萩市は松本川(阿武川)と橋本川に挟まれた三角州を中心に発展してきました。
そのため水とのかかわりは深く、江戸時代には三角州内に大きな水路を築き、農業用水,物資の運搬,衣類の洗濯,野菜の洗浄,風呂水などに利用され、大水の際には水避けにもなっていました。
当時はシジミや鮎、鰻などもとれ、ホタルが飛び交う人々の憩いの場となっていました。
現在、萩市では特に藍場川の環境保全について行政と住民が一体となった積極的な取り組みを行っています。
藍場川は、萩市の市街地を流れる延長約2.6qの運河です。
萩市ではこの運河及び周辺を「萩市歴史的景観保存地区」に指定し、官民一体となって組織された「あい場川を愛する会」により、藍場川全域の一斉清掃や、ゴミの不法投棄防止のための巡視、流域の空きカン、空きビンの回収及びスクリーン(ごみ受け及び鯉の流出防止柵)にたまるゴミ除去を随時行い、年1回鯉の放流も行っています。
また、歴史的たたずまいを活かし、その風景を変えることなく新たな魅力を付加する目的で、市民と一体となって藍場川修景事業に着手しており、花木の植栽、花壇の設置、陶器を利用したフラワーポットの設置など緑化を図るとともに、コンクリート橋から自然石を利用した橋への架け替えも進めています。
そして、日常生活とのかかわりをもつ、この川の良さを一層活かすために川中に木製の置台を設置し、水とのふれあいの場を設け、武家屋敷等に残されているハトバ(江戸時代に家の内部から川舟を着けて荷物の積み降ろしや洗い物、水汲みに利用した場所)の改修も行っています。
また、板材や、丸太等の木材を使用した、自然にやさしく、周囲の景観を考慮した浄化施設を設置しています。
これらの活動は、市民の環境美化に対する意識の高揚を促し、明るく住みよい郷土づくりに貢献しています。
また、平成16年7月より橋本川、松本川、日本海に囲まれた水の都・萩市のもつ豊富な歴史遺産や自然を川から眺める「萩八景遊覧船」を、毎年3月から11月に運航し萩を訪れる方からも好評となっています。