第2部 海上交通をめぐる現状・課題と政策的対応
(ii)我が国商船隊による輸送量
 1997年の 我が国商船隊 による輸送量は、輸出入・ 三国間輸送 合計で7億2,270万トンとなっており(三国間輸送のシェアは数量ベースで19.3%、運賃収入ベースで24.6%)、世界の海上貿易量50億7,400万トン(97年推計値)の14.2%を輸送している(図表2-1-22)。


図表2-1-22 我が国商船隊の輸送量及び運賃収入
 その内、定期コンテナ船部門においては、北米航路、欧州航路、アジア域内航路を中心として3,813万トン(97年)を輸送しており、我が国商船隊の総輸送量の5.3%(重量ベース)を占めている。また、定期コンテナ船部門の総輸送量に占める三国間輸送の割合は、87年の37%から97年には52%と大幅に増加し、三国間輸送の割合が日本発着輸送の割合よりも大きくなるに至っている(図表2-1-23)。


図表2-1-23 邦船社の定期コンテナ部門輸送量の推移
 一方、タンカーを含めた不定期船部門においては、6億7,682万トン(97年)を輸送しており、我が国商船隊の総輸送量の93.7%を占めている。また、不定期船部門では、輸入貨物の輸送量が輸出・入を合わせた総輸送量の78.2%にのぼっている(図表2-1-24)。
図表2-1-24 邦船社の不定期部門輸送量の推移
(iii)我が国商船隊の積取比率
 我が国商船隊による積取比率(我が国の全海上輸送量のうち我が国商船隊による輸送量の割合)は、輸出については年々低下しており、1987(S62)年に48.5%あった積取比率は、97年には39.3%となった。一方、輸入については、年により若干の増減はあるものの約70%で横ばいで推移している。
 また、輸入貨物の中でも、原油、石炭、鉄鉱石についての我が国商船隊積取比率が高くなっているが(原油79.7%、石炭95.9%、鉄鉱石86.5%)、これは輸入に使用される原油タンカー、鉱石専用船等の多くが日本の荷主との長期積荷保証契約を前提として、日本の海運企業によって建造されていることが影響していると考えられる。
 なお、87年には816隻(日本商船隊中隻数シェア39%)存在した日本籍船が97年には182隻(隻数シェア9%)にまで減少したため、日本籍船による積取比率(我が国の全海上輸送量のうち日本籍船によって輸送された海上荷動き量の割合)は、87年に輸出において13.8%、輸入において38.5%であったものが、97年には、輸出において1.9%、輸入において16.5%まで低下している(図表2-1-25)。


図表2-1-25 我が国商船隊積取比率


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