木曽川水系における

水資源開発基本計画


 
平成16年6月15日 閣議決定
平成16年6月24日 国土交通省告示第740号

 

 

1 水の用途別の需要の見通し及び供給の目標

この水系に各種用水を依存している長野県、岐阜県、愛知県及び三重県の諸地域において、平成27年度を目途とする水の用途別の需要の見通し及び供給の目標はおおむね次のとおりである。

また、経済社会の諸動向並びに水資源開発の多目的性、長期性及び適地の希少性に配慮しつつ、これらを必要に応じて見直すものとする。

(1)  水の用途別の需要の見通し

平成27年度を目途とする水の用途別の需要の見通しは、計画的な生活・産業基盤の整備、地盤沈下対策としての地下水の転換、合理的な水利用、この水系に係る供給可能量等を考慮し、おおむね次のとおりとする。

水道用水について、この水系の流域内の諸地域並びに流域外の岐阜県、愛知県及び三重県の一部の地域において、水道事業がこの水系に依存する水量の見込みは、毎秒約50立方メートルである。

工業用水について、この水系の流域内の諸地域並びに流域外の岐阜県、愛知県及び三重県の一部の地域において、工業用水道事業がこの水系に依存する水量の見込みは、毎秒約19立方メートルである。

農業用水について、この水系の流域内の諸地域並びに流域外の岐阜県、愛知県及び三重県の一部地域において、この水系に依存する水量の増加は見込まれない。

(2)  供給の目標

これらの水の需要に対し、近年の降雨状況等による流況の変化を踏まえつつ、地域の実状に即して安定的な水の利用を可能にすることを供給の目標とする。このため、2に掲げる施設整備を行う。

なお、これまでに整備した施設等と併せて、この施設整備により平成27年度に供給が可能と見込まれる水道用水及び工業用水の水量は、計画当時の流況を基にすれば毎秒約113立方メートルであるが、近年の20年に2番目の渇水年の流況を基にすれば毎秒約77立方メートルとなる。

   

2 供給の目標を達成するため必要な施設の建設に関する基本的な事項 

先に示された供給の目標を達成するために次の施設整備を行うとともに、開発した水を効率的に利用するための調査を推進する。

なお、社会経済情勢の変化を踏まえ、今後も事業マネジメントの徹底、透明性の確保、コスト縮減等の観点を重視しつつ施設整備を推進するものとする。

(1) 徳山ダム建設事業  

 

事 業 目 的

この事業は、洪水調節及び流水の正常な機能の維持(異常渇水時の緊急水の補給を含む。)を図るとともに、岐阜県及び愛知県の水道用水及び工業用水を確保するものとする。

なお、徳山ダムは発電の用にも、併せ供するものとする。

また、徳山ダムは横山ダムが従前供していたかんがい用途の用水を代替して補給するものとする。  

事業主体

独立行政法人 水資源機構  

河川名

揖斐川

新規利水容量

約78,000千立方メートル

(有効貯水容量約380,400千立方メートル)

予定工期

昭和46年度から平成19年度まで

 

(2) 愛知用水二期事業

 

事業目的

この事業は、愛知用水施設の改築等を行うことにより、農業用水等の供給に係る水路等の機能の回復・安定を図るとともに、阿木川ダム及び味噌川ダムにより確保される愛知県の水道用水の一部及び同県の工業用水を供給するものとする。  

事業主体

独立行政法人 水資源機構

河川名

木曽川

取水量

最大毎秒約32.4立方メートル

  兼山地点における取水量最大毎秒約30.0立方メートル

 犬山地点における取水量最大毎秒約 2.4立方メートル  

予 定 工 期

昭和56年度から平成18年度まで

(水路等施設は平成16年度まで)  

3 その他水資源の総合的な開発及び利用の合理化に関する重要事項

(1) この水系における適切な水利用の安定性を確保するためには、需要と供給の両面から総合的な施策を講ずるものとする。

 

(2) 水資源の開発及び利用を進めるに当たっては、水源地域の開発・整備を通じた地域活性化を図ること等により、関係地域住民の生活安定と福祉の向上に資するための方策を積極的に推進するとともに、ダム周辺の環境整備、水源の保全かん養を図るための森林の整備等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 

(3) 水資源の開発及び利用に当たっては、流域単位での健全な水循環を重視しつつ、治水対策、河川環境の保全、水力エネルギーの適正利用及び水源地域から下流域を含めた適正な土砂管理に努めるとともに、既存水利、水産資源の保護等に十分配慮するものとする。

 

(4) この水系においては、過去に地下水の採取により著しい地盤沈下が発生したものの、依然として地下水に対する依存度が高いことから、安定的な水の供給を確保するため、地下水の適切な利用が図られるよう地下水採取の規制、地下水位の観測や調査等を引き続き行うこととする。

 

(5) この水系における水資源の開発及び利用に当たっては、次のような水利用の合理化に関する施策を講ずるものとする。

@ 漏水の防止、回収率の向上等の促進を図るとともに、節水の普及啓発に努めるものとする。

A 生活排水、産業廃水等の再生利用のための技術開発等を推進し、その利用の促進を図るものとする。

B 近年の経済社会の発展に伴う土地利用及び産業構造の変化に対応し、既存水利の有効かつ適切な利用を図るものとする。なお、水資源の広域的な利用についても配慮するものとする。

(6) 渇水に対する適正な安全性の確保のため、水の循環利用のあり方、各利水者の水資源開発水量等を適正に反映した都市用水等の水利用調整の有効性等及びこれまでの地域における水利用調整の考え方等について総合的に検討し、その具体化を図るものとする。

 

(7) 水資源の総合的な開発及び利用の合理化に当たっては、水質及び自然環境の保全に十分配慮するとともに、水環境に対する社会的要請の高まりに対応して水資源がもつ環境機能を生かすよう努めるものとする。

 

(8) 本計画の運用に当たっては、各種長期計画との整合性、経済社会情勢及び財政事情に配慮するものとする。



国土交通省 土地・水資源局 水資源部
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