平成18年8月
国土交通省 土地・水資源局水資源部
は じ め に
平成17年は,春から夏にかけて東日本の太平洋側や西日本で極端な少雨となり,西日本を中心として広い範囲で渇水状況となりました。
近年,全国計でみれば通常の年においてはおおむね需要量に見合う水を安定的に供給することが可能となりましたが,多くの地域が水源として頼 るダム等の水資源開発施設は原則としておおむね10年に1 度程度発生する規模の渇水に対応可能な計画に基づき整備されています。つまりそれ以上の規模の 渇水が生じた場合には,計画上,ダムは枯渇することとなります。
実際には,取水を制限する等の対策が実施されるためダムが枯渇することはまれですが,それでも渇水に伴う影響を避けることはできません。
さらに,最近では小雨化や降雨の変動幅の増大傾向がみられることから計画以上の規模の渇水が生じる確率が増加していると考えられます。
水資源開発施設の整備等に伴い水道の断水等,渇水による市民生活への重大な影響が発生する頻度は一時期に比べて少なくなっています。一方, トイレの水洗化率の向上等,ライフスタイルの変化により渇水に対して脆弱になっている面もあります。
渇水は他の自然災害と同様に絶対に起こらないようにすることはできませんが,平常時からの対策等によってその影響を軽減することは可能で す。
「日本の水資源」は,国土交通省土地・水資源局水資源部が関係機関の調査結果などをもとに我が国の水需給や水資源開発の現況,今後早急に対 応すべき水資源に関わる課題などについて総合的にとりまとめたもので,昭和58年から毎年公表しています。
本書を通じて,多くの皆様に我が国と世界の水資源の実態をご理解いただくとともに,基礎資料として活用していただき,あわせて水資源行政に 一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
第T編 渇水に強い地域づくりに向けて
第U編 日本の水資源と水需給の現況
参考資料
用語の解説
担当:国土交通省水資源部水資源計画課水資源調査室(代表:5253-8111)
室長 山本 聡(内線 31-251)
課長補佐 椙田 達也(内線 31-233)