度開催し、2020年度中に検討結果をとりまとめる予定である。 25ページ 図‐19 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会 1.設置趣旨 JR日暮里駅(令和2年1月)、JR阿佐ヶ谷駅(同年7月)などにおいて視覚障害者がホームから転落する痛ましい事故が続いている。転落事故を防ぐためにはホームドアの整備が有効だが、整備に多くの時間や費用を要することや、構造等の要因で整備が困難なホームもあることから、ホームドアによらない転落防止対策が喫緊の課題となっている。 このため、ホームドアの設置を引き続き推進するとともに、ホームドアが整備されていない駅ホームにおいて、ITやセンシング技術等を積極的に活用し、駅係員のみならず鉄道利用者による協力も視野に入れて、視覚障害者の方々に駅ホームを安全に利用いただくための対策についての検討を行うことを目的とする。 2.検討内容 〇視覚障害者のホーム転落の実態把握と原因分析 〇視覚障害者がホーム端に接近した場合に、センサーやカメラでこれを検知し、危険であることを知らせる方策 〇駅係員やスマホの音声等により視覚障害者を適切に案内・誘導する方策(誘導ブロックの適切な方策を含む) 3.検討会メンバー 視覚障害者団体・支援団体(日本視覚障害者団体連合、東京都盲人福祉協会、日本弱視者ネットワーク、日本網膜色素変性症協会、日本歩行訓練士会、日本盲導犬協会)、学識経験者、鉄道事業者、国土交通省 4.スケジュール(令和2年度中に検討結果をとりまとめる予定) 第1回検討会 令和2年10月9日 〇検討会の設置について(検討会の趣旨、検討会事項等) 〇視覚障害者の転落事例に関する講演(成蹊大学 大倉名誉教授) 第2回検討会 令和2年11月9日 〇新技術を活用した転落防止対策等(7件)に関するヒアリング 26ページ 第4章  終わりに 駅ホームの安全性向上のためには、ホームドア整備などのハード面の対策のほか、適切な情報提供や駅係員等による案内の充実、障害者に対する国民一人一人の心配りや手助けなどのソフト面の対策も不可欠であり、ハード・ソフト両面の対策に着実に取り組むことが重要である。 本WGにおいては、次期バリアフリー基本方針における新たなホームドア整備目標についての議論を中心に行ってきた。 これまでのWGにおける議論を踏まえ、ホームドア整備の次期目標設定に係る基本的な考え方については、「バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標について(中間とりまとめ)」に反映し、次期数値目標については、「バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標について(最終とりまとめ)」に反映したところである。 また、新たな目標の達成に向けては、国、地方公共団体、鉄道事業者が連携して取り組むことが重要である。 この報告書が、今後のホームドア整備推進をはじめとしたホーム上の安全性向上に寄与し、全ての利用者の安全性の向上につながることを期待する。 27ページ 参考 ホームドア整備に関するアンケート @利用者向けアンケート 図‐20 利用者向けアンケート調査の概要 調査目的 〇現状、利用者がホームドアをどのような施設としてとらえているか調査し、地域間の差異等を確認する。 〇ホームドアを優先整備すべき駅ホームの条件を抽出するため、利用者が転落の危険を感じるホームの条件等を調査する。 調査対象者 全国を国勢調査に基づく次の5エリアに分け、各グループ800名、合計4,000名から意見を聴取する。 @関東大都市圏、A近畿大都市圏、B中京大都市圏、Cその他の大都市圏(札幌、仙台、新潟、静岡・浜松、岡山、広島、北九州・福岡、熊本の8つの大都市圏)、D大都市圏に含まれない地域 調査年齢 20歳以上(ただし、各エリアの性年齢階層別の人口比に基づいて回答者数を決定) 調査媒体 インターネット調査 回答数の補正 各エリアの人口差を考慮するため、エリアおよび性年齢階層別に拡大係数を乗じ、補正して集計した。 調査内容 @鉄道の利用状況について、A自宅最寄り駅におけるホームドアの設置状況および当該駅への設置意向について、B利用者が転落の危険を感じるホームの条件等について、Cホームドアの意義、役割について、D新型ホームドアの整備・普及について、Eホームドア以外の転落防止対策に対する印象について、F心のバリアフリーを実践するための行動について 図‐21 利用者向けアンケート調査結果@ ホームドア設置の必要性 〇転落や接触の危険があると利用者が感じるホームの状態としては、全国において、「混雑しているホーム」(87%)が最も多く、次いで「狭い箇所」(83%)、「高速で通過するホーム」(79%)、「島式のホーム」(67%)の順となっている。 〇駅における転落・接触のヒヤリハットの発生時間帯は、近畿では「18〜20時台」で最も多いが、それ以外の地域では「始発〜8時台」で最も多くなっている。 〇駅における転落・接触のヒヤリハットの発生原因としては、「混雑時に他の利用者と接触」が最も多く、次いで「狭隘な箇所で他の利用者と接触」となっている。 「ホームドアが設置されていない次の@〜Cの状態のホームについて、転落や接触の危険があると思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:大変危険の割合、イ:少し危険の割合、ウ:どちらでもないの割合、エ:あまり危険ではないの割合、オ:全く危険ではないの割合 @乗降客が多く「混雑しているホーム」 関東大都市圏の回答 ア64%、イ25%、ウ7%、エ2%、オ1% 近畿大都市圏の回答 ア58%、イ30%、ウ7%、エ3%、オ2% 中京大都市圏の回答 ア58%、イ29%、ウ9%、エ2%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア60%、イ28%、ウ7%、エ3%、オ2% 大都市圏以外の回答 ア60%、イ24%、ウ10%、エ3%、オ3% 全国の回答 ア60%、イ27%、ウ8%、エ2%、オ3% A階段の脇など「ホーム縁端からの間隔が狭い箇所」 関東大都市圏の回答 ア52%、イ34%、ウ10%、エ2%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア44%、イ40%、ウ10%、エ3%、オ2% 中京大都市圏の回答 ア43%、イ41%、ウ11%、エ3%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア46%、イ34%、ウ13%、エ4%、オ2% 大都市圏以外の回答 ア45%、イ33%、ウ15%、エ3%、オ3% 全国の回答 ア47%、イ36%、ウ12%、エ3%、オ2% Bホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」 関東大都市圏の回答 ア28%、イ39%、ウ25%、エ5%、オ3% 近畿大都市圏の回答 ア29%、イ38%、ウ24%、エ6%、オ3% 中京大都市圏の回答 ア24%、イ42%、ウ27%、エ5%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア29%、イ39%、ウ24%、エ6%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア27%、イ38%、ウ26%、エ5%、オ4% 全国の回答 ア28%、イ39%、ウ25%、エ6%、オ3% C特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」 関東大都市圏の回答 ア46%、イ35%、ウ13%、エ3%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア44%、イ35%、ウ14%、エ4%、オ3% 中京大都市圏の回答 ア43%、イ36%、ウ15%、エ3%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア45%、イ34%、ウ14%、エ4%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア47%、イ31%、ウ15%、エ4%、オ4% 全国の回答 ア45%、イ34%、ウ14%、エ3%、オ3% 駅ホームにおける転落・接触のヒヤリハットの発生状況について、アンケートを実施。 発生時間帯 ※説明 ア:始発〜8時台、イ:9時台〜11時台、ウ:12時台〜14時台、エ:15時台〜17時台、オ:18時台〜20時台、カ:21時台〜終電 関東大都市圏92人 ア45%、イ13%、ウ2%、エ11%、オ14%、カ15% 近畿大都市圏83人 ア29%、イ13%、ウ2%、エ15%、オ28%、カ13% 中京大都市圏57人 ア53%、イ10%、ウ9%、エ7%、オ19%、カ3% その他の大都市圏70人 ア56%、イ7%、ウ11%、エ8%、オ9%、カ7% 大都市圏以外36人 ア53%、イ11%、ウ0%、エ8%、オ16%、カ12% 全国(全国の回答結果は、各地域の回答結果を人口分布に応じて補正して集計している) ア47%、イ11%、ウ4%、エ10%、オ16%、カ11% 発生原因(上位4要因、複数回答あり) ※説明 ア:ホーム混雑により他の利用客と接触した/接触するのを避けようとしたため イ:ホームの狭隘な箇所でほかの利用客と接触した/接触するのを避けようとしたため ウ:酒に酔っていたため エ:体調不良のため 関東大都市圏 ア53%、イ29%、ウ6%、エ8% 近畿大都市圏 ア47%、イ27%、ウ6%、エ9% 中京大都市圏 ア56%、イ28%、ウ4%、エ2% その他の大都市圏 ア53%、イ25%、ウ9%、エ10% 大都市圏以外 ア55%、イ19%、ウ5%、エ8% 全国 ア52%、イ26%、ウ6%、エ6% 28ページ 図‐22 利用者向けアンケート調査結果A ホームドア設置の必要性 〇全国において設置が望まれるホームの状態としては、「混雑しているホーム」(80%)が最も多く、次いで「狭い箇所」(75%)、「高速で通過するホーム」(74%)、「島式のホーム」(65%)の順となっている。 〇関東大都市圏では、乗降客が多く「混雑しているホーム」、階段の脇など「ホームの縁端からの間隔が狭い箇所」、ホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」、特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」について、それぞれ「設置してほしい」と回答した割合が他の地域に比べ高くなっている。 「次の@〜Cの状態のホームについて、それぞれホームドアを設置してほしいと思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:設置してほしいの割合、イ:どちらかといえば設置してほしいの割合、ウ:どちらでもよいの割合、エ:どちらかといえば不要の割合、オ:不要の割合 @乗降客が多く「混雑しているホーム」 関東大都市圏の回答 ア58%、イ26%、ウ13%、エ1%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア47%、イ32%、ウ17%、エ1%、オ3% 中京大都市圏の回答 ア50%、イ31%、ウ14%、エ2%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア49%、イ33%、ウ14%、エ1%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア48%、イ24%、ウ20%、エ2%、オ4% 全国の回答 ア51%、イ29%、ウ16%、エ1%、オ3% A階段の脇など「ホーム縁端からの間隔が狭い箇所」 関東大都市圏の回答 ア51%、イ29%、ウ16%、エ2%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア37%、イ37%、ウ21%、エ2%、オ3% 中京大都市圏の回答 ア39%、イ37%、ウ21%、エ2%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア38%、イ35%、ウ22%、エ1%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア38%、イ33%、ウ23%、エ2%、オ4% 全国の回答 ア41%、イ34%、ウ20%、エ2%、オ3% Bホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」 関東大都市圏の回答 ア39%、イ30%、ウ27%、エ2%、オ3% 近畿大都市圏の回答 ア30%、イ33%、ウ31%、エ3%、オ4% 中京大都市圏の回答 ア29%、イ36%、ウ30%、エ3%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア31%、イ35%、ウ29%、エ1%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア29%、イ31%、ウ32%、エ3%、オ5% 全国の回答 ア32%、イ33%、ウ30%、エ2%、オ3% C特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」 関東大都市圏の回答 ア49%、イ29%、ウ18%、エ2%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア40%、イ32%、ウ23%、エ2%、オ3% 中京大都市圏の回答 ア43%、イ33%、ウ20%、エ2%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア43%、イ31%、ウ22%、エ2%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア40%、イ30%、ウ23%、エ2%、オ4% 全国の回答 ア43%、イ31%、ウ21%、エ2%、オ3% 「その他、特にホームドアを設置してほしいと思う箇所はありますか。」というアンケートを自由記述により実施。 〇酔客が多い駅、飲食店が多い駅 〇行き先が複雑で動線上で滞留しやすい駅 〇病院や福祉施設の近くの駅 〇定期的にイベントが開催され利用客が多い駅 〇学校が近くにあり通学に多く使われる駅 図‐23 利用者向けアンケート調査結果B ホームドア設置の意義 〇視覚障害をお持ちの方に対する必要性が95%、視覚障害以外の身体障害をお持ちの方に対する必要性が92%となっており、必要性が高くなっている。 〇次いで、高齢者に対する必要性が91%、幼児・ベビーカー利用者に対する必要性が86%となっている。 〇「すべての利用者のため」と感じる割合も85%を占め、ホームドア設置がすべての利用者にとって必要と広く認識されていることがわかる。 「ホームドアは誰のための転落防止対策だと思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:そう思うの割合、イ:そう思わないの割合 @視覚障害をお持ちの方のため 関東大都市圏の回答 ア96%、イ4% 近畿大都市圏の回答 ア94%、イ6% 中京大都市圏の回答 ア95%、イ5% その他の大都市圏の回答 ア96%、イ4% 大都市圏以外の回答 ア95%、イ5% 全国の回答 ア95%、イ5% A視覚障害以外の身体障害をお持ちの方のため 関東大都市圏の回答 ア93%、イ7% 近畿大都市圏の回答 ア91%、イ9% 中京大都市圏の回答 ア92%、イ8% その他の大都市圏の回答 ア93%、イ7% 大都市圏以外の回答 ア91%、イ9% 全国の回答 ア92%、イ8% B高齢者のため 関東大都市圏の回答 ア90%、イ10% 近畿大都市圏の回答 ア89%、イ11% 中京大都市圏の回答 ア91%、イ9% その他の大都市圏の回答 ア92%、イ8% 大都市圏以外の回答 ア91%、イ9% 全国の回答 ア91%、イ9% C体調不良の方のため 関東大都市圏の回答 ア84%、イ16% 近畿大都市圏の回答 ア80%、イ20% 中京大都市圏の回答 ア84%、イ16% その他の大都市圏の回答 ア86%、イ14% 大都市圏以外の回答 ア81%、イ19% 全国の回答 ア83%、イ17% D幼児を連れている方/ベビーカーを利用されている方のため 関東大都市圏の回答 ア85%、イ15% 近畿大都市圏の回答 ア81%、イ19% 中京大都市圏の回答 ア86%、イ14% その他の大都市圏の回答 ア89%、イ11% 大都市圏以外の回答 ア87%、イ13% 全国の回答 ア86%、イ14% E酒に酔った方のため 関東大都市圏の回答 ア86%、イ14% 近畿大都市圏の回答 ア84%、イ16% 中京大都市圏の回答 ア82%、イ18% その他の大都市圏の回答 ア81%、イ19% 大都市圏以外の回答 ア79%、イ21% 全国の回答 ア83%、イ17% Fすべての利用者のため 関東大都市圏の回答 ア88%、イ12% 近畿大都市圏の回答 ア81%、イ19% 中京大都市圏の回答 ア86%、イ14% その他の大都市圏の回答 ア86%、イ14% 大都市圏以外の回答 ア83%、イ17% 全国の回答 ア85%、イ15% 29ページ 図‐24 利用者向けアンケート調査結果C 新型ホームドア、ホームドア以外の転落防止策について 〇ホームドアの設置費については、高額であることの認知度が低い。 〇新型ホームドアに対しては抵抗が少なく、整備促進に有効であると感じている。 〇固定柵や駅係員の配置については、70%以上の回答者が有効であると感じている。 「ホームドアの整備費用が数億円〜十数億円/円とご存じでしたか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:知っていたの割合、イ:知らなかったの割合 関東大都市圏の回答 ア22%、イ78% 近畿大都市圏の回答 ア25%、イ75% 中京大都市圏の回答 ア19%、イ81% その他の大都市圏の回答 ア18%、イ82% 大都市圏以外の回答 ア17%、イ83% 全国の回答 ア20%、イ80% 「新型ホームドアの普及についてどのように感じますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:有効であるの割合、イ:有効でないの割合 ウ:その他の割合 関東大都市圏の回答 ア83%、イ14%、ウ4% 近畿大都市圏の回答 ア88%、イ9%、ウ3% 中京大都市圏の回答 ア82%、イ14%、ウ4% その他の大都市圏の回答 ア87%、イ10%、ウ4% 大都市圏以外の回答 ア88%、イ8%、ウ4% 全国の回答 ア86%、イ11%、ウ4% 「ホームドアの設置以外の転落・列車との接触事故を防止するための対策について、どのように考えますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:有効であるの割合、イ:少し有効であるの割合、ウ:どちらでもないの割合、エ:あまり有効でないの割合、オ:全く有効でないの割合 @列車の乗降口以外の部分を覆う、「固定柵ホーム柵」の設置 関東大都市圏の回答 ア24%、イ43%、ウ15%、エ14%、オ4% 近畿大都市圏の回答 ア24%、イ44%、ウ17%、エ12%、オ3% 中京大都市圏の回答 ア23%、イ47%、ウ15%、エ12%、オ2% その他の大都市圏の回答 ア28%、イ44%、ウ13%、エ13%、オ1% 大都市圏以外の回答 ア28%、イ42%、ウ18%、エ9%、オ2% 全国の回答 ア26%、イ44%、ウ16%、エ12%、オ2% Aホーム縁端における「色帯や縞模様の設置」 関東大都市圏の回答 ア13%、イ38%、ウ25%、エ19%、オ5% 近畿大都市圏の回答 ア11%、イ40%、ウ29%、エ16%、オ4% 中京大都市圏の回答 ア11%、イ42%、ウ25%、エ19%、オ3% その他の大都市圏の回答 ア16%、イ42%、ウ24%、エ16%、オ2% 大都市圏以外の回答 ア15%、イ45%、ウ22%、エ15%、オ3% 全国の回答 ア14%、イ41%、ウ25%、エ17%、オ3% Bホーム上での監視・アナウンスを行う「駅係員」の配置 関東大都市圏の回答 ア26%、イ43%、ウ19%、エ9%、オ3% 近畿大都市圏の回答 ア26%、イ46%、ウ20%、エ6%、オ1% 中京大都市圏の回答 ア22%、イ46%、ウ23%、エ8%、オ1% その他の大都市圏の回答 ア31%、イ43%、ウ19%、エ7%、オ1% 大都市圏以外の回答 ア30%、イ43%、ウ21%、エ5%、オ1% 全国の回答 ア27%、イ44%、ウ20%、エ7%、オ1% C「駅構内放送」等による旅客への注意喚起 関東大都市圏の回答 ア12%、イ31%、ウ29%、エ21%、オ7% 近畿大都市圏の回答 ア12%、イ34%、ウ29%、エ20%、オ5% 中京大都市圏の回答 ア10%、イ37%、ウ28%、エ21%、オ3% その他の大都市圏の回答 ア17%、イ37%、ウ24%、エ18%、オ4% 大都市圏以外の回答 ア16%、イ35%、ウ32%、エ14%、オ3% 全国の回答 ア14%、イ34%、ウ29%、エ18%、オ5% D一般の利用者が気軽に「声かけ・サポート」ができるようにするための啓発活動 関東大都市圏の回答 ア15%、イ35%、ウ29%、エ14%、オ7% 近畿大都市圏の回答 ア15%、イ35%、ウ30%、エ16%、オ4% 中京大都市圏の回答 ア14%、イ38%、ウ25%、エ13%、オ3% その他の大都市圏の回答 ア21%、イ38%、ウ25%、エ13%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア21%、イ36%、ウ30%、エ11%、オ2% 全国の回答 ア17%、イ36%、ウ29%、エ13%、オ4% 図‐25 調査対象者の鉄道利用状況 〇鉄道の利用頻度は、関東、近畿、中京大都市圏の順で「週1日以上」の利用が多い。 〇鉄道の主な利用目的は、関東、近畿、中京大都市圏の順で「通勤」が多いが、どの地域においても「私事」が最も多い。 〇調査対象者の最寄り駅については、関東では47%、近畿では34%、中京では27%の利用者が「混雑している」と認識している。 〇最寄り駅にホームドアが設置されていない方のホームドアの設置意向としては、関東、近畿では45〜50%、中京、他の大都市圏では35〜40%が設置を希望している。 鉄道の利用状況について、アンケートを実施。 就業状況について ※説明 ア:就業者の割合、イ:学生の割合、ウ:主婦、主夫の割合、エ:無職の割合、オ:その他の割合 関東大都市圏の回答 ア60%、イ2%、ウ20%、エ15%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア56%、イ3%、ウ20%、エ19%、オ2% 中京大都市圏の回答 ア50%、イ2%、ウ24%、エ22%、オ1% その他の大都市圏の回答 ア51%、イ3%、ウ22%、エ22%、オ2% 大都市圏以外の回答 ア55%、イ2%、ウ23%、エ18%、オ2% 全国の回答 ア55%、イ2%、ウ22%、エ19%、オ2% 鉄道の利用頻度について ※説明 ア:週3日以上の割合、イ:週1、2日の割合、ウ:週1日未満の割合 関東大都市圏の回答 ア35%、イ14%、ウ51% 近畿大都市圏の回答 ア26%、イ10%、ウ64% 中京大都市圏の回答 ア15%、イ6%、ウ79% その他の大都市圏の回答 ア8%、イ5%、ウ87% 大都市圏以外の回答 ア4%、イ2%、ウ94% 全国の回答 ア17%、イ7%、ウ75% 鉄道の主な目的について ※説明 ア:通勤の割合、イ:通学の割合、ウ:業務の割合、エ:私事の割合 関東大都市圏の回答 ア34%、イ2%、ウ3%、エ60% 近畿大都市圏の回答 ア26%、イ2%、ウ3%、エ69% 中京大都市圏の回答 ア16%、イ1%、ウ6%、エ78% その他の大都市圏の回答 ア10%、イ1%、ウ7%、エ83% 大都市圏以外の回答 ア6%、イ0%、ウ6%、エ88% 全国の回答 ア18%、イ1%、ウ5%、エ76% 通勤、業務目的の交通費負担について ※説明 ア:自分で負担の割合、イ:会社が負担の割合、ウ:一部自分で負担の割合 関東大都市圏の回答 ア14%、イ83%、ウ3% 近畿大都市圏の回答 ア12%、イ84%、ウ4% 中京大都市圏の回答 ア23%、イ73%、ウ5% その他の大都市圏の回答 ア11%、イ80%、ウ9% 大都市圏以外の回答 ア15%、イ73%、ウ11% 全国の回答 ア15%、イ80%、ウ5% 定期券の所有について ※説明 ア:ありの割合、イ:なしの割合 関東大都市圏の回答 ア29%、イ71% 近畿大都市圏の回答 ア19%、イ81% 中京大都市圏の回答 ア13%、イ87% その他の大都市圏の回答 ア9%、イ91% 大都市圏以外の回答 ア4%、イ96% 全国の回答 ア15%、イ85% 最寄り駅の混雑状況及びホームドア設置状況について、アンケートを実施。 最寄り駅の混雑状況について ※説明 ア:非常に混雑の割合、イ:やや混雑の割合、ウ:どちらとも言えないの割合、エ:あまり混雑していないの割合、オ:全く混雑していないの割合 関東大都市圏の回答 ア12%、イ35%、ウ23%、エ23%、オ7% 近畿大都市圏の回答 ア4%、イ30%、ウ24%、エ30%、オ12% 中京大都市圏の回答 ア3%、イ24%、ウ28%、エ32%、オ14% その他の大都市圏の回答 ア4%、イ21%、ウ25%、エ34%、オ16% 大都市圏以外の回答 ア1%、イ10%、ウ22%、エ32%、オ34% 全国の回答 ア5%、イ23%、ウ24%、エ30%、オ17% ホームドアの設置状況について ※説明 ア:ありの割合、イ:なしの割合 関東大都市圏の回答 ア22%、イ78% 近畿大都市圏の回答 ア11%、イ89% 中京大都市圏の回答 ア19%、イ81% その他の大都市圏の回答 ア18%、イ82% 大都市圏以外の回答 ア10%、イ90% 全国の回答 ア16%、イ84% ホームドアの設置意向について ※説明 ア:設置してほしいの割合、イ:どちらかといえば設置してほしいの割合、ウ:どちらでもよいの割合、エ:どちらかといえば不要の割合、オ:不要の割合 関東大都市圏の回答 ア23%、イ26%、ウ34%、エ9%、オ8% 近畿大都市圏の回答 ア14%、イ26%、ウ38%、エ14%、オ8% 中京大都市圏の回答 ア13%、イ26%、ウ38%、エ10%、オ13% その他の大都市圏の回答 ア13%、イ21%、ウ43%、エ13%、オ9% 大都市圏以外の回答 ア9%、イ14%、ウ38%、エ17%、オ21% 全国の回答 ア14%、イ22%、ウ38%、エ13%、オ13% 30ページ 図‐26 利用者が混雑していると感じている駅に着目した集計 〇調査対象者の最寄り駅については、関東では47%、近畿では34%、中京では25%の利用者が「混雑している」と認識している。 〇調査対象者の最寄り駅へのホームドア設置意向としては、関東、近畿では45〜50%、中京、他の大都市圏では35〜40%が設置を希望している。 〇「混雑している」駅では、わずかではあるがホームドアの整備が進んでいることがわかる。 〇「混雑している」駅では、ホームドアの設置を希望する割合が高く、関東、中京では64%、近畿、他の大都市圏では56%となっている。 利用者が混雑していると感じている駅に着目した集計 最寄り駅の混雑状況について ※説明 ア:非常に混雑の割合、イ:やや混雑の割合、ウ:どちらとも言えないの割合、エ:あまり混雑していないの割合、オ:全く混雑していないの割合 関東大都市圏の回答 ア12%、イ35%、ウ23%、エ23%、オ7% 近畿大都市圏の回答 ア4%、イ30%、ウ24%、エ30%、オ12% 中京大都市圏の回答 ア3%、イ24%、ウ28%、エ32%、オ14% その他の大都市圏の回答 ア4%、イ21%、ウ25%、エ34%、オ16% 大都市圏以外の回答 ア1%、イ10%、ウ22%、エ32%、オ34% 全国の回答 ア5%、イ23%、ウ24%、エ30%、オ17% ホームドアの設置状況について ※説明 ア:ありの割合、イ:なしの割合 関東大都市圏の回答 ア28%、イ72% 近畿大都市圏の回答 ア14%、イ86% 中京大都市圏の回答 ア23%、イ77% その他の大都市圏の回答 ア27%、イ73% 大都市圏以外の回答 ア23%、イ77% 全国の回答 ア24%、イ76% ホームドアの設置意向について ※説明 ア:設置してほしいの割合、イ:どちらかといえば設置してほしいの割合、ウ:どちらでもよいの割合、エ:どちらかといえば不要の割合、オ:不要の割合 関東大都市圏の回答 ア31%、イ33%、ウ29%、エ5%、オ2% 近畿大都市圏の回答 ア18%、イ34%、ウ34%、エ12%、オ2% 中京大都市圏の回答 ア27%、イ34%、ウ28%、エ6%、オ5% その他の大都市圏の回答 ア24%、イ32%、ウ39%、エ3%、オ3% 大都市圏以外の回答 ア18%、イ36%、ウ30%、エ13%、オ3% 全国の回答 ア25%、イ33%、ウ32%、エ7%、オ3% 図‐27 鉄道の利用頻度とホームドアの存在意義 〇週1以上の利用者は全国において、「視覚障害者のための施設」(95%)で週1回未満の利用者と同数である。 〇「他の障害者のための施設」(91%)、「高齢者のための施設」(89%)「幼児・ベビーカー」(84%)は週1回未満利用に比べて割合が小さくなっている。 〇一方で、「体調不良の人のため」(84%)、「酔客のため」(85%)は週1回未満利用に比べて割合が大きくなっている。 ※説明 ア:そう思うの割合、イ:そう思わないの割合 週1日以上利用者 幼児・ベビーカーを連れた人のための施設 関東大都市圏の回答 ア85%、イ15% 近畿大都市圏の回答 ア79%、イ21% 中京大都市圏の回答 ア81%、イ19% その他の大都市圏の回答 ア88%、イ12% 大都市圏以外の回答 ア96%、イ4% 全国の回答 ア84%、イ16% 酔客のための施設 関東大都市圏の回答 ア86%、イ14% 近畿大都市圏の回答 ア85%、イ15% 中京大都市圏の回答 ア85%、イ15% その他の大都市圏の回答 ア77%、イ23% 大都市圏以外の回答 ア87%、イ13% 全国の回答 ア85%、イ15% すべての利用者のための施設 関東大都市圏の回答 ア89%、イ11% 近畿大都市圏の回答 ア83%、イ17% 中京大都市圏の回答 ア87%、イ13% その他の大都市圏の回答 ア84%、イ16% 大都市圏以外の回答 ア78%、イ22% 全国の回答 ア86%、イ14% 週1日未満利用者 幼児・ベビーカーを連れた人のための施設 関東大都市圏の回答 ア85%、イ15% 近畿大都市圏の回答 ア82%、イ18% 中京大都市圏の回答 ア87%、イ13% その他の大都市圏の回答 ア90%、イ10% 大都市圏以外の回答 ア86%、イ14% 全国の回答 ア86%、イ14% 酔客のための施設 関東大都市圏の回答 ア86%、イ14% 近畿大都市圏の回答 ア84%、イ16% 中京大都市圏の回答 ア81%、イ19% その他の大都市圏の回答 ア82%、イ18% 大都市圏以外の回答 ア79%、イ21% 全国の回答 ア82%、イ18% すべての利用者のための施設 関東大都市圏の回答 ア86%、イ14% 近畿大都市圏の回答 ア79%、イ21% 中京大都市圏の回答 ア86%、イ14% その他の大都市圏の回答 ア87%、イ13% 大都市圏以外の回答 ア84%、イ16% 全国の回答 ア84%、イ16% 31ページ A視覚障害者向けアンケート 図‐28 視覚障害者向けアンケート調査の概要 調査目的 〇視覚障害者の方がホームドアをどのような施設としてとらえているか調査・確認を行う。 〇ホームドアを優先整備すべき駅ホームの条件を抽出するため、視覚障害者の方が転落の危険を感じる、または実際にヒヤリハットが発生したホームの条件等を調査する。 調査対象者 日本視覚障害者団体連合より、加盟団体(計61団体)宛て、登録者向けのメールニュースにて、送付(合計161人から意見を聴取) 調査年齢 指定せず 調査媒体 メールによる個別調査 調査内容 @鉄道の利用状況について、A自宅最寄り駅におけるホームドアの設置状況について、B視覚障害者が転落の危険を感じるホームの条件等について、Cホームドアの意義、役割について、D新型ホームドアの整備・普及について、Eホームドア以外の転落防止対策に対する印象について、F心のバリアフリーを実践するための行動について 図‐29 視覚障害者向けアンケート調査結果@ ホームドア設置の必要性 〇転落や接触の危険があると利用者が感じるホームの状態としては、「狭い箇所」(88%)が最も多く、次いで「混雑しているホーム」(87%)、「島式のホーム」(84%)「高速で通過するホーム」(81%)の順となっている。 〇いずれも全国(健常者)を対象としたアンケート結果よりも高い。 「ホームドアが設置されていない次の@〜Cの状態のホームについて、転落や接触の危険があると思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:大変危険の割合、イ:少し危険の割合、ウ:どちらでもないの割合、エ:あまり危険ではないの割合、オ:全く危険ではないの割合、カ:無回答の割合 @乗降客が多く「混雑しているホーム」 ア70%、イ17%、ウ4%、エ3%、オ0%、カ:6% A階段の脇など「ホーム縁端からの間隔が狭い箇所」 ア63%、イ25%、ウ4%、エ1%、オ0%、カ:7% Bホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」 ア52%、イ32%、ウ7%、エ3%、オ0%、カ:6% C特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」 ア61%、イ20%、ウ6%、エ6%、オ1%、カ:6% 駅ホームにおける転落・接触のヒヤリハットの発生状況について、アンケートを実施。 @ヒヤリハットの経験の有無  ※説明 ア:あるの割合、イ:ないの割合 ア59%、イ41% A発生したときの状況 歩く方向を誤った39%、離れたホームの列車を自分が乗る列車と勘違い20%、線路の向こうの壁面のサインや模様に気をとられた5%、人混みに揉まれた19%、ホーム縁端位置がわかりにくかった34%、車両の連結部を乗車口と勘違いした15%、その他理由36%、分からない6% その他理由の抜粋として、ホームと列車の間に広く隙間が空いていた、車両の最後尾で思ったよりホームが狭くなっていた、雨で車両とホームとの段差が滑りやすくなっていたがある。 32ページ 図‐30 視覚障害者向けアンケート調査結果A ホームドア設置の必要性 〇設置が望まれるホームの状態としては、「混雑しているホーム」(94%)が最も多く、次いで「島式のホーム」(92%)、「狭いホーム」(90%)、「高速で通過するホーム」(89%)の順となっている。 〇いずれも全国(健常者)を対象としたアンケート結果よりも高い。 「次の@〜Cの状態のホームについて、それぞれホームドアを設置してほしいと思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:設置してほしいの割合、イ:どちらかといえば設置してほしいの割合、ウ:どちらでもよいの割合、エ:どちらかといえば不要の割合、オ:不要の割合、カ:無回答の割合 @乗降客が多く「混雑しているホーム」 ア81%、イ13%、ウ1%、エ0%、オ1%、カ:5% A階段の脇など「ホーム縁端からの間隔が狭い箇所」 ア81%、イ9%、ウ4%、エ1%、オ1%、カ:5% Bホームの両側に列車が停まる「島式のホーム」 ア74%、イ18%、ウ2%、エ0%、オ1%、カ:5% C特急などの優等列車が「高速で通過するホーム」 ア70%、イ19%、ウ6%、エ0%、オ1%、カ:5% 「その他、特にホームドアを設置してほしいと思う箇所はありますか。」というアンケートを自由記述により実施。 島式ホームで片側にのみホームドアが設置されている駅、無人駅、ホームの最前部と最後部、乗降客が多い駅、列車の侵入が頻繁な駅、柱の多い駅 図‐31 視覚障害者向けアンケート調査結果B ホームドア設置の意義 〇「すべての利用者のため」が89%と最も高い。 〇次いで、視覚障害者をお持ちの方に対する必要性が84%となっている。 〇全国(健常者)を対象としたアンケートよりもすべての利用者のためという認識が高い。 「ホームドアは誰のための転落防止対策だと思いますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:そう思うの割合、イ:そう思わないの割合、ウ:無回答の割合 @視覚障害をお持ちの方のため ア84%、イ4%、ウ11% A視覚障害以外の身体障害をお持ちの方のため ア77%、イ7%、ウ16% B高齢者のため ア80%、イ7%、ウ13% C幼児/ベビーカーを連れている方のため ア78%、イ8%、ウ14% D酒に酔った方のため ア78%、イ10%、ウ12% Eすべての利用者のため ア89%、イ4%、ウ6% 33ページ 図‐32 視覚障害者向けアンケート調査結果C 新型ホームドア、ホームドア以外の転落防止策について 〇ホームドアの設置費については、高額であることの認知度が75%。全国(健常者)での結果よりも認知度が非常に高い。 〇新型ホームドアの認知度は75%。 〇「声かけ・サポート」ができるようにするための啓発活動が93%、ホーム上での監視・アナウンスを行う「駅係員」の配置は91%の回答者が有効であると感じている。 「ホームドアの整備費用が数億円〜十数億円/円とご存じでしたか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:知っていたの割合、イ:知らなかったの割合、ウ:無回答の割合 ア75%、イ22%、ウ2% 「新型ホームドアはご存じでしたか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:知っていたの割合、イ:知らなかったの割合、ウ:無回答の割合 ア75%、イ20%、ウ4% 「ホームドアの設置以外の転落・列車との接触事故を防止するための対策について、どのように考えますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:大変有効であるの割合、イ:少し有効であるの割合、ウ:どちらでもないの割合、エ:あまり有効でないの割合、オ:全く有効でないの割合、カ:無回答の割合 @「固定式ホーム柵」の設置 ア45%、イ38%、ウ4%、エ6%、オ1%、カ6% Aホーム縁端における「色帯や縞模様の設置」 ア31%、イ35%、ウ12%、エ16%、オ2%、カ4% Bホーム上での監視・アナウンスを行う「駅係員」の配置 ア66%、イ25%、ウ2%、エ3%、オ0%、カ4% C「駅構内放送」等による旅客への注意喚起 ア37%、イ39%、ウ13%、エ5%、オ2%、カ4% D一般の利用者が気軽に「声かけ・サポート」ができるようにするための啓発活動 ア66%、イ27%、ウ2%、エ2%、オ0%、カ3% 図‐33 調査対象者の鉄道利用状況 〇161名の回答があり、障害の程度は「全盲」が69%、「弱視(ロービジョン)」が30%。 〇「単独歩行の外出」が60%と最も多い。 〇鉄道の利用頻度は「週1日以上」が58%を占め、私事目的利用が半数以上。 〇最寄り駅のホームドア設置状況は「一部またはすべてのホームに設置されている」との回答は16%。 視覚障害について、アンケートを実施。 @あなたの視覚障害の程度についてお答えください。 ※説明 ア:全盲の割合、イ:弱視(ロービジョン)の割合、ウ:無回答の割合 ア69%、イ30%、ウ1% Aあなたが視覚障害になったのはいつからですか。 ※説明 ア:先天性の割合、イ:後天性の割合、ウ:無回答の割合 ア39%、イ60%、ウ1% Bあなたの外出する主な方法は何ですか。 単独歩行60%、介助者と歩行49%、盲導犬9%、その他5% 鉄道の利用状況について、アンケートを実施。 @鉄道の利用頻度 ※説明 ア:週3日以上の割合、イ:週1日または週2日の割合、ウ:週1日未満の割合、エ:無回答の割合 ア29%、イ29%、ウ41%、エ1% A鉄道の利用目的 ※説明 ア:通勤の割合、イ:通学の割合、ウ:業務の割合、エ:私事の割合、オ:無回答 ア16%、イ0%、ウ27%、エ55%、オ2% 「あなたの自宅の最寄り駅のホームに、ホームドアは設置されていますか。」というアンケートを実施。 ※説明 ア:すべてのホームに設置されているの割合、イ:一部のホームに設置されているの割合、ウ:まったく設置されていないの割合、エ:分からないの割合、オ:無回答の割合 ア10%、イ6%、ウ81%、エ2%、オ1% 34ページ <参考> WGの委員等名簿 ホームドア整備に関するWGの委員等名簿は、以下の通りである。 ホームドア整備に関するWG(2020年1月24日時点) 委員等名簿(敬称略・順不同) ※説明 ()は前任者 【座長】 秋山哲男 中央大学研究開発機構教授 【委員】 鎌田実 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 竹下義樹 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合会長(社会福祉法人日本盲人会連合会長) 河野康子 一般財団法人日本消費者協会理事 松橋賢一 東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部安全企画部長 深谷光浩 東日本旅客鉄道株式会社総合企画本部投資計画部長 田遠洋一郎 東海旅客鉄道株式会社総合企画本部投資計画部長 古橋智久 東海旅客鉄道株式会社安全対策部長 中村圭二郎(半田真一) 西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部安全推進部長 畑中克也 西日本旅客鉄道株式会社総合企画本部担当部長 前川聡幸 九州旅客鉄道株式会社鉄道事業本部安全創造部長 志村健(衣川裕司) 東武鉄道株式会社鉄道事業本部計画管理部長 寺田雄一郎 京王電鉄株式会社取締役鉄道事業副本部長計画管理部長 (井上晋一 京王電鉄株式会社鉄道事業本部計画管理部長) 小川司(立山昭憲) 小田急電鉄株式会社交通サービス事業本部交通企画部長 小井陽介 東急電鉄株式会社執行役員鉄道事業本部経営戦略部総括部長(東京急行電鉄株式会社鉄道事業本部事業戦略部統括部長) 竹内明男 京浜急行電鉄株式会社鉄道本部鉄道統括部長 金口正幸 近畿日本鉄道株式会社鉄道本部企画統括部営業企画部長 中村規彦 阪急電鉄株式会社都市交通計画部部長 田地朗(小川孝行) 東京地下鉄株式会社鉄道本部鉄道統括部長 西川善宣(塩田孝一) 東京都交通局総務部安全管理担当部長 安西幸光 一般社団法人日本民営鉄道協会企画財務部長 (小林圭治 一般社団法人日本民営鉄道協会企画財務部長) 寺田吉道(石井昌平) 国土交通省鉄道局次長 江口秀二 国土交通省鉄道局技術審議官 吉田昭二 国土交通省鉄道局都市鉄道政策課長 馬場裕子 国土交通省鉄道局都市鉄道政策課駅機能高度化推進企画官 岸谷克己(川口泉) 国土交通省鉄道局技術企画課長 【オブザーバー】 奈良裕信 国土交通省総合政策局安心生活政策課長 上手研治 国土交通省鉄道局鉄道サービス政策室長 【事務局】 吉田昭二 国土交通省鉄道局都市鉄道政策課長 36ページ ホームドア整備に関するWG 開催経緯 ■第1回:2019(平成31)年3月14日 (1) ホームドア整備に関する現状について (2) ホームにおける転落・接触等に関する現状について (3) 今後の検討について ■第2回:2019(令和元)年5月28日 (1) 10 万人以上/日の駅におけるホームドア整備状況等 (2) 新型ホームドアの主なタイプ (3) ホームにおける事故の分析 等 ■第3回:2019(令和元)年7月18日 (1)利用者向けアンケート調査結果について、視覚障害者向けアンケート調査結果について (2)ホームドアの更なる整備促進について ★2019(令和元)年7月31日 「ホームドアの更なる整備促進に向けた提言」の公表 ■第4回:2019(令和元)年10月1日 (1) 令和2年度予算要求の状況報告 (2) ホームドア設置状況に関する情報提供について (3) 設置コスト削減に係る事例紹介 (4) 次期目標設定に向けた考え方の整理について (5) その他 ■第5回:2019(令和元)年11月13日 (1) ホームドアの次期整備目標設定について (2) その他 ■第6回:2020(令和2)年1月24日 (1) 次期整備目標設定に係る考え方及び数値目標(案)について (2) WGとりまとめ骨子(案)について (3) その他