我が国の沿岸域に生息する海洋植物による二酸化炭素の吸収量(約35万トン)が国連に報告されました
~海藻藻場による二酸化炭素の吸収量の報告は世界初~
令和6年4月12日
国連気候変動枠組条約の締約国は、毎年4月に各国の温室効果ガス排出・吸収量を国連に報告することとなっています。
本年4月の報告において、ブルーカーボン生態系※1の一つである海草(うみくさ)藻場及び海藻(かいそう)藻場(以下、藻場)による吸収量を我が国として初めて盛り込みました。このうち、海藻藻場については締約国の中で初めて報告したこととなり、世界初の取組になります。 |
※1:ブルーカーボンとは藻場や干潟などの海洋生態系に蓄積される炭素のことであり、そうした蓄
積作用を有する生態系を「ブルーカーボン生態系」と言います。
○ 国土交通省では、温室効果ガス吸収源の拡大によるカーボンニュートラルの実現への
貢献や生物多様性による豊かな海の実現を目指し、ブルーカーボンの活用を推進して
います。
○ 昨年度、国土交通省と国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術
研究所は、我が国の沿岸域における藻場の繁茂面積の推計手法を開発しました。
○ この推計手法に加え、農林水産省が開発した藻場タイプ別の吸収係数も活用して、
2022年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量において、藻場による吸収量を合計約
35万トンと算定しました。
○ 本年4月の国連への温室効果ガス排出・吸収量の報告において、我が国として初めて
藻場による吸収量を盛り込みました。ブルーカーボンに該当する吸収量を国連に報告
している国(先進国でも豪州、米国、英国、マルタの4か国のみ)はありますが、海
藻藻場については日本が世界で初めての報告となります。
○ なお、国土交通省では並行して、グリーンレーザー
※2を搭載したドローンを含む、藻
場の繁茂面積を高精度かつ効率的に把握・管理するシステムの開発を進めています。
これにより、現在は捕捉できていない藻場を算定対象とすることができるようになり
ます。引き続き、関係機関と連携し、藻場の繁茂面積及び吸収量の算定手法の高精度
化に取り組んでまいります。
※2:水中透過性が高く、藻場の繁茂状況の計測が可能なレーザー
お問い合わせ先
- 国土交通省港湾局海洋・環境課 中沢、永井、飯干
-
TEL:03-5253-8111
(内線46675) 直通 03-5253-8685
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