鉄軌道業の情報提供ガイドライン(新ガイドライン)について



I.事業者の財務等に関する情報提供

 鉄軌道事業者は、次の項目により、定期的又は随時に情報公開を行うこととし、公開資料の構成及び具体的内容は各事業者毎に創意工夫して行うものとする。

  1. 事業計画の概要
  2. 決算の内容
  3. 前年度決算との比較・分析
  4. 設備投資実績・計画(前年度までの実績、当年度計画)
  5. 経営合理化の状況
  6. 環境、技術開発への取組状況

 

II.運賃に係る情報提供

1.目的
 鉄道運賃に対する国民の関心が高まる中、運賃改定における透明性の向上や利用者等の監視による効率化の促進を図るため、運賃改定時はもとより、運賃改定時以外にも必要な情報を提供する等、運賃に係る情報の公開を促進する。

2.鉄軌道事業者において情報提供するもの
  次の項目により情報公開を行うこととし、公開資料の構成及び具体的内容は上記目的の趣旨に鑑み、各事業者毎に創意工夫して行うものとする。

(1)運賃改定時に情報提供するもの

  1. 申請の内容(申請理由、申請の概要、改定率・増収率一覧、申請・現行運賃 比較表)
  2. 鉄軌道部門収支の実績及び推定(実績年度及び平年度の鉄軌道部門収支)
  3. 運賃・料金収入内訳
  4. 需要見通し(平年度の需要見通し)
  5. 設備投資実績・計画
     ・設備投資実績と計画(過去3ヶ年度〜平年度)
     ・主要プロジェクトの内容(目的、効果、施行区間、工事費、完成予定)
  6. これまでの経営合理化の状況及び今後の取り組み
  7. 運賃・料金の多様化の内容(新たな制度の創設、営業割引の内容等(既設分 の紹介を含む))
  8. 利用者サービスの向上策(上記5. 7.の項目との重複も可)
  9. 情報へのアクセスについての情報(運賃・料金に関する問合せ先)

(2)随時に情報提供するもの

  運賃・料金の多様化の内容(運賃・料金のメニュー一覧、新設の営業割引の状況(既設分を含む)等)

 

3.国土交通省において情報提供するもの

(1)運賃改定時に情報提供するもの

  1. 運賃認可の内容に沿って事業者の情報内容を補完するもの(改定の経緯、査定概要、鉄軌道部門査定収支、改定率・増収率一覧、定期運賃割引率、申請 ・現行・改定運賃比較表、経営合理化目標の内容、利用者サービス向上策、 答申の概要)
  2. 収入原価算定要領

(2)定期的に情報提供するもの

  新ヤードスティック方式に係る基準単価算出のための回帰式、基礎データ、基準単価、施設量、基準コスト合計額、実績コスト合計額

 

 

III.安全、サービスに関する情報提供

1.目的
  需給調整規制の廃止をはじめとする規制緩和が進む中で、規制緩和の実効性を確保し、利用しやすく高質な鉄道ネットワークシステムの構築を可能とするために、利用者の自由かつ的確なサービス選択の確保に資する情報を提供する等情報の公開を促進する。

2.鉄軌道事業者において情報提供するもの
  次の項目により情報公開を行うこととし、公開資料の構成及び具体的内容は、各事業者毎に創意工夫して行うものとする。

(1)随時情報提供するもの

  1. サービスに関する基本的な情報(ダイヤ、遅延等の情報、空席情報、運送約款)
  2. サービスの水準
    輸送頻度、混雑率、所要時間
    乗継ぎ利便性(相互直通運転、共通乗車券等に関すること)
    駅施設に関する情報(構内地理案内、乗換に要する時間、駐車場
    駐輪場の有無、トイレの有無、バリアフリー化施設の整備状況 等)
    車両設備に関する情報(車両の種別、主要な設備の状況、バリアフリー化設備の整備状況 等)
  3. 安全に関する情報(個別の事故対策 等)
  4. その他利用者サービスの向上策(上記U(2)の項目との重複も可)
  5. 情報へのアクセスについての情報(運賃・料金、列車時刻等に関する問合せ先)

(2)定期的に情報提供するもの

  1. 安全への取組状況(安全対策、事故件数 等)
  2. 利用者意見及びその対応(利用者から寄せられた質問、要望及びそれに対する回答、改善内容の紹介)

3.国土交通省において情報提供するもの
  以下の項目について定期的に又は随時に情報提供する。

  1. 輸送実績(輸送人員、輸送人キロ、旅客収入 等)
  2. サービスの水準
    信頼性比較(事故発生率比較、主要路線別の混雑率比較 等)
    駅のバリアフリー化施設の整備状況比較(段差の解消状況、エレベーター・エスカレーター整備状況、視覚障害者誘導用ブロック敷設状況、身体障害者対応型トイレ導入状況等の主な事業者別の駅数比較)
    車両のバリアフリー化設備の整備状況比較(車いすスペース、車いす対応型トイレ、車両間転落防止設備導入状況等の主な事業者別の編成数比較)
    情報公開の実施状況
  3. 安全に関する情報(種類別運転事故件数の推移、個別の事故の安全対策 等)

 

 

IV.情報提供の方法

 より多くの利用者がニーズに合致した情報を享受できるよう、各情報提供手段の特徴に留意しつつ、情報の内容に応じた適切な媒体を通じて積極的な情報提供を行う。
 また、複数の鉄軌道事業者に係る情報については、関係する鉄軌道事業者の相互の連携により提供の方法の共通化を図り、適切な情報提供を行うよう配慮する。

(1)鉄道事業者
 パンフレット・駅構内掲示・車内吊り・広報誌による情報提供、テレビ・新聞等マスメディアでの発表、インターネットによる情報発信、利用者窓口の設置、事業者団体の広報活動を通じた情報提供

(2)国土交通省
 国土交通省及び地方運輸局における閲覧、テレビ・新聞等マスメディアでの発表、インターネットによる情報発信

 



(参考)
情報提供ガイドラインに基づく事業者の情報提供イメージ
(この情報提供イメージは、あくまで参考に作成したものであり、実際には、各事業者ごとに創意工夫して行います。)

 

I.事業者の財務等に関する情報提供

1.事業計画の概要

  • 事業運営の基本方針
  • 設備投資実績・計画の概要
  • 利用者サービス向上策の概要
  • その他関連参考資料
            等について記載

2.決算の内容

  • 「有価証券報告書」等で株主等に報告
  • 決算時に決算内容をプレスに発表
  • パンフレット・広報誌等による決算内容の公表等
    ※ 複数選択により一般利用者も含めて広く情報提供を行う。

3.前年度決算との比較・分析
  (差異のある主な項目について適宜記載)

(単位:億円)
項    目 平成○年度実績 平成○年度実績 コ メ ン ト
(営業収入)
旅客運輸収入
(営業費用)
○○○○費
(営業損益)
(営業外収益)
(営業外費用)
(経常損益)

 

4.設備投資実績・計画

  • 平成○年度設備投資実績(鉄軌道部門○○○億円)
    (コメント)○○○○○○○○○○

    ・○○線ATC新設
    ・○○線(○○〜○○間)複々線化工事
    ・エスカレーターの新設○○基(○○駅○基、○○駅○基)
    ・ エレベーターの新設○基(○○駅○基、○○駅○基)
  • 平成○年度設備投資計画(鉄軌道部門○○○億円)
     (コメント)○○○○○○○○○○

    【輸送力増強】
     (概 要)○○○○○○○○○○
    【安全対策】
     (概 要)○○○○○○○○○○

 

5.経営合理化の状況(平成○年度実績)
  (組織の統廃合、省力化等について適宜記載)

  • 生産性の向上
    (コメント)○○○○○○○○○○

 

6.環境、技術開発への取組状況

  • 「環境にやさしい」鉄道の観点に立ったPR
  • 環境へ配慮した具体的施策
  • 車両等技術開発に関する進捗状況等の紹介
                     等について記載

 

 

II.運賃に係る情報提供
 
  【運賃改定時に情報提供するもの】

1.申請の内容

(1) 申請理由(略)

(2) 申請の概要

1. 改 定 率  平 均 ○.○%
2. 初乗り運賃(○キロまで)  ○○○円(現行 ○○○円)
3.
定期運賃平均割引率 通勤 ○○.○%(現行○○.○%)
  通学 ○○.○%(現行○○.○%)


(3) 改定率・増収率一覧

 

改 定 率

増 収 率
定 期 外 ○○.○% ○○.○%

通   勤 ○○.○% ○○.○%
通   学 ○○.○% ○○.○%
○○.○% ○○.○%
料   金 ○○.○% ○○.○%
合   計 ○○.○% ○○.○%


(4) 申請・現行運賃比較表

    ○普通旅客運賃
営業キロ

現  行

申  請

○kmから○kmまで ○○○円 ○○○円
○kmから○kmまで ○○○円 ○○○円


    ○定期旅客運賃(大人通勤1ヶ月)
営業キロ

現  行

申  請

○km ○,○○○円 ○,○○○円
○km ○,○○○円 ○,○○○円


    ○定期旅客運賃(大人通学1ヶ月)
営業キロ

現  行

申  請

○km ○,○○○円 ○,○○○円
○km ○,○○○円 ○,○○○円



2.鉄軌道部門収支の実績及び推定

(単位:億円、%)
 

平成○年度
(実  績)

平成○年〜○年度

現  行 改  定
収  入      
支  出      
差  引      
収支率      



3.運賃・料金収入内訳

(単位:億円、%)

 

平成○年度
(実  績)

平成○年〜○年度
現  行 改  定

定 期 外      
定  期      
     

特  急      
     



4.需要見通し
  (過去の傾向値及び特殊要因等を勘案した平年度の需要見通しについて記載)

 

5.設備投資実績・計画

(1)設備投資実績と計画



 

(2)主要プロジェクトの内容

  1. ○○線複線化事業
    ・目  的 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。
    ・効  果 到達時分の短縮(○○分→○○分)
    ・施行区間 ○○〜○○間(○.○km)
    ・工事費 ○○○億円
    ・完成予定 平成○○年春

  2. ○○線○○駅付近高架化事業
    ・目  的 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。
    ・効  果 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。
    ・施行区間 ○○駅付近○.○km(高架部○.○km)
    ・工事費 ○○○億円
    ・完成予定 平成○○年秋

     

6.これまでの経営合理化の状況及び今後の取り組み

  • 経営合理化の状況
    • 要員合理化努力について
    • 経費節減努力について
    • 生産性の向上

  • 今後の取り組み
            等について記載

 

7.運賃・料金の多様化の内容

  • 新規商品の設定
    • 「○○○割引回数券」
      (概 要)○○○○○○○○○○

  • 好評をいただいている企画商品一覧
    • 「○○ファミリーきっぷ」
      (概 要)○○○○○○○○○○

 

8.利用者サービスの向上策(上記5.7.の項目との重複も可)

  • 輸送サービスの向上
    • 新型車両の導入、車両のリニューアル
    • 列車の増発、スピードアップ
    • 運転保安度の向上


  • 駅設備の充実
    • 駅舎のリニューアル、トイレの改修
    • エレベータ、エスカレータの設置
    • 最新型機器の導入
    等について記載

 

9.情報へのアクセスについての情報

  • 運賃改定申請に関する問い合わせ先
  • 運賃・料金、列車時刻等に関する問い合わせ先
  • 主要駅連絡先
  • 関連旅行センター連絡先
  • 情報サービスの案内
              等について記載

 

【随時情報提供するもの】

10.運賃・料金の多様化の内容

  • 運賃・料金のメニュー一覧
  • 新たな営業割引の紹介
  • 既存の企画商品等の紹介

 

 

III.安全、サービスに関する情報提供

【随時情報提供するもの】

1.サービスに関する基本的な情報

  • ダイヤ
  • 遅延等の情報(事故等による即時情報を含む。)
  • 指定席の空席情報
  • 運送約款

 

2.サービスの水準

  • 運行本数、運転時隔
  • ラッシュ時最混雑区間の混雑率
  • 主要駅間の所要時分
  • 相互直通運転を行っている路線・区間・乗り入れ先
  • 他社線・自社他線へ乗り継ぐ場合の始発・終発電車の時刻
  • 共通乗車券の発売状況・使用条件等の案内
  • 駅周辺の駐車場・駐輪場の設置駅・設置場所
  • 駅の段差解消(エレベーター・エスカレーターの設置駅・設置場所 等)
  • 身体障害者対応型トイレの設置駅・設置場所
  • 身体障害者対応型券売機の設置駅・設置場所
  • 車いすスペース、車いす対応型トイレを有する車両
  • 乗り換えに要する時間・距離
    等について記載

 

3.安全に関する情報(個別の事故対策 等)

  • 事故の発生日時
  • 路線及び区間
  • 事故の状況
  • 今後の対応 等

 

4.その他利用者サービスの向上策(上記U10の項目との重複も可)
  (実績及び今後の計画等について適宜記載)

 

5.情報へのアクセスについての情報

  • 苦情・要望・質問等窓口の設置及びその案内
  • 運賃・料金、列車時刻等に関する問い合わせ先
  • 主要駅連絡先
  • 関連旅行センター連絡先
  • 情報サービスの案内
    等について記載

 

【定期的に情報提供するもの】

6.安全への取組状況

  • 個別の事故の安全対策
  • 事故件数
年   度 ○年度 ○年度 ○年度 ○年度 ○年度
列車
事故
列車衝突          
列車脱線          
列車火災          
踏切障害事故          
鉄道人身障害事故          
合    計          


  • その他安全確保のための取り組み
                     等について記載

     

    7.利用者意見及びその対応

    • 利用者から寄せられた質問、要望及びそれに対する回答、改善内容
    • 広報誌等で行っている「Q&Aコーナー」等の活用
    • 苦情・要望・質問等窓口の設置及びその案内

  •  

    IV.情報提供の方法

    • パンフレット、駅構内掲示、車内吊り、広報誌による情報提供
    • テレビ、新聞等マスメディアでの発表
    • インターネットのホームページによる情報提供
    • 利用者窓口の設置
    • 事業者団体の広報活動を通じた情報提供 等

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