3.土地の特性に応じた有効活用

方策 土地の特性に応じた事業手法の選定

 自力で有効活用をするには資金的な余裕がなかったり、借金をすることが不安なために、青空駐車場のまま放置したり、土地を切り売りしたりするケースが多く見受けられます。
 特性に応じた事業手法を選定することにより、資金的な負担や事業のリスクを減らした安全で安定的な収入が得られる有効活用が可能です。これらの手法は民間では不動産会社や建設会社等、公的機関では都市基盤整備公団等がパートナーとなって進められます。
 また、土地を手放さずに、将来的には自己使用したい場合には定期借地権や定期借家権等の制度の活用も考えられます。


ケーススタディ:「定期借地方式による検討」(E市)


 等価交換事業を適用する場合には、土地の高度利用を図り多くの床を処分することが必要となりますが、ケーススタディでは道路などの都市基盤が未整備なために高度利用が図りにくく、また商業等の立地需要を勘案して、周辺環境に配慮した低層店舗と中層住宅による有効利用を計画しました。あわせて道路整備と地区計画による壁面後退を実施するものとしました。
 事業手法はリスクの低い定期借地権制度を活用しています。低層店舗は簡易な構造のものとして、事業用借地(20年)とし、中層住宅は一般的借地付(50年)の分譲マンションとしました。定期借地方式にすれば土地の権利を手放さず、一定期間安定した不動産収入が得られるため、土地所有者に受入やすい手法であるとともに、低廉な分譲住宅の供給が図れます。また、無理に高層化等をする必要がないために、周辺地区との調和も図りやすい計画が可能となります。