第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

2.子育てを支援する生活環境(子育てバリアフリー環境)の整備

(女性の社会進出の促進)

 先に述べたように、我が国では近年少子化が著しく進んでおり、少子化対策が政府全体の課題となっている。我が国の少子化の要因としては、女性の社会進出や価値観の変化、出産に伴う退職による大きな収入減、高額な教育費など様々な社会的・経済的要因が指摘されているが、核家族化の進展とともに、女性には「仕事」か「育児」かの二者択一が求められ、その両立ができなかった社会環境も大きな要因と考えられる。最近でも、三世代同居率が高く、仕事と育児の両立しやすい環境にある地域においては、女性の有業率、出生率が共に高くなっている。
 しかしながら、今後、世帯の小規模化が一層進むものと予測される中で、三世代同居等による育児はますます期待できなくなる状況であり、社会全体として子育てを支援する環境整備が必要となっている。また、我が国の生産年齢人口が減少する局面において労働力の制約を緩和するためにも、仕事と育児の両立を通じた女性の社会参加の促進が不可欠である。

 
図表I-3-2-11 3世代同居世帯の割合と合計特殊出生率の関係(都道府県別)

3世帯の割合と合計特殊出生率の関係は、3世帯の割合が増えるほど、合計特殊出生率は増加している。全国平均は、3世帯の割合は10%、合計特殊出生率は1.33である。
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図表I-3-2-12 女性(25〜39歳)の就業率と合計特殊出生率の関係(都道府県別)

女性の就業率と合計特殊出生率の関係は、女性の就業率が高いほど合計特殊出生率は増加している。全国平均は女性の就業率は60%、合計特殊出生率は1.33である。
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 少子化対策の実効をあげていくためには、福祉、労働、教育、暮らし等あらゆる分野で、関係省庁が連携して進めていく必要があり、国土交通省としても、子育てを支援し、女性が積極的に社会参加できるような環境の整備に取り組んでいる。

 
図表I-3-2-13 「女性は働きやすい状況にない」理由

女性は働きやすい状況にないとする理由について調査したところ、主婦は「働く場が限られているから」、「育児、保育施設が十分にないから」を上げる割合が高く、女性フルタイム就業者は「育児、介護休業制度が整備されていないから」、「育児、保育施設が十分にないから」が多い。
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