報道・広報

国際海事機関(IMO)第11回航行安全・無線通信・捜索救助小委員会(NCSR 11)開催結果概要
~水先人の乗下船装置にかかる追加安全対策がとりまとめられました~

令和6年6月19日

令和6年6月4日から13日まで、国際海事機関(IMO)の第11回航行安全・無線通信・捜索救助小委員会※1が開催されました。
今次会合では、水先人の乗下船装置にかかる追加の安全対策が取りまとめられ、また、前回会合に引き続き、VHFデータ交換システム(VDES)導入等の審議が行われました。

1.水先人の乗下船装置にかかる基準改正
 水先人の乗下船装置について、保守管理やその設置が適切に行われていなかったことに起因する転落事故が発生していることから、SOLAS(海上人命安全)条約において新たな安全対策を要求するルール改正(保守管理要件の追加、設置基準や性能基準の見直し)の検討が行われてきました。
 今次会合では、野口 英毅氏(海上保安庁)を議長とした航行安全作業部会において具体の検討が行われ、パイロットラダー等の設計・構造、収容、点検・保守等に関する包括的な改正案がとりまとめられました。今後、上部委員会である海上安全委員会(MSC)における承認(本年12月予定)・採択(来年春予定)を経て、新装置に対しては2028年1月1日より、既存装置に対しては2029年1月1日以降の最初の検査までに適用される見込みです。

2.VHFデータ交換システム(VDES)の導入
 VDESは、我が国が世界市場で高いシェアを有する「船舶自動識別装置(AIS)」の上位互換となる航海機器であり、双方向通信可能な特性を活かした航行の安全性向上が期待できます。
 今次会合では、VDESの搭載は現状搭載が義務付けられているAISとの選択制とすることを前提に性能基準案等の検討を2025年までに実施すること、作業完了のため会期間作業部会※2を日本を調整国として再設置すること、が合意されました。
 
※1 船舶の航路指定、無線設備や航海機器の技術基準・搭載要件、捜索救助に関する国際的指針等について検討を行うMSCの下部小委員会。NCSRの中に航行安全作業部会等の作業部会が設置。
※2 会合が開催されていない間、メールベースで審議を行うグループ


 この他、AISのセキュリティ向上に関する検討も行われました。それぞれの詳細は別紙をご参照ください。

 

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

(全般、1.関係)国土交通省海事局安全政策課 丸山
TEL:03-5253-8111 (内線43-562) 直通 03-5253-8631
(2.関係   )海上保安庁交通部企画課 竹内
TEL:03-3591-6361 (内線6801) 直通 03-3591-5650

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