表紙 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策について ~中間報告~ 令和3年7月2日 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会 目次 1.はじめに 1ページ 2.ホームからの転落事故の現状と原因分析について 2ページ  2-1.アンケート調査 2ページ  2-2.ヒアリング調査 3ページ 3.視覚障害者の安全対策について 7ページ  3-1.転落防止対策 7ページ   (1)駅係員等による円滑な介助を行う対策 7ページ   (2)ホーム端に接近している視覚障害者を検知して注意喚起する方法 8ページ   (3)長軸方向の安全な歩行経路を示す適切な方法 9ページ  3-2.万が一、転落しても接触事故に至らせない対策(転落を検知し速やかに列車を停止する方法) 10ページ  3-3.ホームドア設置工事中の安全対策 10ページ  3-4.スマホを用いて視覚障害者を誘導する方法 11ページ  3-5.視覚障害者の歩行訓練の実施 12ページ  3-6.鉄道利用者の協力 13ページ   (1)鉄道利用者の意識向上 13ページ   (2)鉄道利用者による積極的な介助 13ページ   (3)鉄道利用者への啓発 14ページ 4.ホームからの転落原因等に関する更なる調査について 15ページ 5.まとめ 16ページ 参考資料 17ページ 検討会開催実績 18ページ 委員名簿 19ページ 1ページ 1.はじめに 視覚障害者がホームから転落する事故については、後を絶たない状況が続いており、令和元年度になってからも、令和元年10月に京成立石駅及びJR新宿駅、令和2年1月にJR日暮里駅、同年3月にJR垂水駅、同年7月にJR阿佐ヶ谷駅、同年11月に東京メトロ東陽町駅、令和3年1月にも東武鉄道下赤塚駅で発生している。 このような痛ましい事故を防止するため、鉄道事業者においては「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下、「バリアフリー法」という。)」に定めるガイドライン等に基づき、ホームドアや内方線付き点状ブロック※1)、CPライン※2)、音響音声案内装置等の整備を中心としたハード対策や、駅係員等による誘導案内、声かけ、見守り等を中心としたソフト対策が行われてきたところである。 なかでも、ホームドアの整備は最も有効であることから、バリアフリー法に基づく基本方針(令和2年12月改定)において定めた新たな整備目標では、令和3年度以降の5年間で、番線単位で整備を進めるとともに整備ペースを2倍に加速化させ、令和7年度までに3,000番線を整備することとしている※3)。 一方で、ホームドアの整備には多くの時間や費用を要することから、ホームドアによらない転落防止対策も必要となっている。このため、ホームドアが整備されていないホームにおいて、ITやセンシング技術、さらにはAI等も積極的に活用し、駅係員のみならず鉄道利用者による協力も視野に入れて、視覚障害者の方々が安心してホームを利用できる方策について検討することを目的として、令和2年10月、視覚障害者団体・支援団体、学識経験者、鉄道事業者等からなる「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会(以下、「検討会」という。)」を設置した。 この検討会では、視覚障害者の方がホームから転落された時の状況、背景や原因を調査するとともに、ITなどの新技術を活用した対策の検討、長軸方向(線路と平行の方向)の歩行動線のあり方、歩行訓練士によるホーム上の歩行訓練など視覚障害者の方々にも参加いただく取り組み、鉄道利用者の協力等についての議論を重ねてきた。 本中間報告は、検討会においてこれまでに議論してきた方策について、とりまとめたものである。 ※1)点状ブロック:点状突起を配列したブロック等で、注意喚起の目的で用いるもの。   線状ブロック:線状突起を配列したブロック等で、歩行方向を指示する目的で用いるもの。   線状突起の長手方向が、歩行方向を示す。   内方線付き点状ブロック:点状ブロックのホーム内方側に線状突起を配置したもの。 ※2)CP とは、「Color Psychology(色彩心理)」の略で、人が危険と感じる度合いが高い色彩を用いてラインを引くことにより、   視覚的・心理的にホーム端部の危険性に対して注意喚起を行うもの。 ※3)全国の駅の総番線数19,951 番線のうち、令和元年度末時点の整備済番線数:1,953 番線 2ページ 2.ホームからの転落事故の現状と原因分析について 視覚障害者のホームからの転落について、直近の10年間(平成22年度~令和元年度)の年間平均発生件数は74.7件であり、このうち、列車と接触した事故件数は年間平均2.1件となっている(図1参照)。 図1 視覚障害者の転落及び接触事故件数の推移(過去10年) A:ホームからの転落件数 B:ホームからの転落後の接触事故件数 平成22年 A:58件 B:2件 合計60件 平成23年 A:74件 B:3件 合計77件 平成24年 A:91件 B:1件 合計92件 平成25年 A:74件 B:0件 合計74件 平成26年 A:80件 B:2件 合計82件 平成27年 A:94件 B:0件 合計94件 平成28年 A:69件 B:3件 合計72件 平成29年 A:65件 B:2件 合計67件 平成30年 A:63件 B:3件 合計66件 令和元年 A:58件 B:5件 合計63件 (注) ・自殺等故意に列車等に接触したものは含まれない。 ・ホームからの転落件数は、ホームから転落したが人身障害事故とはならなかった(列車と接触しなかった)件数。 ・接触事故件数は、列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故(人身障害事故)の件数をいう。(鉄道事故等報告規則第3条第1項第六号) ・「ホームからの転落後の接触事故件数」は「ホームからの転落件数」の外数。 ・ホーム上での接触事故件数は除く。 このような視覚障害者の転落防止対策を検討するためには、転落の状況、転落に至った背景や原因を分析する必要があることから、検討会では、以下のアンケート調査とヒアリング調査を実施した。 2ページ 2-1.アンケート調査 我が国における視覚障害者数は、厚生労働省の「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」によれば、約31.2万人(1級:11.9万人、2級:10.8万人、3級:2.4万人、4級:1.9万人、5級:2.6万人、6級:1.6万人)※4)である。 アンケート調査では、検討会の委員協力のもと、視覚障害者の所属団体である日本視覚障害者団体連合、埼玉県網膜色素変性症協会、日本弱視者ネットワークを通して、各団体の会員にメールでアンケート用紙(アンケート項目は参考資料参照)を送付し、303人から回答を得た。その結果は、以下の通りである。 ・アンケート回答者303人のうちホームから転落したことがある人は109人であった。 ・109人の、これまでに転落された回数は、1回:48人、2回:27人、3回:11人、4回:2人、5回以上:7人、回数無回答:14人であり、約半数の方は複数回の転落経験があった。 ・さらに109人に、最も直近の経験ではホーム上をどの方向に歩行していた時に転落したかを追加で尋ねたところ、74人から回答があり、ホーム上を線路と平行の方向(以下「長軸方向」)に歩行している時の転落が47件(63.5%)、ホーム上を線路と垂直の方向(以下「短軸方向」)に歩行している時が27件(36.5%)であった。 ・また、短軸方向の歩行27件については、乗車前と降車後に分けられた。乗車前は24件で、このうち予め乗車口に近付こうとして転落する場合が1件、列車が停車していると勘違いし転落する場合が10件、その他(不明含む)が13件であった。降車後は3件で、列車から島式ホームの駅に降車し、ホームを横切って反対側の線路に転落する場合等であった。 ※4)視覚障害者の障害の等級 身体障害者福祉法施行規則では視覚障害者の身体障害者手帳の障害の級別について、以下のように定められている。 1級 視力の良い方の眼の視力が0.01以下のもの 2級 1 視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの    2 視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの    3 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が28度以下のもの    4 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの 3級 1 視力の良い方の眼の視力が0.04以上0.07以下のもの    2 視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの    3 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が56度以下のもの    4 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの 4級 1 視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの    2 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下のもの    3 両眼開放視認点数が70点以下のもの 5級 1 視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの    2 両眼による視野の二分の一以上が欠けているもの    3 両眼中心視野角度が56度以下のもの    4 両眼開放視認点数が70点を超えかつ100点以下のもの    5 両眼中心視野視認点数が40点以下のもの 6級 視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの 3ページ 2-2.ヒアリング調査 転落したときの状況を詳細に確認するため、アンケートで転落経験があると回答頂いた方及び東京都盲人福祉協会よりご紹介頂いた方に、ヒアリング調査をお願いしたところ34人に快諾頂いた。34人の、これまでの転落回数は1回が19人、2回が9人、3回が5人、5回が1人であった。このヒアリングでも約半数が複数回の転落経験があり、転落件数は57件であった。57件のうち56件は白杖使用、1件が盲導犬使用である。 ヒアリングでは、転落された際のホーム上の歩行の方向(長軸方向・短軸方向)とその原因について調査した。原因については次の3つに分類した。 原因1 : 本人がホーム端に接近していることに気付かずに転落するケース 原因2 : 列車が停車していると勘違いしてホーム端に接近し転落するケース 原因3 : 他人との接触などにより転落するケース その結果、表1、図2に示すように57件の転落事例は、(ⅰ)から(ⅵ)の6つのケースに分けられた。 表1 転落に至った原因(ヒアリング調査)注:ヒアリング事例のうち、短軸方向の乗車、降車のいずれにも分類されない事例が1 件存在。 原因1 気付かずにホーム端に接近し、転落 合計43件 ①長軸方向 A ホーム中央付近を歩行 18件(ⅰ) B 点状ブロック沿いを歩行 15件(ⅱ) ②短軸方向 C 乗車 3件(ⅳ) D 降車 6件(ⅵ) E その他 1件 原因2 列車が停車していると勘違いし、転落 合計12件 ①長軸方向 A ホーム中央付近を歩行 なし B 点状ブロック沿いを歩行 なし ②短軸方向 C 乗車 12件(ⅴ) D 降車 なし E その他 なし 原因3 他人との接触などにより転落 合計2件 ①長軸方向 A ホーム中央付近を歩行 なし B 点状ブロック沿いを歩行 2件(ⅲ) ②短軸方向 C 乗車 なし D 降車 なし E その他 なし 合計 57 ①長軸方向 A ホーム中央付近を歩行 18件 B 点状ブロック沿いを歩行 17件 小計 35件(61.4%) ②短軸方向 C 乗車 15件 D 降車 6件 E その他 1件 小計 22件(38,6%) 図2 転落事例の6 つのケース (ⅰ)ホーム中央付近を長軸方向に歩行中、本人がホーム端に接近していることに気付かずに転落 (ⅱ)混雑を避けるため等の理由で点状ブロック沿いを長軸方向に歩行中、点状ブロックをそれていることに気付かずに転落 (ⅲ)点状ブロック沿いを長軸方向に歩行中、他人との接触などにより転落 (ⅳ)列車に乗車するために短軸方向に点状ブロック付近まで歩行しようとしていた際に転落 (ⅴ)列車がホームに停車していると勘違いして短軸方向に歩行して転落 (ⅵ)列車から降車して島式ホームを短軸方向に歩行していた際に反対側のホーム端に接近していることに気付かずに転落 それぞれのケースについて、ヒアリングによって得られた背景(状況)は以下の表2の通りである。 表2 ヒアリングによって得られた転落の背景(状況) ケースⅰ 18件 ・ホーム中央付近を長軸方向に歩行中、本人がホーム端に接近していることに気付かずに転落するケースである。 ・以下の①、②の順を経て転落に至った。 ①やむを得ず線状ブロックのない場所を歩行すること注、人や支障物を繰り返し避けること等により、自分のいる位置や向いている方向が分からなくなる(定位の喪失) ②床面を確認しづらい白杖の使い方等により、点状ブロックに気付かずに通過し、ホーム端にも気付かず転落 注:線状ブロックは階段等から最寄りの列車のドアへ誘導するために整備されている。 ケースⅱ 15件 ・点状ブロック沿いを長軸方向に歩行中、点状ブロックをそれていることに気付かずに転落するケースである。 ホーム中央付近の混雑を避けるため等の理由で点状ブロック沿いを歩行中、点状ブロック付近の柱や列車待ちの人を避けること等により、ブロックからそれて転落した。 ケースⅲ 2件 ・点状ブロック沿いを長軸方向に歩行中、他人との接触などにより転落するケースである。 ・ホーム中央付近の混雑を避けるため等の理由で点状ブロック沿いを歩行中、他人と接触して、または接触を反射的に避けようとして転落した。 ケースⅳ 3件 ・列車に乗車するために短軸方向に点状ブロック付近まで歩行しようとしていた際に転落するケースである。 ・以下の①、②の順を経て転落に至った。  ①乗車待ちのため点状ブロック付近まで近付こうとした際、点状ブロックに気付かず通過する(定位の喪失)  ②床面を確認しづらい白杖の使い方等により、ホーム端に気付かず転落 ケースⅴ 12件 ・列車がホームに停車していると勘違いして短軸方向に歩行して転落するケースである。 ・以下の①、②の順を経て転落に至った。  ①隣接する線路上の車両を乗車しようとしていた車両と見間違えた、または隣接する線路に入線する車両の走行音を乗車しようとしていた車両が入線する走行音と聞き間違えた  ②白杖による車両の存在の確認の省略 ケースⅵ 6件 ・列車から降車して島式ホームを短軸方向に歩行していた際に反対側のホーム端に接近していることに気付かずに転落するケースである。 ・以下の①、②の順を経て転落に至った。 ①島式ホームで降車し、短軸方向に歩行中に方向転換するところを、ホーム幅が狭くなっている箇所等で床面を確認しづらい白杖の使い方等により、反対側ホームの点状ブロックに気付かず通過する ②床面を確認しづらい白杖の使い方等により、ホーム端に気付かず転落 また、上記は転落に至った直接的な背景と考えられるが、ヒアリングでは、さらにその背後にある本人の状態や現地の状況も挙げられた。 [本人の状態に関する事項] ・遅刻等の焦り ・体調不良 ・考え事 ・同行者と会話しながらの歩行 ・大量の荷物を所持 ・1人の介助者に対して2人以上の視覚障害者が列になって歩行 等 [現地の状況に関する事項] ・ホーム上の混雑 ・狭い場所の歩行 ・ダイヤ乱れ    等 例えば「遅刻等の焦り」については、ケースⅰでは18件中4件、ケースⅱでは15件中1件、ケースⅳでは3件中1件、ケースⅴでは12件中11件、ケースⅵでは6件中2件で、背後にこの事項が挙げられた。 7ページ 3.視覚障害者の安全対策について 7ページ 3-1.転落防止対策 7ページ (1)駅係員等による円滑な介助を行う対策 上記2.のいずれのケースにおいても、視覚障害者のホーム転落防止策として非常に有効なのは、駅係員及び周囲の鉄道利用者等による直接の誘導案内、声かけ、見守りである。各鉄道事業者においては、鉄道利用者にも声かけや見守りに協力していただく取り組みである「声かけ・サポート」運動や、「公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン(平成30年5月)」の内容についての駅係員への研修等を実施している。一方で、駅係員が他業務などのため視覚障害者がホームを利用していることに気付かなかったり、視覚障害者の中には駅係員及び周囲の鉄道利用者に介助要請しない方もいることから、視覚障害者が単独でホームを利用する場合も多い。このため、視覚障害者の改札通過やホーム上の歩行をAIカメラ等で検知して駅係員に通知したり、視覚障害者がスマホアプリを用いて駅係員及び周囲の鉄道利用者に介助要請をする方法についての検討が行われている。 ①AIカメラを活用して駅係員等による円滑な介助を行う方法 〈概要〉 改札に設置したカメラの映像から、白杖等をAIで認識し、駅係員に通報して迅速な介助を行う方法である(図3参照)。近鉄大和西大寺駅、相鉄二俣川駅、京阪電鉄祇園四条駅、Osaka Metro長居駅において実証実験が実施され、検知精度の向上等が図られている。 図3 AIカメラを活用して駅係員等による円滑な介助を行う方法 ※写真につき、テキスト版では割愛 〈現状の課題と今後の取組〉 視覚障害者の改札通過時の誤検知や未検知をなくすために、盲導犬についても検知対象に加えたうえで、AIの学習機能による検知精度の向上を図る必要がある。また、検知した視覚障害者を見失わずに確実に介助する方策として、検知から介助までの時間の短縮、改札口だけでなくホーム上も含めた効果的なカメラの設置位置などを検討する必要がある。 ②スマホアプリを活用して駅係員等による円滑な介助を行う方法 〈概要〉 視覚障害者がスマホアプリで送信した支援要請を、駅係員等が受信し、確実で迅速な介助を行う方法である(図4参照)。令和2年度末に実施した実証実験の結果を検証のうえで、必要な改良等が行われる予定である。 図4 スマホアプリを活用して駅係員等による円滑な介助を行う方法 ※イラストにつき、テキスト版では割愛 〈現状の課題と今後の取組〉 確実に支援要請を行うために、アプリ操作の手数(てかず)を減らすなど、視覚障害者が利用しやすいアプリへの改良が必要である。さらに将来的には、ボランティア等による介助支援も想定されているが、その際には、駅係員との役割分担、資格の付与、介助時における事故発生時の責任等についての検討も必要である。なお、アプリの利用が可能な携帯端末を保持していない視覚障害者への対応などの課題もある。 8ページ (2)ホーム端に接近している視覚障害者を検知して注意喚起する方法 上記2.で示したホームからの転落ケースのうち、件数の多いのが、長軸方向に歩行時に気付かずにホーム端に接近し転落するケース(ケースⅰ、ⅱ)である(57件中33件)。このケースによる転落を防ぐために有効と考えられるのは、ホーム端に接近している視覚障害者に、危険であることを知らせる方法である。 〈概要〉 ホームに設置したカメラの映像から、転落の危険性がある視覚障害者をAIで認識し、音声で注意喚起する方法である(図5参照)。令和3年夏頃より実際のホームでの実証実験が計画されており、転落防止効果や安全性の検証が行われる予定である。 図5 ホーム端に接近している視覚障害者を検知して注意喚起する方法 ※イラストにつき、テキスト版では割愛   〈現状の課題と今後の取組〉 ホーム縁端部を歩行する人を検知して注意喚起する方法については既に実証実験が行われているが、視覚障害者と健常者の識別や転落危険性の有無の判断までは行われていない。そのため、AIの活用により、列車の在線状況や歩行動線を踏まえて、転落の危険性のある視覚障害者の確実な識別を可能とするような取り組みが必要である。また、注意喚起する際には視覚障害者に対して、指向性の高いスピーカーの活用などにより、具体的で効果的なメッセージが確実に伝わるように発信される必要がある。 一方、短軸方向の歩行時にホーム端に接近し転落するケース(ケースⅳ、ⅴ、ⅵ)(57件中21件)については、長軸方向の歩行時に比べて注意喚起から転落までの時間が短いものと考えられることから、引き続き検討を行う必要がある。 9ページ (3)長軸方向の安全な歩行経路を示す適切な方法 上記2.のケースⅰ、ⅱのようにホーム長軸方向の歩行時に、ホーム端に接近していることに気付かないような状況やホーム端の点状ブロック沿いを歩いていて線路側にそれる状況を避けるためには、長軸方向の安全な歩行経路を示す方策が求められている。検討会では、ホーム中央に歩行動線の道しるべとなるマーカー(例えば、線状ブロック)を設置する案や、内方線付き点状ブロックの内側の領域を活用する案などが示されたほか、その他にも様々な方策を検討すべきとの意見が出された。考えられる方策については、それぞれにメリット・デメリットがあることから、引き続き、安全性、有効性、実現性を検証するため、視覚障害者が参加する実証実験の実施も含めた検討が必要である。 10ページ 3-2.万が一、転落しても接触事故に至らせない対策(転落を検知し速やかに列車を停止する方法) 〈概要〉 ホームに設置したカメラ映像で転落した鉄道利用者をAIで認識し、接触を防止するために速やかに列車を止める方法である(図6参照)。従来用いられている転落検知マットより安価に導入できる可能性があり、開発・改良が進められている。一部の駅で既に導入されているのは、カメラが転落を検知した場合、これが駅務室に通知され、駅係員が転落を確認した後に列車を停止させる方法であるが、更なる検知精度の向上のため、令和3年度の実証実験の実施に向けた調整が行われている。 図6 転落を検知し速やかに列車を停止する方法 ※イラストにつき、テキスト版では割愛 〈現状の課題と今後の取組〉 既に導入されている方法は、転落時の姿勢や気象条件等によってはカメラによる検知ができないこともあることから、AIの学習機能による更なる検知精度の向上を図る必要がある。さらに、将来的には、検知後に自動的に列車を停止させるシステムへの発展により、転落発生から列車停止までに要する時間の短縮を図ることが望ましいが、そのためには誤検知に伴うダイヤ乱れ等を防ぐため更なる検知精度の向上を図る必要がある。 10ページ 3-3.ホームドア設置工事中の安全対策 令和2年11月、東京メトロ東陽町駅において発生した視覚障害者の転落死亡事故では、ホームドアの設置工事中で、本体設備は設置されていたが、ドアが開放された状態であった。 この事故を受け、東京メトロは、当該駅の各改札に視覚障害者を誘導するための警備員を配置するとともに、人感センサーでホーム上の利用者を検知して自動的にホームドア設置工事中である旨を音声案内する装置の設置、弱視者の見間違いを防止するため車両と同系色のホームドアのデザインの一時的な変更(白地の本体部分に水平方向に入っている青いラインのマスキング)、工程の見直しによるホームドアの供用開始時期の当初予定から約3週間の前倒しを行った。東京メトロは今後のホームドア設置工事においても、警備員の増強、音声案内装置の設置の対策を講じることとしている。 一方、視覚障害者からは、ホームドア設置工事中との案内放送が確実に伝わるよう、音声案内のメッセージは短く繰り返すこと、反響音に留意して聞き取りやすい環境下で放送することなどの指摘があったことから、これらを踏まえてホームドア設置工事中のホームにおける転落事故を防止するための取り組みを進める必要がある。 11ページ 3-4.スマホを用いて視覚障害者を誘導する方法 〈概要〉 視覚障害者がスマホの専用アプリを用いて、点状ブロックに貼り付けたQRコード等の情報を読み取り、自らのいる位置を認識した上で、音声案内による誘導に従って線状ブロック上を歩行し目的地に向かう方法である(図7参照)。安全性や操作性等の観点から、ホームドアの設置されていない駅での転落防止対策としての導入はされていないが、ホームドアの設置されている駅の出入口から、改札、ホーム上の乗降口へと続くルートや、駅と区役所等の公共施設との間のルート等における誘導支援システムとして令和3年1月より東京メトロの一部の駅注で導入されている。この他にも、スマホを用いた様々な誘導支援システムの開発が進められている。 注:明治神宮前 〈原宿〉 駅、新木場駅、辰巳駅、北参道駅、西早稲田駅、外苑前駅、東池袋駅、護国寺駅、豊洲駅(令和3年7月現在) 図7 スマホを用いて視覚障害者を誘導する方法 ※イラストにつき、テキスト版では割愛 〈現状の課題と今後の取組〉 ホームドアがない駅での利用については、現時点では、アプリによる案内と利用者の歩行ルートの不一致等により転落に繋がる危険性が排除できないことから、転落防止対策としてホーム上で利用するためには安全性や操作性について十分な検証が必要である。また、他の鉄道利用者から歩きスマホと見受けられないための工夫も必要である。 12ページ 3-5.視覚障害者の歩行訓練の実施 上記2.で示したように、ケースⅱ、ⅲを除くいずれのケースにおいても、白杖による点状ブロックや車両の確認が適切に行われていないことが転落発生の背景の一つであることが明らかになった。また、アンケート結果によると、転落に至った事例では、危うく転落しそうになった事例に比べて、 ・白杖を肩幅に振らず時折地面に突きながら歩行 ・白杖をシンボル(視覚障害者であることの目印)として持ち、目視により歩行 ・白杖を持たずに、目視により歩行 といった歩き方をしている人の割合が高くなっていた(転落に至った事例:約34%、危うく転落しそうになった事例:約8%)。 検討会においても、白杖を正しく用いていれば転落事故を防ぐことができるとの意見が多く出ており、歩行訓練において、白杖を常時接地し、肩幅に振る、点状ブロックや車両の存在を確認するなどの白杖の使い方、また、点状ブロック・線状ブロック・内方線付き点状ブロックの役割を学ぶことで、転落する危険性を減少させることができると考えられる(図8参照)。 前述のアンケート調査では、回答者303人のうち、約半数(143人)がホームでの歩行訓練の経験がなく、その主な理由として、64人が「訓練しなくても歩けると思った」、49人が「訓練があることを知らなかった」と回答している。歩行訓練の重要性や、訓練が受けられる場所などの情報について、視覚障害者への更なる周知・啓発が必要と考えられる。 以上より、次のように関係者が協力して、より多くの視覚障害者に実際のホームや車両を用いた有効性の高い歩行訓練を行っていただくための環境を整備する必要がある。 図8 実際のホームや車両を用いた歩行訓練(令和3年3月 阪神電車梅田駅) ※写真につき、テキスト版では割愛 〈視覚障害者団体等の役割〉 視覚障害者団体・支援団体においては、歩行訓練の有効性に関する視覚障害者等への理解促進や啓発活動等を実施するとともに、歩行訓練の実施にあたり、助言や協力を行うことで、より多くの視覚障害者が、効果の高い歩行訓練を受講するための環境づくりを行うことが望ましい。 〈鉄道事業者の役割〉 実際のホームや車両を用いて、安全な白杖の使い方、ホームや車両の乗降の際の歩行方法、盲導犬を用いた歩行方法等を学ぶための歩行訓練を実施することは極めて有効と考えられる。このため、鉄道事業者においては、歩行訓練を実施する歩行訓練士や視覚障害者団体と連携しながら、他の利用者の利用の妨げにならない範囲で、積極的に訓練の機会・場所を提供することが望ましい。 〈国・歩行訓練士養成機関の役割〉 歩行訓練士養成機関による令和2年4月の調査によれば、歩行訓練士養成機関を修了した者は全国で960名、うち視覚障害者に対する生活訓練として実際に歩行訓練を行っている歩行訓練士は186名である。都道府県別で見ると歩行訓練士が1人もいない県が5県あるなど、絶対数が不足している状況が見受けられる。こうしたことから、関係省庁や関係機関が連携して、歩行訓練士の更なる養成、全国各地へのバランスのとれた歩行訓練士の配置等に取り組むことも重要である。また、歩行訓練の実施にあたっては、歩行訓練士養成機関による助言等を行うことも必要である。 13ページ~14ページ 3-6.鉄道利用者の協力 視覚障害者のホームからの転落を防止するためには、上記の関係者による取組とあわせて、周囲の鉄道利用者による協力も不可欠である。 (1)鉄道利用者の意識向上 前述のアンケート等では、「ホーム上の混雑により通常よりも白杖を小さく振らざるを得ずホーム端を認識しづらくなる」、「内方線の内側(ホーム中央側)を歩こうにも、乗車待ちの鉄道利用者とぶつかるため、レール側に迂回せざるを得ない」との意見があった。転落を防止するためには、内方線付き点状ブロック上やその近くに立ち止まったり荷物を置かない、視覚障害者に歩行動線を譲るなど、視覚障害者が安心して歩行できる環境整備に向けた、鉄道利用者の意識向上も不可欠である。 (2)鉄道利用者による積極的な介助 さらに、視覚障害者の安全な歩行のためには、駅係員のみならず鉄道利用者による積極的な「声かけ」「見守り」等の支援が必要であり、「声かけ・サポート」運動を一層推進させるなどにより、鉄道利用者が積極的に介助を実施するための機運を醸成していくことが重要である。 (3)鉄道利用者への啓発 上記について、構内放送、車両内のモニター表示、駅のポスター掲示などにより、判りやすいメッセージによる呼びかけ等を積極的に進める必要がある。なお、それらの製作・実施にあたっては、声かけの方法等によって、視覚障害者の混乱を招くことがないよう、視覚障害者団体や有識者等の意見を踏まえる必要がある。国を含めた関係者が連携のうえで、視覚障害者が快適に鉄道を利用することのできる環境整備に向けた鉄道利用者の意識の醸成を図る必要がある。 15ページ 4.ホームからの転落原因等に関する更なる調査について 検討会においては、ホームからの転落原因や列車との接触事故原因に関する調査のあり方等についても議論を行った。上記2.で視覚障害者の転落原因の分析を行ったが、今後は更なる検討の深度化を進める必要がある。 検討会の出席者からは、「視覚障害者団体や歩行訓練士などの協力により、視覚障害者の歩行特性を踏まえた専門的な原因調査を行うべきである」、「カメラの映像なども活用すべき(プライバシー保護の観点等からの配慮が必要)」との意見が出された。また、本年1月の東武鉄道下赤塚駅での転落事故については、東武鉄道から事故時の状況をヒアリングするとともに、検討会委員が転落現場を訪問し原因の推定も行った(図9参照)。 こうした意見等も踏まえ、ホームからの転落事故の再発防止に向けて、列車との接触事故は勿論のこと、列車接触事故に至らないホームからの転落案件も含めて、第三者的な立場の専門的な知見も活用した原因究明を実施するため、本検討会の活用も含め、調査実施体制の整備が必要である。 図9 有識者や歩行訓練士(いずれも検討会委員)による転落現場の状況確認 (令和3年3月 東武鉄道下赤塚駅) ※写真につき、テキスト版では割愛 16ページ 5.まとめ 検討会においては、視覚障害者へのアンケートやヒアリングの分析、それらを踏まえた新技術等を用いた転落防止対策、ホームや車両を活用した歩行訓練等に関して幅広い議論を行った。このうち、新技術を用いた転落防止対策については、個々の対策の是非や優劣について論じたものではなく、技術開発や導入にあたって必要となる考え方を示したものである。 検討会において議論された対策にはそれぞれ特徴があることから、個別にメリット、デメリットを把握した上で、メリットに注目し、それらを組み合わせる視点も忘れてはならない。例えば、AIカメラを活用する複数の技術が検討されているが、改札口で視覚障害者を検知した情報をホーム端への接近注意喚起や転落を検知し速やかに列車を停止させるシステムと共有することで事故防止の効果を向上させる可能性がある。また、新技術の活用とあわせて、歩行訓練により適切な歩行方法を学ぶことで、更に安全性の向上が図られる。 新技術については、本中間報告で紹介したもの以外にも開発が進められているが、新しい装置の使用に過度の意識の集中が必要になる等、視覚障害者にとっての新たな負担にならないよう、視覚障害者の意向に十分配慮する必要がある。 加えて、新技術等の活用が新たな危険性を生じさせる可能性がないかを実証実験等により十分に検証するとともに、様々な手法が混在しないよう、状況に応じて調整を行うなど視覚障害者の立場からの検討が必要である。 また、実証実験にあたっては、開発メーカーと実験フィールドの提供が可能な鉄道事業者が連携しやすい環境を整備すること、並びに、開発や導入が進められている新技術についての情報を、鉄道事業者間で共有できるようにすることで、多くの駅での導入を後押ししていくことが必要である。 今回の中間報告においては、現時点で実現可能な転落防止対策をとりまとめたが、これまでに述べてきたように、以下の事項については、引き続き検討を行う予定である。 ・短軸方向歩行時における転落防止策(短軸方向の歩行では転落までの時間が短いことが課題)【2.】 ・新技術の実証実験の継続や関係者への情報共有【3-1.(1)(2)及び3-2.】 ・ホーム長軸方向の安全な歩行経路を示す適切な方法【3-1.(3)】 ・実際のホームや車両を用いた歩行訓練の実施に向けた具体的な仕組みづくり【3-5.】 ・車両内のモニター表示や駅のポスター掲示等の具体的な方法や内容【3-6.】 ・転落原因究明のための具体的な調査実施体制【4.】  等 最後に、この中間報告で示された方策に対して、関係者が一致団結して取り組むことにより、悲惨な転落事故を防止し、視覚障害者の方々が安全に、そして安心して、鉄道を利用できる環境を整備することで「真の共生社会の実現」を目指してまいりたい。 17ページ  参考資料 アンケート内容 問1 あなたの現在の年齢を選択してください。 問2 あなたの性別を選択してください。 問3 あなたの現在の視覚の状況についてお答えください。 問4 あなたは現在、身体障害者手帳(視覚障害)をお持ちですか。お持ちの場合は等級と取得年齢もお答えください。 問5 視覚障害以外でお身体に障害はありますか。 問6 普段の主な移動方法を選択してください。 問7 あなたは駅ホーム上での歩行方法や電車乗車時の手順を習ったことがありますか。 問8 問7で「ない」を選択された方にお尋ねします。習ったことのない理由を教えて下さい。 問9 普段からどの程度鉄道を利用していますか。 問10 あなたは駅ホームから誤って転落した経験、または転落しそうになった経験(ヒヤリハット)を経験されたことがありますか。 問11 ヒアリングを受けて頂けますか。 問12 これからお答え頂くのは転落の経験ですか、それとも転落しそうになった経験(ヒヤリハット)ですか。 問13 日時や場所など当時の状況を教えてください。 問14 転落または転落しそうになった(ヒヤリハット)駅の利用状況を教えてください。 問15 転落または転落しそうになった(ヒヤリハット)時の主な移動方法を選択してください。 問16 前問で「白杖で前方を確認しながら歩行」を選択された方は、白杖の使用法を選択してください。 問17 転落または転落しそうになった(ヒヤリハット)日は駅員からの声掛けはありましたか。 問18 転落または転落しそうになった(ヒヤリハット)日は駅員へ乗車までの介助をお願いしましたか。また、そのようにした理由をお答えください。 問19 経験した転落または転落しそうになった経験(ヒヤリハット)について、ご自身が考える原因をお答えください。 問20 転落または転落しそうになった(ヒヤリハット)駅について、駅の構造やサービス面で問題であると感じた点、改善してほしい点をお答えください。 問21 全体を通して、ご意見をお答えください。 18ページ 検討会開催実績 第1回 令和2年10月9日(金) ① 検討会の趣旨、検討事項等について ② 講演:「白杖歩行中の駅ホームからの転落事例について」成蹊大学 大倉元宏 名誉教授 第2回 令和2年11月9日(月) ① 報告:「品川駅での「安全教室」について」東京都盲人福祉協会 市原寛一 常任理事 ② 新技術を活用した転落防止対策等に関するヒアリング(その1)(7件) 第3回 令和2年12月11日(金) ① 報告:東京メトロ東西線東陽町駅での転落事故について ② 報告:ホームドアの新たな整備目標について ③ 講演:「駅ホームにおける視覚障害者の歩行訓練について」日本歩行訓練士会 堀内恭子 事務局長 ④ 新技術を活用した転落防止対策等に関するヒアリング(その2)(1件) ⑤ 視覚障害者への声かけ・サポートに関するポスター等の取組紹介 第4回 令和3年2月12日(金) ① 報告:東京メトロにおける視覚障害者ナビゲーションシステム「shikAI」のサービス開始等について ② ホームからの転落に関するアンケート及びヒアリング結果について ③ ホーム上における歩行動線について(その1) ④ 新技術を活用した転落防止対策等に関するフォローアップ(その1) 第5回 令和3年2月26日(金) ① 報告:東武鉄道 下赤塚駅での転落事故について ② 新技術を活用した転落防止対策等に関するフォローアップ(その2) ③ ホーム上における歩行動線について(その2) ④ 講演:「歩行訓練士について」日本歩行訓練士会 堀内恭子 事務局長 ⑤ 厚生労働省における視覚障害当事者に対する支援制度について 第6回 令和3年3月12日(金) ① 報告:「視覚障害者の鉄道利用に関する安全教室(介助要請アプリの実証実験を含む)」について ② 報告:視覚障害者への介助・支援等に関する動画・ポスターについて ③ 講演:「ホームドアに依らない転落防止対策の考え方」成蹊大学 大倉元宏 名誉教授 ④ とりまとめに向けた意見交換 第7回 令和3年3月26日(金) ① 報告:「視覚障害者の転落事故の原因に関する一考察について」慶應義塾大学 中野泰志 教授 ② とりまとめに向けた意見交換 19ページ 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会 委員名簿(令和3年7月2日時点) ※(  )は前任者 【障害者団体・支援団体】 日本視覚障害者団体連合 組織部長 三宅 隆 日本弱視者ネットワーク 本部役員(筑波大学附属視覚特別支援学校 教諭) 宇野 和博 東京都盲人福祉協会 事業部長 市原 寛一 埼玉県網膜色素変性症協会 会長 田村 彰之助 日本歩行訓練士会 事務局長 堀内 恭子 日本盲導犬協会 顧問 吉川 明 【学識経験者】 成蹊大学 名誉教授 大倉 元宏 慶應義塾大学 経済学部 教授 中野 泰志 鉄道総合技術研究所 人間科学研究部 主任研究員 大野 央人 【鉄道事業者】 JR東日本 執行役員 安全企画部長 大森 健史(松橋 賢一) JR西日本 鉄道本部 駅業務部長 水田 雅博(佐伯 祥一) 東京メトロ 経営企画本部 企業価値創造部長 川上 幸一 小田急電鉄 常務取締役 交通サービス事業本部長 五十嵐 秀 近畿日本鉄道 執行役員 鉄道本部 企画統括部副統括部長 深井 滋雄(取締役常務執行役員 湖東 幸弘) 阪急阪神ホールディングス グループ開発室 部長 山本 隆弘 【国土交通省】 大臣官房 技術審議官(鉄道) 江口 秀二 総合政策局 バリアフリー政策課長 真鍋 英樹 鉄道局 総務課 鉄道サービス政策室長 森髙 龍平 鉄道局 都市鉄道政策課長 金指 和彦 鉄道局 技術企画課長 岸谷 克己 鉄道局 安全監理官 中谷 育夫(森 信哉) 【厚生労働省(オブザーバー)】 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室長 奥出 吉規(金原 辰夫) [事務局 鉄道局技術企画課]