土地・不動産・建設業

エリアマネジメントのすすめ

エリアマネジメントとは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取り組みのことをいいます。

「良好な環境や地域の価値の維持・向上」には、快適で魅力に富む環境の創出や美しい街並みの形成、資産価値の保全・増進等に加えて、人をひきつけるブランド力の形成、安全・安心な地域づくり、良好なコミュニティの形成、地域の伝統・文化の継承など、ソフトな領域のものも含まれます。

例えば、戸建て住宅地において、快適で魅力的な環境の創出、美しい街並みの形成、安全、安心な地域づくりなど、多彩なエリアマネジメント活動が展開されることにより、総体的な地域環境の質が高まることが期待できます。

エリアマネジメントの背景

環境や安全・安心への関心

環境や安全・安心等への関心が高まってきています。住民などによるNPOの設立や、ボランティア活動への興味・関心の高まりなど、自分達の力で地域を変えていこうとする気運が高まりつつあります。

維持管理・運営の必要性

人口減少社会において、新しい開発が抑制される中、つくったものをいかに活用するかという視点が重要となります。既存ストックの有効活用、開発したものの維持管理・運営(マネジメント)の必要性が高まっています。

地域間競争の進行に伴う地域の魅力づくりの必要性

活力に富む地域を持続させていくための地域の魅力づくりの重要性が地権者や行政等に認識されつつあります。また、地域全体の魅力が高まることによって、地域の資産価値の維持・向上という相乗効果が期待されるようになってきました。

エリアマネジメントの特徴

特徴1. 「つくること」だけではなく「育てること」

これからは、開発(「つくること」)だけではなく、その後の維持管理・運営(マネジメント)の方法、つまり「育てること」までを考えた開発を行うこと、また、既成市街地等においても維持管理・運営を行い、地域を「育てること」が必要とされています。

特徴2. 行政主導ではなく、住民・事業主・地権者等が主体的に進めること

成熟した都市型社会の地域づくりにおいては、「個性豊かな地域」や「住民・事業主・地権者等に身近な地域」を実現することが重要です。また、地域の問題が多様化し、その解決方法も様々になりつつあることから、行政主導ではなく住民・事業主・地権者などの地域の担い手の主体的取り組みが重要となっています。

特徴3.多くの住民・事業主・地権者等が関わりあいながら進めること

エリアマネジメントは、地域が一体となって、地域に関する様々な活動を総合的に進めるものです。 そのために、「地域の総意を得る」、「活動メンバーとして主体的に参画する」、「活動に対して費用負担をする」等、様々な関わり方が求められています。さらに、エリアマネジメントは住民・事業主・地権者等の他に、必要に応じて行政や専門家・他組織などと関わりあいながら進めることも特徴です。

エリアマネジメントの成果

成果1. 快適な地域環境の形成とその持続性の確保

住民・事業主・地権者のみならず、就業者・来街者にとっても快適で質の高い環境の形成が図られ、そしてその環境を維持する仕組みが整いつつあります。建築物や道路・公園等の公共施設の整備とあわせて、その場所にふさわしい活動がなされるような継続的な仕組みを整えることで、真に生き生きとした環境が形成されています。

成果2. 地域活力の回復・増進

地域の活力が回復・維持、さらには増進することが期待されます。例えば、中心市街地においては、来街者が増えて活気を取り戻したり、空き店舗が減少して経済活動が活性化していくことが期待できます。居住人口や就業人口の回復、地域における空家・空地の減少やオフィスなどの空室率の改善、犯罪発生率の低下、NPOやボランティアなどの市民活動の活発化も考えられます。

成果3. 資産価値の維持・増大

エリアマネジメントの実施に伴い、土地・建物の資産価値が高まることが、期待されます。美しい街並みや安全で快適な環境が形成されることで、土地・建物の不動産価格が下落しにくくなったり、不動産の売却が比較的容易になったりする等、市場性を維持することができます。

お問い合わせ先

国土交通省土地・建設産業局企画課
電話 :03-5253-8111
ファックス :03-5253-1558

ページの先頭に戻る