一般経済の動き 一般経済の動き (平成10年2月)


 我が国経済の最近の動向をみると、輸出はアジア向けが減少していることから、このところ伸びが鈍化している。設備投資は、頭打ち傾向が顕著になっている。個人消費は、家計の経済の先行きに対する不透明感もあって、低調な動きが続いている。住宅建設は、このところおおむね横ばいで推移しているものの、依然その水準は低い。このように最終需要が停滞していることを背景に、在庫は高水準にあり、生産はこのところ減少している。雇用情勢をみると、完全失業率が既往最高となるなど厳しさが増している。また、民間金融機関において貸出態度に慎重さがみられる。 以上のように、昨年来厳しさを増した家計や企業の景況感が実体経済全般にまで影響を及ぼしており、景気は停滞し、一層厳しさを増している。
 個人消費は、家計の経済の先行きに対する不透明感もあって、低調な動きが続いて いる。  実質消費支出(全世帯)をみると、前年同月比で1月 4.0%減の後、2月は 4.5%減(前月比 0.1%減)となった。
 住宅建設は、このところおおむね横ばいで推移しているものの、依然その水準は低い。
 新設住宅着工〔総戸数(季節調整値)〕をみると、前月比で1月 1.1%増(前年同月比16.3%減)となった後、2月は 1.8%増(前年同月比13.6%減)となった。
設備投資は、全頭打ち傾向が顕著になっている。
 機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で12月は 1.7%減(前年同月比 8.9%減)の後、1月は13.8%増(同 4.7%減)となり、全体として弱含みで推移している。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、おおむね横ばいで推移しており、前月比で1月 0.0%増の後、2月は 0.1%増(前年同月比 3.8%増)となった。
 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、在庫は高水準にあり、生産・出荷は、このところ減少している。
 鉱工業生産は、前月比で1月 2.9%増の後、2月(速報)は 3.3%減となった。鉱工業出荷は、前月比で1月 3.4%増の後、2月(速報)は 3.6%減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で1月 0.1%増の後、2月(速報)は 0.5%増となった。


 雇用情勢をみると、完全失業率が既往最高となるなど厳しさが増している。
 有効求人倍率(季節調整値)は、1月0.64倍の後、2月0.61倍となった。完全失業率(季節調整値)は、1月 3.5%の後、2月 3.6%となった。
 輸出は、アジア向けが減少していることから、このところ伸びが鈍化している。
 通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で1月 3.1%増の後、2月は 3.6%減(前年同月比 2.9%増)となった。
 輸入は、おおむね横ばいで推移している。
 通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で1月 4.6%増の後、2月は12.5%減(前年同月比 6.0%減) となった。
 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。
1月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が拡大し、サービス収支の赤字幅が縮小したため、その黒字幅は拡大し、 6,026億円となった。
 消費者物価は、安定している。
 全国指数(総合)をみると、前年同月比で1月 1.8%の上昇の後、2月は 1.9%の上昇(前月比 0.1%の下落)となった。

〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕