第II部 国土交通行政の動向 

4 民間都市開発の推進

(1)都市再生緊急整備地域で進む民間都市開発

 「都市再生特別措置法」に基づき、都市再生の拠点として緊急に整備を図るべき地域である「都市再生緊急整備地域」としては、平成18年12月末現在で東京・大阪を始め政令指定市や県庁所在市等、計64地域が指定されている。
 現在、各地域において様々な民間都市開発事業が着々と進行している。

1)秋葉原・神田地域
 本地域は、ICT(注)拠点として業務・商業機能の立地を促す地区に位置付けられており、既存の電気街等との交流や、新たにICT系産業の集積・連携を促すことが目標とされている。
 同地域内の秋葉原UDX(国土交通大臣認定)では、都心部に近接するターミナルとしての立地を活かした交通結節機能の強化、歩行者ネットワークの充実、ICT関連産業等新しい産業機能の導入を目的として、商業・業務・交流機能の整備が図られている(平成18年3月竣工)。
 
国土交通大臣認定の民間都市開発事業の例 秋葉原UDX


2)神戸三宮駅南地域
 本地域は、神戸市の中心部にあり、複数の交通機関の結節点である三宮駅の南側に位置し、風格ある都市空間の創造、安全・快適で災害に強い市街地の形成が目標とされている。
 同地域内の三宮駅前第1地区都市再生事業(国土交通大臣認定)では、阪神・淡路大震災で倒壊した旧神戸新聞会館の再生に合わせ、自由度の高い都市計画を定めることができる都市再生特別地区を活用し、商業・業務・文化・交流機能の集積による情報発信能力の高い複合ビル整備を行うとともに、ビルと一体的な交通関連施設や地下、地上、デッキレベルの3層の歩行者ネットワークの整備を通じた交通結節機能の強化を行うことで、広域的かつ多様な都市拠点の形成が進められている(平成18年11月竣工)。
 
三宮駅前第1地区都市再生事業



(注)我が国では、情報通信技術を表す言葉として「IT(Information Technology)」の語が広く普及しているが、国際的には、「ICT(Information and Communications Technology)」の語が広く定着している。今後のユビキタスネット社会においては、誰でも簡単にネットに接続することにより、多様で自由かつ便利な「コミュニケーション」を実現していくことが重要であることから、原則ICTを使用する。

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む