2.周辺環境に応じたまちづくり |
ライフスタイルの変化に対応できない住工混在、密集地域において、街の将来像に対して、土地利用に不安や混乱が起きています。これらは、都市化に伴いライフスタイルや産業構造が変化し、必要とされる都市機能に対応できなくなったことが原因と考えられます。
こういった状況においては、住宅と工場の共存・共栄に向けたまちづくりを目標として設定するなど、環境に配慮したまちづくりが重要となります。
また、まちづくりの手がかりがない場合には、環境にやさしいまちづくりをスローガンとした新しい都市基盤整備や都市機能システムを取り入れた低・未利用地の有効活用も新・都市環境創造型のまちづくりとして期待されます。
方策1 環境共生型のまちづくり |
例えば、住宅や町工場などが混在や密集した地域では、居住環境と労働環境が悪化しているにもかかわらず、まちの将来像が見えないために、生活に不安や混乱が起きていることが考えられます。
そのためには、相反する住宅と工場が共存・共栄できるような職住近接の考え方や環境に配慮した住まいの目標を設定するなどの周辺環境を核としたまちづくりを進めることが原動力となります。
ここで、重要な視点は、徐々に力をつけながらできるところからまちづくりを進めることです。そのひとつを成功事例のきっかけとし、連鎖的な開発や事業展開に誘導することが期待されます。
そのような段階的、かつ連鎖的にまちづくりを徐々に進めるために、実践的な取り組みが必要になります。そして、住む人たちの長期的なビジョンを繰り返し話し合う場をもつことが必要でしょう。
事例紹介「環境共生型のまちづくり」(東京都小金井市 ルミナス武蔵小金井) |
所在地:東京都小金井市 | |
【施設概要】
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【立地条件】
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外観写真 |
方策2 人にやさしいまちづくり |
障害をもつ人やお年寄りが自由に生活することを妨げる様々な障害を除去する「バリアフリー」の考え方がまちづくりのなかで浸透してきています。また、最近では「バリアフリー」を進めた、あるいは包括していると言われている「ユニバーサルデザイン」という言葉がよく使われます。「バリアフリー」は特定の人のためという意識が強かったのですが、「ユニバーサルデザイン」とは、万人向けに年齢や性別、障害のあるなしにかかわらず、最初からバリアのない、誰にとっても快適な環境をつくろうとする考え方です。ともに「人にやさしく、誰もが快適で安心な生活をつくろうとする考え方」に基づいて人にやさしいまちづくりを進めることは、社会福祉の側面だけでなく、次世代のまちづくりの環境そのものを作り上げる重要な視点となります。
事例紹介:密集市街地における共同建替え(大阪府門真市北部地区) |
▼車椅子使用者やベビーカーもスムーズに乗降できるようにノンステップバス(横浜市営バス) ▼人にやさしい倉敷チボリ公園―園内は段差を少なくしてあります 出典:'99年版 バリアフリーガイドブック(日本経済新聞社) |
(参考)次世代の都市に求められる機能の導入
○バリアフリーやユニバーサルデザインの導入 都市システムの活用(次世代都市整備技術組合※より) ※次世代都市整備技術組合:鉱工業技術研究組合法に基づいて設立された非営利非出資の法人 |