(4)「国土と環境」に関する新たな取組み

 このような環境をめぐる諸情勢の中で、環境への負荷の少ない循環型社会を実現し、次世代によりよい環境を引き継いでいくためには、各主体が相互に連携をとって、適切な役割分担の下、取り組んでいくことが不可欠である。建設行政においても、住宅・社会資本を通して、その利用者の個々の活動を環境負荷の少ないものとなるよう支援していくことが必要であるとの認識の下、行政と国民等が連携をより強化して問題に取り組んでいくことが重要である。
 一方、建設行政においては、住宅・社会資本整備や地域づくりが、本来国民と行政との協働、共創作業であるとの認識の下、国民とのコミュニケーションを一層重視した行政の推進や説明責任(アカウンタビリティ)の向上を図っているところである。また、量的充足に重点を置いた「国土建設」から、質を重視し、既存ストックの有効活用等総合的な「国土マネジメント(整備・利用・保全)」への転換が進められてきており、国民の関心が高く、また接点が大きい環境に係る施策を展開するに当たっては、このような視点の転換が極めて重要である。
 建設省としては、このような環境をめぐる情勢の変化や建設行政における視点の転換を踏まえ、国土交通省への再編を視野に入れつつ、美しく健全な国土・地域づくりと環境への負荷の少ない循環型社会の構築に向け、環境の視点からの住宅・社会資本整備・管理等のあり方に関して有識者から幅広く御意見をいただくために、建設大臣の懇談会として「国土と環境を考える委員会」を本年6月に開催したところである。