平成21年版日本の水資源について
〜 総合水資源管理の推進 〜
平成21年8月
国土交通省 土地・水資源局水資源部
は じ め に
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我が国においては、近年、少雨化や降水量の変動の増大、少雪化によって水利用の安定性が低下してきています。雨の降り方の変化により、ダム等の水資源施設が計画当初の能力を安定的に発揮することが困難になるなど、毎年のように全国のどこかで減水や断水となる渇水が発生しており、地域によっては、ダムの利水容量が枯渇するという大規模な渇水が発生しています。
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今年も少雨による渇水が発生しています。西日本を中心に4月から6月にかけての降水量は、平年を下回っており、特に四国地方では、平年の半分程度となっております。四国の水瓶である早明浦ダムが3年連続となる取水制限を実施するなど、今年も減水や断水となる渇水が発生し、市民生活への影響が生じています。
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このような地球温暖化に伴う気候変動に対応した水量の安定的な確保に関する課題とともに安全でおいしい水や豊かな環境等に対する国民の意識の高まり、水資源関係施設の老朽化を背景とした事故・水質悪化のリスク、震災時の水供給力低下等の課題が顕在化していると指摘されています。このような課題を包括的・一体的に捉えて水資源を総合的にマネジメントする「総合水資源管理」を推進する時機になっていると考えております。
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世界においても水問題への解決に向け、様々な会議で総合水資源管理(IWRM;Integrated Water Resources
Management)の取り組みを進めていくことが確認されています。昨年7月のG8北海道洞爺湖サミットや、今年3月にトルコで開催された第5回世界水フォーラムでもIWRMの重要性が再認識されています。また、今年6月に開催された第7回アジア太平洋地域インフラ大臣会合においては、「持続可能な都市開発のためには、総合水資源管理を促進する必要があることを認識」するなどの大臣声明が出されています。
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今年の「日本の水資源」第T編では、「総合水資源管理の推進」をテーマに、世界の水問題とその解決に向けた取り組みと、我が国における総合水資源管理の推進に関する考え方をまとめました。
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「日本の水資源」は、国土交通省土地・水資源局水資源部が関係機関の調査結果等を基に我が国の水需給や水資源開発の現況、今後早急に対応すべき水資源に関わる課題について総合的に取りまとめたもので、昭和58年から毎年公表しております。本書を通じて、多くの国民の皆様に我が国と世界の水資源の実態をご理解いただくとともに、基礎資料として活用していただき、あわせて水資源行政に一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
日本の水資源 概要版(PDF版)
概要版
日本の水資源 本編(PDF版)
第T編 総合水資源
管理の推進
第U編 日本の水資源と水需給の現況
第1章 水の循環と水資源の賦存状況 、 参考資料
第2章 水資源の利用状況 、 参考資料
第3章 水資源開発と水供給の現状 、 参考資料
第4章 地域別の状況 、 参考資料
第5章 渇水、災害、事故等の状況 、 参考資料
第6章 水資源と環境 、 参考資料
第7章 地下水の保全と適正な利用 、 参考資料
第8章 水資源の有効利用 、 参考資料
第9章 水源地域対策 、 参考資料
第10章 水資源に関する理解の促進
第11章 健全な水循環系の構築
第12章 水資源に関する国際的な取り組み 、 参考資料
第13章
平成20年度の水資源をめぐる動き 、 参考資料
用語の解説
担当:国土交通省 水資源部 水資源計画課 総合水資源管理戦略室(代表:5253-8111)
室長 村井 禎美(内線 31-251)
課長補佐 林 雅知(内線 31-233)
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