1.地区の現況
- 交通:仙台と約3時間30分、盛岡と約2時間、東京と約4時間。
- 人口・世帯:秋田市全体の人口は微増、世帯数は増加。調査地区の人口は微増。
- 産業構造:調査地区を含む中央地区の商店数は2,555店で、市全体の50.2%を占め、最多。しかし、平成6?9年の商店数の減少率が8.2%で最大。
- 土地利用:業務・専用店舗施設が最多。大規模な宿泊施設も立地。鉄筋鉄骨コンクリート造もしくは鉄筋コンクリート造で15年以上の建物。
- 市街化動向:基盤整備済みで、今後5年以内に日赤・婦人会館跡地等地区市街地再開発事業や秋田中央道路等、多数の事業計画有り。
- 法規制状況:容積率600%、建蔽率80%の商業地域及び防火地域。
- 地域資源:千秋公園のお堀が隣接。アトリオンや県立美術館等の公共施設が立地。
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■当該まちづくり計画図
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2.上位・関連計画における地区の位置づけ
- 中央地区:都市求心性を高めながら、居住環境の向上を図る(総合計画)。
- 旧産業会館跡地周辺地区:中央街区の西端、「結」の位置としてバスターミナル、業務、商業、広場、駐車場等の整備を図る(秋田市中心市街地活性化基本計画)。
- 保健所周辺地区:更新へ向けて誘導を図るべき街区として位置付けられる(秋田市市街地総合再生基本計画)。導入機能は現在検討中。
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3.対象地区の課題
前述の通り、調査地区周辺には多くのプロジェクトが位置付けられているが、不動産ヒアリングによれば各種土地需要のポテンシャルは低い。したがって、周辺の開発動向を適切に把握し、調査地区の役割分担を明確にし、土地の有効活用を検討する必要がある。旧産業会館跡地周辺地区については、前述の通り、交通ターミナルとしての役割が望まれ、保健所周辺地区については、周辺の多くの民間プロジェクトを支援し、そして南北軸と東西軸の交差部に位置することから、広場等を設け、人々が滞留する場所としての役割が望まれる。 |
4.対象地区の既存調査手法における問題点と課題
- 採算性を考慮した再開発を行うと、他のプロジェクトと競合することとなり、通常の再開発調査では問題がある。
- 公共の施設の整備に特化すると他プロジェクトを支援することは可能であるが市等、公的機関の財政を圧迫する等の問題がある。
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5.提案者とのこれまでの協議内容と提案者の意向
両地区について
- 現在、日赤跡地等の再開発が具体化しつつあり、提案地区は前記再開発の進捗状況を見極めながら、整備内容をつめることとなる。
旧産業会館跡地周辺地区
- 中央街区には多くの開発プロジェクトが計画されており、提案者である市としては、中央街区の西端部に位置する本街区にはバスターミナル、医療、福祉施設等公的施設等の都市機能を導入し、周囲のプロジェクトと一体的に整備を進め、都心部の都市機能の一体的更新を検討している。市の財政等を考慮し、平面利用のバスターミナルを設け、周辺プロジェクトの支援を目指す等の意向がある。また、シンボリックな空間としての整備意向がある。
保健所周辺地区
- 平成10年7月に「再開発を考える会」が発足し、個性的な商業施設などの整備等の検討が始まった段階であり、保健所跡地は、周辺整備の種地としての活用、周辺は個性的な商業施設等の整備意向がある。
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6.低・未利用地有効活用の方針
(1)土地利用転換計画の目標と導入機能のメニュー
○旧産業会館跡地周辺地区
(土地利用転換計画の目標)
バスターミナルを中心とした中心市街地の西の核づくり
(導入機能のメニュー)
バスターミナル、広場、秋田さんび館、医療サービス施設、福祉サービス施設
○保健所周辺地区
(土地利用転換計画の目標)
東西軸と南北軸の交差部の核づくり
(導入機能のメニュー)
交流広場(保健所跡地)と商業施設
(2)有効活用の方針
両地区の公有地活用により、中央街区の西及び中央の集客拠点を形成し、都心部の賑わい創出と周辺街区のまちづくりの推進に貢献するものとする。
○旧産業会館跡地周辺地区
公有地だけでは必須条件であるバスターミナルの導入が困難であることから、隣接する民有地と一体的な敷地として、西の核づくりに資する土地利用を図る。
○保健所周辺地区
保健所跡地は、街区内の再開発的整備を推進するための種地、交流広場として有効活用を図る。周辺は、個性的な商業施設等の立地誘導を図る。 |
○旧産業会館跡地周辺地区
(A案:平面バスターミナル案)
必要最低限の導入機能であるバスターミナルの平面整備と小規模な秋田さんび館や市・県の総合窓口等の整備にとどめた財政負担を押さえた案。
(B案:バスターミナル+公益施設案)
平面バスターミナルの上に必要性、優先性の高い公益施設のみを建設する案であり、財政力の範囲で導入施設を絞り込む案。
(C案:バスターミナル+官民複合施設案)
パターンBと同様に、バスターミナルの上に公益施設を配置し、さらにその上に民間施設として住宅(住宅需要のみあるため)を合築し、容積率を上限まで使った案。
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7.土地利用転換計画
○調査地区全体
- 商業・サービス、業務及び文化等の機能が充実した本市の顔となる活気と賑わいのある都心空間の形成
- 都心部への交通アクセス機能の向上
- 都心居住を促進する住宅供給及び生活環境の整備
- 都心部の回遊性を高める快適な歩行者空間の整備・充実
- 都市を代表するアメニティ空間の充実
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■土地利用転換計画図(A案)
○パターンA・1案:平面バスターミナル案(アイランド型)
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○パターンA−2案:平面バスターミナル案(バース型)
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○3階平面図
○4〜8階平面図
○地下1階平面図
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○パターンA−3案:平面バスターミナル案(バース型)
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■土地利用転換計画図(B案)
○1階平面図
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■土地利用転換計画図(C案)
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○2階平面図
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○住居部分基準階

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○保健所周辺地区
(A案:再開発種地?広場利用案)
当面は既存施設を活用した福祉施設として活用するが、その後は地元意向を踏まえた活用形態となる。保健所跡地は、当面、隣接民有地において共同化事業等を行う際の種地として有効に活用し、最終的には交流広場として整備する。周辺は権利者意向により段階的な整備(例えば個性的な商業施設等)を誘導する。
(B案:面整備案)
街区全体で、面整備(区画整理等)を行うことにより、共同化事業等(例えば、個性的な商業施設等)の誘発、促進を図る。基盤整備は、公共事業として実施し、建物整備は、社会条件等を勘案し、地権者の個別事業として実現する。
(C案:パティオ事業案)
商店街パティオ事業により、公的機関所有地を広場、通路用地として活用し、周囲の地権者による商業施設の整備を図る(一部既存業務機能等は個別更新)。 |
■段階的な整備イメージ図(A案の場合)

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■土地利用転換計画図(A案)
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■土地利用転換計画図(B案)
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■土地利用転換計画図(C案)
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