報道・広報

国際海事機関(IMO)第108回海上安全委員会(MSC 108)の開催結果概要
~条約等の改正案の採択、自動運航船の国際ルールの検討、海洋安全保障に関する決議の採択~

令和6年5月29日

2024年5月15日から5月24日にかけ、国際海事機関(IMO)の第108回海上安全委員会(MSC 108)が開催されました。今次会合では、RORO旅客船の火災安全対策に係る条約や漁船員の訓練及び資格証明等に係る条約の改正案、液化水素運搬船の安全要件の改正案が採択されたほか、自動運航船(MASS)の国際ルールの更なる検討が行われました。また、紅海及びアデン湾における海洋安全保障に関する決議が採択されました。
 ※ 乗用車などの多数の車両を走行させて積卸しすることができるような構造を有する旅客船

1.主な条約等の改正案の採択
(1)RORO旅客船の火災安全対策 【発効予定日:2026年1月1日】
我が国も規則策定に貢献してきたRORO旅客船の火災検知やの警報表示方法、検知器の配置などの要件を強化するための海上人命安全条約(SOLAS)条約附属書の改正案が採択されました。新造船には2026年1月1日より、既存船には2028年1月1日より適用される予定です。
(2)漁船員の訓練及び資格証明等【発効予定日:2026年1月1日】
漁船の安全な運航を確保することを目的として、船長及び航海士、機関長及び機関士の資格要件等をSTCW 条約相当にする内容の改正、漁船の大きさを示す指標として、長さからトン数への読み替える規定の導入等のSTCW-F条約の改正及び新たなSTCW-Fコードが採択されました。
  ※ 日本は、STCW-F条約について未批准
(3)大型液化水素運搬船、アンモニア運搬・燃料船に係る安全要件の採択等
水素ガス断熱タンクを備えた大型液化水素運搬船の安全要件が我が国の主導により採択されました。また、アンモニア等の毒性貨物を燃料へ使用可能とするルール改正が承認され、我が国等の提案で通常の4年周期の条約改正スケジュールではなく、今次会合で承認して早期発効とすることが認められました。

2.自動運航船(MASS)の国際ルール策定に向けた検討
自動運航船の国際ルールについては、これまでの会合等で検討された内容を踏まえ、自動運航船の主要機能であり日本が起草作業を主導した航行の安全に係る要件をはじめ、具体的な議論が行われました。引き続き、非義務的MASSコードを2025年に最終化すべく、さらなる検討が行われる予定です。

3.紅海及びアデン湾における海洋安全保障に関する決議の採択
我が国を含む多くの国が、紅海及びアデン湾における安全保障上の危機に対し深い懸念を示すとともに、ホーシー派による船舶への攻撃を強く非難し、同派の攻撃を停止させるよう関係国等が影響力を行使することを求める旨を含むMSC決議が採択されました。

上記事項の詳細やその他の審議事項は別紙をご参照ください。

添付資料

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お問い合わせ先

1(1)関係  国土交通省海事局安全政策課 丸山
TEL:03-5253-8111 (内線43-562) 直通 03-5253-8631
1(2)関係  国土交通省海事局船員政策課 宅見
TEL:03-5253-8111 (内線45-103) 直通 03-5253-8651
1(3)関係  国土交通省海事局検査測度課危険物輸送対策室 川邉、本多
TEL:03-5253-8111 (内線44-177, 44-173) 直通 03-5253-8639
2関係     国土交通省海事局安全政策課 山﨑
TEL:03-5253-8111 (内線43-556) 直通 03-5253-8631
3関係     国土交通省海事局総務課国際企画調整室 中尾
TEL:03-5253-8111 (内線45-601) 直通 03-5253-8656

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