建設産業・不動産業

建設業におけるITの活用について

 我が国の基幹産業である建設業は、建設投資の低迷、建設業者数と建設投資のバランスの崩壊など、市場の大きな構造変化の中で、受注の減少、利益率の低下などにより、従来にも増して厳しい経営環境に直面しています。
 特に、地域の中小・中堅建設業においては、コスト管理等を十分に行わないまま収益性が低下している企業が少なくないため、建設工事の現場を含めて、コスト管理の徹底と経営効率化の推進を図る必要があり、ITの活用等による工程管理の徹底、元請・下請間を含めた企業間取引のIT化など、経営効率化に向けた取り組みを進めることが急務となっています。
 このため、国土交通省では、建設業におけるITの活用を促進するため、建設業界における標準化や関係法令の改正などの環境整備を行ってきたところです。

1.建設業界における標準化の推進

 建設業におけるITの活用については、平成3年12月に「建設業における電子計算機の連携利用に関する指針」を告示し、建設業における電子商取引の標準規格としてCI-NETが認定されました。その後、(財)建設業振興基金に設置された「情報化評議会(CI-NET)」及び「設計製造情報化評議会(C-CADEC)」が中心となって業界の標準化が推進され、建設業におけるITの活用が進められてきたところです。
 
(CI-NET:Construction Industry NETworkの略。建設業における帳票データ等様々な情報の共有・交換のための標準規約。)
(C-CADEC:”Construction - CAD and Electronic Commerce” Councilの略。建設業におけるCAD等の図面データに係る情報の共有・交換のための標準規約。)

2.電子商取引の普及を促進するための法令等の整備

 建設業における電子商取引の普及を促進するため、法令で書面の交付や書面による手続き等が定められている規定について、ITの活用による代替措置を認めるよう建設業法等の関係法令を改正し、平成13年4月より、建設工事における電子契約が一定の要件の下に認められているところです。
 また、平成13年3月には、電子契約を行うために法令で必要とされる技術的基準を具体化するため、「建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する『技術的基準』に係るガイドライン」を策定しました。
 さらに、平成17年3月には、電子契約を行った場合の施工体制台帳の取扱いについて、法令の趣旨を明確化するとともに、現実に即した対応方法を示すため、「電子契約を行った場合の施工体制台帳の取扱いに関するガイドライン」を策定しました。

3.生産高度化・コスト管理合理化に向けた取り組み

 国土交通省では、平成15年度から平成16年度にかけて、中小・中堅建設業者における生産高度化・コスト管理合理化を図るため、建設生産の各過程において建設業の電子商取引の標準規格(CI-NET、C-CADEC)を用いた実証実験を実施するとともに、別途、生産高度化とコスト管理合理化のそれぞれのテーマについて有識者による研究会を設置し、現状の課題と今後の方向性等について検討を行いました。
 また、これらの取り組みの成果をもとに、以下の4種類のパンフレットを作成しました。
 
 
※ これらのパンフレットは以下の窓口で配布しています。
[1]と[2] →(財)建設業振興基金(http://www.kensetsu-kikin.or.jp/
[3]と[4] →(財)建設経済研究所(http://www.rice.or.jp/
 
 

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