土地・不動産・建設業：東日本大震災の被災地における地価の状況

東日本大震災の被災地における地価の状況

〈被災三県における調査結果の状況〉

表1

岩手県及び宮城県の津波による被害が甚大であった地域においては、前回地価が10％以上下落する地点も見られたが、今回は都市機能の回復等から一桁台の下落率にとどまり、浸水を免れた高台の地区や、被害が軽微だった地区等では、被災住民の移転需要から上昇・横ばい地点が見られ、結果として住宅地、商業地全体で上昇となった市町村が見受けられる。
なお、岩手県陸前高田市の地点（陸前高田-2）は、高台に位置することから移転需要が生じ、今回住宅地で全国1位の上昇率を示し、また、宮城県石巻市では前回に引き続き上昇した地点（石巻-13）が見られる。
仙台市では移転需要や復興事業に伴う需要による地価の上昇・横ばい地点が現れ、住宅地全体で上昇している。

〈平均変動率が上昇となった市町村〉

【住宅地】

【商業地】

表2

表3

陸前高田-2［住宅地］の地価は、14.6％上昇（前年▲16.0%）したが基準地が設定された昭和58年は18,000円／㎡で、以降震災前の最低価格は平成22年の16,300円／㎡であるが、震災前の価格水準までは回復していない。

表4

石巻-13［住宅地］の地価は、13.9%（前年0.2%）と2年連続で上昇したが、基準地が設定された平成10年は72,500円／㎡で以降下落を続けており、今回ほぼ平成19年と同水準になった。

問合せ先：国土交通省土地・建設産業局地価調査課地価公示室
（電話）03-5253-8111（代表）　（内線30-353）