令和6年7月3日
この度、令和5年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査をもとに、過年度調査との比較も踏まえ我が
国の国際海上コンテナ物流動向の分析結果をまとめました。
国土交通省では国際コンテナ戦略港湾政策の取り組みを推進しているところ、今回の調査では、前
回の平成30 年度調査と比較して、輸出入における国際戦略港湾の利用率が増加したほか、長距離輸送
(北米・欧州・中南米・アフリカ・大洋州方面)貨物における国際フィーダー航路の利用率が増加しま
した。 |
1.全国輸出入コンテナ貨物流動調査の概要
(1)調査目的
国土交通省港湾局では、我が国発着の国際海上コンテナの流動を詳細に把握するため、5年に1
度、「全国輸出入コンテナ貨物流動調査」を実施しています。調査結果は、効率的な物流体系を構
築するための港湾政策の企画立案、港湾整備計画の検討等に活用しています。
(2)調査内容
調査範囲:国際海上コンテナ貨物の以下の流動実態
(輸出) 国内の生産地から海外の仕向国(最終消費国)までの流動実態
(輸入) 海外の原産国から国内の消費地までの流動実態
調査期間:令和5年11月1日から30日までの1ヶ月間
調査対象:上記期間中に通関申告が行われた海上コンテナ貨物全量(空コンテナの流動は含まず)
2.国際海上コンテナ物流の動向
[1] 我が国の外貿コンテナ貨物取扱量の港湾別のシェアは、
国際戦略港湾(京浜港・ 阪神港)の割合
が59.7%となり、
前回調査(57.7%)から増加。
[2] 外貿コンテナ貨物量の国別(仕向国・ 原産国別)のシェアは、
前回調査と比較して中国・韓国等
が減少し、
インド・ベトナム等が増加。
[3] 国際戦略港湾である京浜港は東日本全体、 阪神港は西日本全体を広く背後圏としており、引き続
き、我が国の輸出入を支える基幹インフラとして機能。
国際フィーダー航路が新たに開設された生
産地・ 消費地の貨物の国際戦略港湾の利用割合が増加し、京浜港では東北地域、阪神港では秋田県
・熊本県からの利用割合が増加。
[4]
長距離輸送(北米・欧州・中南米・アフリカ・大洋州方面)貨物について、国際戦略港湾 (京浜
港・阪神港)と国内各港を結ぶ
国際フィーダー航路を利用した貨物量の割合は54.2%となり、前回
調査(30.6%)から大きく増加。
3.本調査の集計結果の公表と調査票情報の利用について
令和5 年度調査分の集計結果については下記のWebサイトにて公表しておりますのでご利用下さい。
・政府統計の総合窓口「e-Stat」
(
https://www.e-stat.go.jp/)
・国土交通省 港湾関係統計データ ホームページ
(
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/port_list.html)
また、本調査の調査票情報の利用については、統計法第33 条に基づき、 公的機関との共同研究にお
いて行う統計的研究などに限り、研究等の目的に必要な範囲において、本調査の調査票情報の提供を行
うことができます。詳しくは、下記担当者へお問合せ下さい。
【参考】国際コンテナ戦略港湾政策の概要
○国際コンテナ戦略港湾政策の政策目標
国際コンテナ戦略港湾※において、北米・欧州航路をはじめ、中南米・アフリカ等多方面・多頻度の
直航サービスを充実させることで、我が国のサプライチェーンの強靱化を図り、グローバルに展開する
我が国立地企業のサプライチェーンマネジメントに貢献する。
※国際コンテナ戦略港湾:京浜港(東京港、横浜港、川崎港) 、阪神港(大阪港、神戸港)
○基本的な取組方針
・「集貨」「創貨」「競争力強化」の三本柱の取組を強力に推進。
・国際基幹航路の維持・拡大に関する国・港湾管理者・港湾運営会社等と荷主との連携・協力体制を構築。
・物流の2024 年問題、労働力不足、脱炭素、サイバー 攻撃への対応等の課題や要請を踏まえ、国際コン
テナ物流のDX、GX を加速するとともに、情報セキュリティ対策を強化。
・国際コンテナ物流に関する各種データの充実や、データ収集・分析の取組を強化。
○主な施策
【集 貨】
北米・中南米地域向けの貨物を中心とした、東南アジア等からの広域集貨に向けた輸送ルートの構築、
コンテナターミナルの一体利用の推進
【創 貨】
国際トランシップ貨物にも対応した、流通加工・再混載等の複合機能を有する物流施設の立地支援及び
物流手続きの円滑化
【競争力強化】
大水深・大規模コンテナターミナルの形成、国の主導による生産性向上と労働環境改善に資する荷役機
械等の技術開発及び実装等によるDX の推進
・国土交通省 国際コンテナ戦略港湾政策の概要 ホームページ
(
https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk2_000002.html)