第II部 国土交通行政の動向 

コラム・事例 美しい国づくりと「景観法」〜近江八幡市風景計画〜

 国土交通省では「景観法」に基づき、美しい国づくりを推進しています。ここでは全国初の景観計画として平成17年7月に「近江八幡市風景計画〜水郷風景計画編〜」を策定しました滋賀県近江八幡市についてご紹介します。
 


滋賀県近江八幡市の風景

 近江八幡市は、元々景観への意識が高い地域ですが、景観計画の策定を通じて市民の関心は一層高まり、計画作成への積極的な参加のほか、集落や河川の清掃ボランティア活動が活発化し、小学校では総合学習の時間に景観に関する学習が行われました。また、景観計画の策定や全国初の重要文化的景観への選定(平成18年1月)のニュースがテレビや新聞、雑誌等で取り上げられたことにより、市民の景観に対する関心が更に高まり、今では地元の高校生や企業も清掃ボランティア活動に参加しています。
 同市の担当者は、「景観は地域の自然・伝統・文化の顔。景観づくりには地域の魅力を高めるためのあらゆる要素が詰まっています。景観計画の策定を通して、行政も住民も自分たちの地域の文化や伝統を見つめ直すことができました。」とコメントしています。
 


八幡堀川の清掃ボランティア活動
 


景観に関する総合学習(近江八幡市立島小学校)

 こうした同市の景観への取組みは市外の人々の関心も集め、行政関係者やまちづくり団体の視察が増えているほか、景観づくりの勉強のために中学生の卒業旅行先としても選ばれるようになってきました。なお、同市の観光客数は景観計画策定の頃から大きな上昇を見せており、平成16年から17年の2年間で約70万人増加(15年:174万人→17年:246万人)しています。
 「景観法」に基づく取組みは、京都市、神奈川県小田原市等でも見られ、全国に拡大しています。国土交通省では、こうした取組みを積極的に支援することにより、美しい国づくりを進めています。

 

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