平成10年版「日本の水資源」

〜地球環境問題と水資源〜

平成10年8月
国土庁水資源部
  1. 目的
  2. ・我が国の水需給や水資源開発の現況、今後の課題等について総合的に取りまとめ。
    ・広く一般に水資源の実態についてより良く理解してもらい、今後の水資源行政の基礎資料とする。
  3. 平成10年版 一編のポイント

  4. <地球環境問題から見た水資源の現状と今後の取組(第?編で特集)>
    地球環境問題の関心が高まる中、エネルギー消費が要因である酸性雨と地球温暖化に着目し、エネルギー面から見た水資 源の開発及び利用等について整理・分 析。
     (ポイント)
    酸性雨は、水源水質の変化や森林衰退によるかん養機能の低下に より、地球温暖化は、河川流量の変化、生活用水使用量の増加等により、水資源の開発や利用等に影響。
    ・水資源の開発や利用等も、それに伴うエネルギー消費により、地球温暖化等の 一因。
    ・水資源の開発から排水までの各段階での水1m3当たりの二酸化炭素発生量(kgC/m3)を試算。
    ○開発段階
    ○供給段階
    ○利用段階
    ○排水段階
     ダム(0.02:合計発生量、0.006:直接的発生量)、地下水(0.02〜0.06)、海水淡水化(0.52:4万m3/ 日規模)
    上水道(0.05)、工業用水道(0.02)、農業用水(0.003)
     雑用水利用(0.10、0.23〜0.80)、工業用水回収利用(0.02、0.08〜0.15)
    下水道(0.05)      (注)それぞれ計算方法等前提が異なっているため単純には比較できない。
    ・上水道事業及び下水道事業を合わせた電力使用量は、我が国の総電力使用量の約1.5%。
    ・水資源の開発(ダム等)、水道や下水道の整備等の間接的な消費を含めると、化石燃料消費量の約2.8%を消費。
    ・今後も引き続き、各手法による開発や利用等の過程で、省エネルギー等への取組が必要。
    ・国民一人一人が「水の使用はエネルギー消費につながっている」という認識を深め、この観点からも節水していくこと が必要であり、排水段階でも排水の水質に配慮した水使用が必要。
    ・エネルギー供給側からも、水力発電等水資源のエネルギー源としての利用の推進が必要。
    ・酸性雨については、今後の動向に注目し、影響に対し的確な対応が必要。地球温暖化については、水資源(小雨の頻度 等)や水需要に対する影響に関する知見の充実が必要。
  5. 平成10 年版 二編の ポイント

  6. <最近の水資源の需給動向等(第?編)>
    ?平成9年の気象状況及び渇水の状況
    ・一部地域で、年降水量が平年の80%以下となり、取水制限等が実施。
     (平成9年の年降水量の平均は1,602mmで平年並(過去10年間の平均は1,592mm))
    ?水使用の動向
    ・平成7年の我が国の水使用量は907億m3。
    生活用水は約172億m3、一人一日平均使用量は338リッ トル/人・日。工業用水は約148億m3。
    ?水質
    ・水質への関心の高まりから、ミネラルウォ−ターの生産が伸びる とともに、浄水器が家庭に普及
    ・河川水や湖沼水から内分泌攪乱物質(環境ホルモン)の疑いがもたれている化学物質が検出されており、今後関連情報 の収集が必要。
    ?雑用水
    ・雑用水利用については、平成8年度末時点で全国でおよそ2100施設、一日あたり約324千m3が利用。全国の生 活用水使用量の約0.8%に相当。
    ?「水資源トピックス」を枠囲いで表示
  7. 経緯
  8. ・毎年8月1日の「水の日」及びこの日を初日とする「水の週間」に併せて公表。
    ・昭和58年の第1回目以来、10年版で16回目。
    (水の日は昭和52年5月31日の閣議了解に基づき制定されたもの。



問い合わせ先:国土交通省土地・水資源局水資源部水資源計画課水資源調査室

(電話)03-5253-8390 (FAX)03-5253-1582


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