(投資の重点配分の変化)

 明治以来の公共投資の配分をみると、治水、鉄道、道路、生活基盤と時代の要請に合わせて投資の重点は変わってきている(図表1-1-2)。公共投資の配分は固定化されているとの批判があるが、戦後を見ても長期的には、モータリゼーションの進展への対応として道路部門の伸びが著しいなど、社会の要請に対して的確に対応してきたといえる。昭和40年代以降の国民生活の真の豊かさが求められる中で、下水道、公園、福祉施設などの生活関連基盤が重視されており、比重を高めてきた。また、近年においては、情報通信インフラや物流ネットワーク、都市構造再編等新たな経済発展基盤への投資が重視されてきている。今後も少子高齢化による地域の人の動向、国際競争力確保への対応等も十分見極めつつ、真に必要な分野への重点的投資を行うべきである。

 本格的な高齢社会の到来を前に、残された時間を意識しつつ、真に豊かで快適な住宅・社会資本を選別し、重点的に整備を進め、内外の有能な人材や資本がその魅力を追って集まってくるような活力ある美しい国土をつくるべき大事な時期に我々は身を置いている。

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