1.液状化発生のメカニズム
(下図a)地盤内の密実でない砂質土は、砂粒子間の押し合う力によって安定を保っている。
(下図b)地震による連続した振動は砂粒子を密実化させる方向に働くが、砂粒子の間隙に存在する水(間隙水)
の流出(地下水位の上昇)は短時間には進まないため、間隙水の圧力(間隙水圧)は一時的に上昇する。
そして遂に噛み合わせが完全に外れて水に浮いたようになり、(液状化した瞬間)、強度を失って建築物
等に影響を及ぼす。
(下図c)砂粒の沈降速度が一定とすれば、沈降距離の短い下部から順次沈降が完了して安定な状態になり、
上部ほど沈降距離が長いため、水に浮いたような(液状化した)状態は長く続く。
(下図d)時間の経過によって、砂粒子が密実化することで体積が減少して地表面が沈下する。また、間隙水の排出
も進むが、その一部が地表面に吹き出すこともある。
出典:吉見吉昭:『砂地盤の液状化(第二版)』技報堂出版、1991、p.8
2.液状化による被害の例(東日本大震災)
![液状化被害[1]](/common/000989452.png)
道路・宅地の被害[1]
(写真:民間コンサルタント会社より提供) |
![液状化被害[2]](/common/000989453.JPG)
道路・宅地の被害[2]
(写真:東京電機大学安田教授より提供) |
![液状化被害[3]](/common/000989454.png)
埋設配管の浮き上がり[1]
(写真:国土交通省関東地方整備局) |
![液状化被害[4]](/common/000989456.png)
埋設配管の浮き上がり[2]
(写真:国土交通省関東地方整備局) |
3.液状化に関するデータ等(各データへのリンクは
こちら)
(1)ボーリングデータ
掘削機等を用いて地盤の強度や地質を調査する、ボーリング調査によって得られるデータです。一般には、ボーリング柱状図によって示されます。
ボーリングデータの例(東京の地盤(Web版)より)
(2)液状化マップ
液状化のリスク等を分類して地図上に示したもので、主に地方公共団体によって作成・公表されています。液状化マップを作成する地方公共団体により、分類の仕方や地図上への示し方が異なります。
液状化マップの例(千葉県液状化しやすさマップより)
(3)被災履歴図
過去に液状化被害があった地点を地図上に示したものです。大都市部を中心に調査・作成され、随時公開されています。
被災履歴図の例(土地分類基本調査図(土地履歴調査)/災害履歴図(地震災害)/東京東北部(部分))
(4)地盤特性図
土地の地形区分(埋立地、旧河道など)を地図上に示したものです。大都市部を中心に調査・作成され、随時公開されています。
地盤特性図の例(土地分類基本調査図(土地履歴調査)/地形分類図/東京東北部(部分))
4.液状化に関する調査・研究等
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東北地方太平洋沖地震による関東地方の地盤液状化現象の実態調査結果について(国土交通省関東地方整備局)
・
浦安市における液状化ならびに対策技術の調査・検討に関する報告(地盤工学会)
・
液状化対策技術検討会議(国土交通省大臣官房技術調査課)