平成9年版「日本の水資源」

−その利用、開発と保全の現状−について

平成9年7月

国土庁水資源部

  1. 目的
    ・我が国の水需給や水資源開発の現況、今後の課題等について総合的に取りまとめ。
    ・広く一般に水資源の実態についてより良く理解してもらい、今後の水資源行政の基礎資料とする。

  2. 平成9年版のポイント
    <水需給の動向等>
    ・平成6年の生活用水使用実績(取水量ベース)は約171億m3(対前年比0.9%増)、一人一日平均使用量は339リットル/人・日(対前年比0.9%、3リットルの増)。
    ・工業用水は約150億m3と対前年比2.5%減少。これは、バブル崩壊に伴い工業出荷額が2年連続で減少する一方、回収率が引き続き堅調に向上していることなどが要因。
    ・平成8年の降水量1,346mmは過去100年で4番目に少ない値。水道用水では、約636万人が影響を受け、人口100万人の約22.5日分に相当する水が使用不可能になった。
    (平成6年: 降水量1,163mm、影響1,696万人、169.7日分、
     昭和59年: 降水量1,239mm、影響1,620万人、105.8日分)
    <健全な水循環の保全・回復に向けて>
    ・「水の郷百選」の活動を取り上げ、市民の参加と連携による健全な水循環の保全・回復に向けた取組について整理。
    ・国民一人一人が、歴史的な風土性、地域特性を踏まえ、流域や関連する水利用地域を一体としてとらえ、水資源に対する認識を深めることが重要。また、行政は十分な情報や場の提供などの支援を行うことが必要。
    <水質>
    ・クリプトスポリジウムなどの問題が起きており、水道水源の水質保全、水質管理の強化を推進することが重要。
    ・人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準として、公共用水域と同じ23項目で地下水の水質汚濁に係る環境基準を設定。
    <地下水の保全と適正な利用>
    ・平成7年度の全国の地盤沈下状況は、年間1cm以上沈下した地域は19地域あり、 このうち年間2cm以上沈下した地域は10地域21km2と、過去10年では最小の数値。

  3. 経緯
    ・毎年8月1日の「水の日」及びこの日を初日とする「水の週間」に併せて公表。
    ・昭和58年の第1回目以来、9年版で15回目。
    (水の日は昭和52年5月31日の閣議了解に基づき制定されたもの。)

    主なポイント


問合せ先:国土交通省水資源部水資源調査室 
(電話)03-5253-8390(FAX)03-5253-1582

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