我が国においては、温暖多湿な気候の中で「豊葦原の瑞穂の国」と言われれるほど豊かな水があり、水田や森林が維持され、日常生活のなかで水を上手に利・活用する中から地域固有の水文化が形成されてきた。さらに、水を活用した産業や特産品の開発、生活基盤としてのアメニティの増進などの人と水とのかかわり方が地域文化の形成や地域アイデンティティの確立、産業の発展に大きく関与してきた。
しかしながら、近年、工業化や都市化が進展し、利便性が追求されるようになった結果、身近な水が失われ、日常生活における水のありがたさや関心が薄れ、地域固有の水文化が衰退してきている。また、土地の利用、水の利活用形態が多様化する中、安全でうるおいのある社会の形成をはかるため、水環境の保全等をはかることが大きな問題となってきている。
そこで、地域固有の水をめぐる歴史文化や優れた水環境の保全に努め、水を活かした町づくりや村づくりに優れた成果をあげている地域を「水の郷」として認定し、水環境の保全等について広く国民にPRするとともに、水を守り水を活かした地域づくりに資するものとする。