第II部 国土交通行政の動向 

1 公共交通機関における安全管理体制の構築

 平成17年以降、JR西日本福知山線列車脱線事故等ヒューマンエラーに起因すると見られる事故・トラブルが多発したことを受け、国土交通省では「公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会」を平成17年6月に設置し、18年4月に運輸事業者における安全マネジメント体制の構築、予防安全型技術の必要性等を指摘する最終取りまとめを行った。
 これを受け、「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律(運輸安全一括法)」(平成18年10月施行)により、陸・海・空の運輸事業者に対し、輸送の安全の確保に関する義務付けが強化された。具体的には、経営トップ主導による経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制の構築を図るため、運輸事業者に対して、「安全管理規程」の作成・届出、「安全統括管理者」の選任・届出等を新たに義務付けている。また、国は事業者に対して「運輸安全マネジメント評価」を新たに実施している。運輸安全マネジメント評価は、従来からの保安監査とは観点が異なり、経営トップや「安全統括管理者」等の経営管理部門が行う安全管理体制への取組状況について国が評価し、更なる輸送の安全の確保に資する改善方策等の助言を行うものである。保安監査の充実・強化等と合わせて総合的に推進することにより、公共交通機関の安全対策を一層推進する。なお、平成18年12月までに大手運輸事業者12社に対して評価を行っている。
 
図表II-6-3-1 新たな運輸安全マネジメント評価の実施イメージ

国は事業者に対して「運輸安全マネジメント評価」を新たに実施している。運輸安全マネジメント評価は、従来からの保安監査とは観点が異なり、経営トップや「安全統括管理者」等の経営管理部門が行う安全管理体制への取組状況について国が評価し、更なる輸送の安全の確保に資する改善方策等の助言を行うものである。保安監査の充実・強化等と合わせて総合的に推進することにより、公共交通機関の安全対策を一層推進する。

 

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