十和村(現四万十町の一部)は「日本最後の清流四万十川」のほぼ中間部に位置し、面積165ku、人口4,146人、林野率91%の純山
村です。
四万十川の流れは、激流、淵、瀞など変化が多く、十和村内には、縄文早期から後期にかけての遺跡が何箇所か発見され、狩猟や漁猟などによる生活の歴史がみ
うけられます。
江戸時代には伐木の筏流しが行われており、それ以降も木炭等の輸送にはセンビや高瀬舟などの川船も使われていました。
また、その頃から貴重な食料として、家庭の収入源として、鮎を中心とした漁業も盛んになっています。
夏から秋にかけては、地元の人の火振り漁や友がけが行われ、全国各地から多くの釣り人がやってきます。
春には約1箇月間全国各地から四万十川に夢をのせて送られてきたこいのぼりが元気よく泳ぐ「こいのぼりの川渡し」が行われ大勢の人が訪れるとともに、夏に
なると四万十川の川原を舞台に、四万十川まつりが行われます。
それは、川に水車が回り、提灯やステージのイルミネーション、そして花火が四万十川に揺れ、やがてすべての火が消える中静かに灯篭流しが始まり、水と光り
の祭りはフィナーレを迎えます。四万十川ブームの中、村内には自然を求めて全国から多くの人が訪れてきます。
こうした四万十川の清流も少しずつ家庭排水などの影響で汚れてきていることから、家庭排水を四万十川の水に近い処理水として放流できる四万十川浄化システ
ムを開発し、現在村内の8箇所に設置するとともに観光トイレでも処理水を再利用する循環方式を取り入れるなど、水質浄化に積極的に取り組んでいます。
このように、四万十川の自然は流域だけのものではなく、日本のふるさとの川として積極的な取り組みをしています。