不動産鑑定士は、地価公示や相続税・固定資産税評価等の公的土地評価制度の担い手として重要な役割を果たしています。今後も将来にわたりこうした役割を果たすとともに、不動産に係る専門性をいかし、幅広い分野で社会に貢献することが期待されるところです。
しかしながら、近年、不動産鑑定士は減少傾向にあり、さらに高齢化も進行しており、その持続的な担い手の確保が極めて重要な課題となっています。とりわけ、全国的に見ると、不動産鑑定士の都市部への偏在傾向が強まっており、その一因として、地方部においては都市部と比較して報酬全体に占める公的土地評価の割合が高く、専門性をいかして報酬を得る手段が限られていることが考えられます。
このため、不動産に係る専門性をいかした業務領域の拡大や、業務における適正な報酬の確保等、特に地方部の不動産鑑定士の公的土地評価業務以外からの報酬を拡大するための取組を検討することが、将来の不動産鑑定士の担い手確保に向けて重要となると考え、令和6年度、国土交通省不動産・建設経済局(土地政策審議官部門)地価調査課及び公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会は、有識者を交えた「不動産鑑定士の担い手確保に向けた勉強会」を開催しました。
以下の報告書は、これらの結果を踏まえ、取組の方向性について論点整理を行ったものです。今後、更なる検討を進め、令和7年度中に取りまとめを行う予定です。
業務領域の拡大等を通じた不動産鑑定士の担い手確保に向けて~論点整理~ 概要
業務領域の拡大等を通じた不動産鑑定士の担い手確保に向けて~論点整理~ 本文