第I部 地域の活力向上に資する国土交通行政の展開 

コラム・事例 人口増加市町村における地域の活力の維持・向上策

○ 香川県宇多津(うたづ)町〜新市街地の再活性化と新旧住民の交流
 坂出市と丸亀市の間に位置する宇多津町では、瀬戸大橋架橋を契機に、広大な塩田跡地が開発され、人口も約1万7千人にまで着実に増加してきましたが、近年では、未利用地の活用が進まないことや観光客数の減少といった課題を抱えています。こうした中で、平成15年に地元の事業者や住民等によって「まちづくりアクションプラン協議会」が組織され、歩行者天国のイベントを実施するなど住民主体による地域活性化のための活動が始まりました。今後、地域再生計画の認定を受けた「シーサイドうたづアクションプラン」に基づき、「道の駅」・「みなとオアシス」の指定を受けている臨海公園の再編等を進め、官民一体となって地域の再活性化を図ることとしています。
 また、都市再生整備計画に基づき、新市街地の再整備とともに、住宅が密集し道路が狭隘な旧市街地についても歴史的資源をいかした魅力的なまちづくりを進め、さらに、新旧市街地のアクセス性を改善することで双方の住民の交流機会を確保し、コミュニティの活性化を図ることとしています。人口増加33市町村((注10)参照)のアンケートでは、新旧住民の交流の難しさを課題とする回答が目立っており、こうした取組みの成果が注目されます。
 


歩行者天国イベント

○ 山梨県富士河口湖町〜外国人観光客の誘致
 富士河口湖町は、富士山の北麓に位置し、富士五湖のうち河口湖、西湖、精進湖、本栖湖の4つがあるという恵まれた環境の下、企業進出等を通じて人口は増加しており、2万5千人を超えるに至っています。町村合併により成立した同町では、合併後のまちづくりとして、3地区において都市再生整備計画を作成し、それぞれの地区の特性をいかして、魅力的な中心市街地づくりや定住促進のための住環境の整備、新たな観光拠点づくりを進めています。また、このような基盤整備とともに、河口湖ハーブフェスティバル等のイベント展開、全国初の遊漁税の導入、温泉掘削、エコツーリズムの推進等、様々なハード・ソフト政策による観光地づくりに取り組んでいます。特に、中国、韓国、台湾等への海外キャラバンを実施するなど、外国人観光客の誘致を強化しており、そうした取組みの結果、2004年に河口湖エリアで宿泊した外国人観光客は、前年を4万人以上上回り約15万人(同町調べ)に達しています。
 


河口湖ハーブフェスティバル

 

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