(8)新しい建築技術の開発・普及

イ 技術基準の性能規定化
 近年の建築物に係る技術開発の進展や資材流通の国際化を踏まえ、建築基準法の技術基準についても、これらの動向により柔軟に対応できる体系に再編成することが求められている。
 そのため、これらの基準を、素材・仕様・規格を詳細に指定する仕様書的な基準から、建築物に確保すべき性能を指定する性能規定型の基準に見直すことを検討することとし、防火基準については、平成5年度から平成9年度までの5ヶ年計画で建設省総合技術開発プロジェクト「防・耐火性能評価技術の開発」を、構造基準については、平成7年度から平成9年度までの3ヶ年計画で「新建築構造体系の開発」を実施してきた。
 これらの検討を踏まえ、平成9年3月28日付けで枠組壁工法(ツーバイフォー工法等)による建築物の構造方法に関する技術基準の性能規定の導入を含めた、関係告示の改正を行った。また、建築基準の性能規定化等を内容とする建築基準法の一部を改正する法律が平成10年6月12日に公布された。
ロ 新しい建築技術の開発・普及
 民間において開発が進展しつつある新しい構造設計技術について、逐次、技術開発誘導計画及び安全性評価基準の策定を通じて、技術開発の適正な誘導を図っているところである。これまでに膜構造、免震構造、制振構造、3階建て木構造、高強度材料を用いた鉄筋コンクリート構造等について、技術基準の策定等これらの円滑な普及を図っている。
 また、総合技術開発プロジェクトを実施し、新しい技術の一般化に向けた研究開発を実施している。