寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会設立について

昨年12月4日に都市再生本部により決定された都市再生プロジェクト(第3次決定)を踏まえ、寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会を設立し、第1回検討委員会を下記により開催しました。

 ■日 時 平成14年3月11日(月)16:00〜18:00

 ■場 所KKRホテル大阪星華の間(2F)

会議は委員全員の合意により公開としました。

本件に関する参考資料、及び検討委員会の議事次第、議事要旨は以下のとおりです。なお配布資料が必要な場合は下記問合わ  せ先までご連絡ください。

寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会の設置について

第1回寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会議事次第

第1回寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会議事要旨 

問合せ先

国土交通省土地・水資源局水資源部水資源計画課

              課長補佐 新井田(にいだ)

TEL (代)03-5253-8111 (直通)03-5253-8390

寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会の設置について

1.設置目的

都市再生プロジェクト(3次決定)「大都市圏における都市環境インフラの再生」を受け、寝屋川流域を対象に、河川及び下水道を中心に排水系統の再編や水質の改善等に着目した水循環系再生構想を策定することを目的とする。

2.検討内容等

寝屋川流域においては、既に寝屋川流域の水循環系再生に関する検討が実施されていることから、これをベースとしつつ、短期・中期・長期それぞれにおいて推進すべき施策の選定を含めた水循環系再生構想を策定する。具体的検討項目として以下の項目を想定。

・水循環系の課題及び背景となっている要因の分析

・水循環系再生にあたっての目標検討

・目標達成のための施策の検討

・施策の優先度、実施主体、費用負担、実施スケジュール等の検討

・施策の効果分析

3.検討委員会の構成

検討委員会は別紙に掲げる委員をもって構成する。

4.検討委員会の公開

検討委員会の公開は、委員の同意をもって行う。

5.事務局

事務局は「健全な水循環系構築に関する関係省庁連絡会議」の構成省庁をもって構成し、事務局の運営は国土交通省土地・水資源局水資源部が担当する。

6.検討期間

平成14年度内を目途に構想を策定する。

別 紙

寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会名簿

(学識経験者委員)五十音順

井野瀬久美恵甲南大学文学部教授

荻野芳彦大阪府立大学農学部教授

澤井健二摂南大学工学部教授

津野京都大学環境質制御研究センター教授

増田大阪府立大学農学部教授

◎ 村岡浩爾大阪産業大学人間環境学部教授

森下郁子社団法人 淡水生物研究所理事長

(行政委員)

小林正典国土交通省土地・水資源局水資源部水資源計画課長

小嶌清伍大阪府土木部河川室長

中本正明大阪府土木部副理事兼下水道課長

藤井隆靖大阪府環境農林水産部農政室長

島瀬善彦大阪府環境農林水産部緑整備室長

岩崎佐太郎大阪府環境農林水産部環境指導室長

◎:委員長

回 寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会

日時:平成1411日(月) 16001800

場所:KKRホテル大阪 2F星華の間

議 事 次 第

1.開  会

2.主催者挨拶

3.委員紹介

4.委員長挨拶

5.寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会の設置について

6.会議の公開について

7.議  題

@都市部での水循環系の現状と課題について

A寝屋川流域の現況について

B寝屋川流域の水循環系の課題について

8.そ の 他

9.閉  会

(配布資料)

資料-1 寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会の設置について

資料-2 健全な水循環系の構築に向けて

資料-3 寝屋川流域の現況について

資料-4 寝屋川流域水循環の課題について

資料-5検討スケジュール

参考資料-1都市再生プロジェクト(第3次決定)

参考資料-2淀川水系寝屋川ブロック河川整備計画(案)

参考資料-3河川整備計画基本方針及び河川整備計画策定の進め方(大阪府案)

 

第1回 寝屋川流域水循環系再生構想検討委員会

議事要旨

 
開催日時 平成14311日(月) 16:0518:00

KKRホテル大阪・星華の間

出席村岡委員長、荻野委員、澤井委員、増田委員、森下委員、

他関係省庁及び近畿地方整備局、近畿地方農政局、大阪府(詳細別紙)

        (欠席:井野瀬委員、津野委員)

都市部水循環の現状と課題、寝屋川流域の水循環の現状と課題

 

■委員長の冒頭挨拶

個別に検討・実施されてきた治水、利水、環境を貫いて水の総合施策を検討することになり、専門の先生方のお知恵をお借りして進めて参りたいと思います。

■討議要旨

1)委員会設置、会議の公開について

会議の公開について、事務局の提案をお願いします。(委員長)

→大変重要な問題でもあり、国の重点として実施しているプロジェクトであり、会議の傍聴の公開をお願いします。また、委員会の資料の公開、議事要旨の公開(委員の了解の上)もお願いします。(事務局)

→委員より「結構です。」との声有り。

2)都市部での水循環系の現状と課題について

都市部の定義はどうなっていますか。(委員長)

→特に定義は決めていませんが、都市部では人為的な水循環の要素が支配的であるとの認識でモデル流域を選定しています。(事務局)

実際の推進に必要となる住民をはじめとする各主体の位置付け、今回の検討の目標、施策の優先順位等の検討は行政主体のように見えますが、事業主や住民との関連はどう整理しているのでしょうか。(委員)

→やや行政主体の視点の検討にはなっておりますが、当面実施すべき行政の課題と施策をまずは導き出すという視点で整理を行い、最終的には住民も含めた共同作業としての施策の推進というものが必要と認識しております。(事務局)

3)寝屋川流域の現況と課題について

@治水について

総合治水について、治水施設と流域対応施設の定義・使い分けを教えてください。(資料-B-1 P32(委員)

→流域対応施設は、流域の土地利用を変える時に、流域の民間事業者(住民)が設置する治水のための調整池や市町や住宅部局が住宅の棟間や学校の校庭などに設置する貯留施設です。河川部局や下水道部局がつくる施設は治水施設です。(事務局)

寝屋川流域の治水計画は、基準地点(京橋口地点)における流域基本高水流量2700m3/sのうち、河川と下水道によって基本高水流量2400 m3/sまでを処理し、残りの300 m3/sを流域対応施設によって処理することとなっており、300 m3/sのなかに森林・緑地の保全を行って保水能力を確保することとなっているが、森林・緑地の保全の効果は定量化できているのでしょうか。(委員長)

→概念はあるが、定量化が難しいので整理できていません。事務局

→保水機能の定量化評価ができていないことはまずい。今後の課題である。(委員)

A地下水及び地下水の農業利用についてのデータについて

寝屋川流域において水循環に占める地下水の役割や、地下水の農業用水利用に関する資料はありますか。(委員長)

→地下水位については観測されていますが、評価まではできていない。(事務局)

→地下水の農業用水利用について、状況把握データはあります。(事務局)

→地下水の採取量については、市町村毎の採取量等把握している。また、寝屋川流域では、用途としては小規模農業用の利用が多い。(大阪府行政委員)

B寝屋川の水質にいて

寝屋川の水質の改善について、下水処理場の放流水の水質状況(BOD)はどうなっていますか。(委員)

→2次処理水を放流しており、1015ppm程度となっている。大阪府行政委員

発生源負荷はどのようになっていますか。(委員長)

→寝屋川では、関係工場の排水規制の強化を行ってきたので、昔に比較して水質は良くなっています。データは後ほどお届けいたします。(大阪府行政委員)

生活排水対策の重点地域に東大阪、八尾、柏原の3地域が選ばれているが、その選定理由と、他地域の対策内容との違いは。(委員)

→本地域の生活廃水対策は基本的には下水道整備であり、下水道計画区域以外の地域については合併処理浄化槽の設置を促進するために、市の申請を受けて重点地域の指定を行い、設置のための補助を行った。現在は法律が改正され、浄化槽はすべて合併処理浄化槽の設置が義務付けられている。(大阪府行政委員)

C農業用水路について

都市化が進み、農業用水路の用途そのものの価値・評価が変わってきたと思う。これからどういう風に考えていくのでしょうか。(委員長)

→長瀬川の取り組みに示したように。住民の啓発を行いながら、協働で施設の管理を進めていくということを考えています。地域用水として活用を考えていきたい。(事務局)

農業用水は土地改良区という管理組織があり、法河川の管理とは異なる管理形態である。維持管理するための賦課金問題がある。長瀬川を利用して下水の一部を流しているので、関係市の下水道部部局から管理費の一部を負担している。下水道が整備されるとこの負担金が納められなくなることから、土地改良区で維持管理を行うには財政的に厳しい状況になってくる。そこで、土地改良区だけでなく長瀬川を利用する全ての団体等から管理をお願いするということはできないか。管理責任の問題もあり難しい点もあるかと思われるが。(委員)

特に無し。(事務局)

今まで利水は点の視点、治水は線の視点で行ってきたが、環境となると面の視点から考えなくてはいけない。これまでの計画のように点や線から脱却して流域での農水の位置付けを環境という新たな切り口で整理した上で将来の計画・予測が必要でしょう。流域の保全は健全な水循環が目標であることはいうまでもないことで、農業用水路を水循環の中で取り込んで、どのように生かしていくのかがポイントである。公共の水域として位置付け将来の自然環境の資源にする足がかりになればいいなと考えています。(委員)

D健全な水循環の定義について

健全な水循環の定義。治水は非日常時の安全性の確保も議論するのか。日常の水量・水質とは、問題の構造が別ものである。災害時と日常時は一体として議論していけるのか。どう混ぜながら、どう分離しながら議論するのか。(委員)

→両方扱いたいと考えています。本日の資料は年平均の整理になっていますが、日単位での整理できるモデルもあるので、それらを活用して検討していきたい。(事務局)

農業用水は河川から取水して農地・水田に至るまでの一連のシステムとしてとらえられます。また、農地・水田に降った雨が排水路に出て、排水路はまた下流で用水路と合わさって用水として利用されます。この全体の仕組みが農業用水で農地・水田も含めて循環系をなしている。(委員)

E森林や農地等の土地利用について

森林や農地等、今後の土地利用をどう考えるのか。流出係数や浸透能力がどれくらい変わるのか、学問データはあるが、現場にあわせてどこまで議論していくのか。(委員)

→モデル化が難しい状況で定量化はどこまでできるかはありますが、良い方向に働いているのか、悪い方向に働いているのか評価できるようにしたい。(事務局)

F委員会の役割

大阪府として、この委員会をどう捕らえていますか。(委員長)

→今までの河川計画は、どうしても河川から見た計画となってしまっており、このような中、総合的な水循環系の検討の必要性を感じている。我々が今寝屋川の総合治水で考えている対策メニューが、水循環の中でどのような役割を果たしているのか、この委員会で議論できれば良いと考えている。大阪府行政委員

→治水は河川の中で検討されてきたが、土地利用問題、流域全体の問題として考えようということで総合治水に取り組んできたが、法的な限界も見えてきた。その限界を超えるために、水循環という切り口があると考えています。また、現場現場の知恵で乗り越えていくということが大事と考えています。国土交通省行政委員

→限界を超えることは大変難しいと認識していますが、委員の皆様の貴重な意見、お知恵を頂き、検討が進められたらと思います。(委員長)

4)その他・今後の予定について

寝屋川の河川整備計画の検討は治水中心で環境施策メニューが乏しい。また地域住民の要望に答えることも大事である。そのような視点で今回の議論が行われればと期待しています。委員

→環境施策メニューについては、河川整備計画では今後の検討課題であると整理されました。本委員会での構想策定を受けて、課題解決に取り組んでゆきたい。そのためにも、今後さらに地域住民の声を反映できるような仕組み作りを考えていきたい。事務局

今後のスケジュールについて、次回は5月下旬を目途に課題の再整理と目標設定を行いたいと考えています。緊急的施策メニューの抽出を行い、H15年度の予算要求に反映していきたいと考えています。(事務局)

 


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