第II部 国土交通行政の動向 

第4節 国土・社会資本の将来ビジョンの策定

1 国土形成計画等の策定の推進

 我が国の国土政策の根幹を定める「国土総合開発法」については、「国土形成計画法」へと抜本的に改正され、これまでの全国総合開発計画に代えて、新たに国土形成計画を策定することとされた。国土形成計画は、国主導から分権型の計画づくりを目指して、全国計画と広域地方計画の2層からなる計画体系となっている。
 このうち全国計画については、平成17年9月、国土審議会に計画部会を設置しており、18年11月には、これまでの検討結果が「計画部会中間とりまとめ」として国土審議会に報告された。同中間とりまとめでは、国土づくりの基本的方向として、各広域ブロックが東アジアの各地域との競争・連携を視野に入れた地域戦略を描き、自立的な圏域を形成する国土構造への転換を図ることを示すとともに、そのための戦略的取組みとして、1)シームレス(注)アジアの実現、2)持続可能な地域の形成、3)災害に強いしなやかな国土の形成、4)美しい国土の管理と継承、5)「新たな公」による地域づくりの考え方を示している。今後、都道府県、政令指定市からの計画提案、パブリックコメント等の手続を経て、19年中頃をめどに全国計画を閣議決定する予定である。
 一方、広域地方計画については、その策定に先立ち、広域地方計画区域を定めるため、平成17年9月、国土審議会に圏域部会を設置し、都道府県、地方経済団体等関係者の意見を聴取しながら検討を進め、東北圏、首都圏、北陸圏、中部圏、近畿圏、中国圏、四国圏及び九州圏の8つの圏域を決定する政令を18年7月に制定した。広域地方計画の検討に当たっては、全国計画策定後、国の関係地方支分部局、都府県、政令指定市、地方経済団体等からなる広域地方計画協議会を組織し、同協議会の協議を経て、全国計画策定の1年後をめどに策定することを予定している。


(注)「継ぎ目のない」の意味

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む