第II部 国土交通行政の動向 

(4)公共交通機関の利用促進

 自家用乗用車から公共交通機関へのシフトは、自動車の走行量の削減につながり、地球温暖化対策の面からもその推進が求められている。このため、ICカードの導入等情報化の推進、乗継ぎの改善、シームレス(注)な公共交通の実現等による利便性向上を通じた公共交通機関の利用促進、公共交通利用推進等マネジメント協議会を通じた需要サイドの取組みの促進、省エネ効果の高い先進性・モデル性・政策性のある取組みへの支援等を行っている。更に、「環境的に持続可能な交通(EST)モデル事業」による地域における取組みへの支援等を推進していく。
 
図表II-7-1-5 公共交通利用推進等マネジメント協議会

じんりゅう分野におけるシーオーツー排出削減に向けた取り組みの新たな展開として、公共交通利用推進等マネジメント協議会を設置している。これは、行政、交通事業者、経済界等から構成され、低公害バス等の活用による通勤交通の公共交通への利用転換や、商店街、観光地等におけるマイカー利用者の公共交通利用転換等の取り組みを進めている。
 
図表II-7-1-6 環境的に持続可能な交通(EST)モデル事業

環境的に持続可能な交通の実現を目指す先導的な地域を募集し、関係省庁等の連携により集中的に支援している。モデル事業には、環境目標の設定・検証、取組効果の持続性を求め、環境の観点から施策の効果を確保し、地方公共団体、交通事業者、警察関係者等、地元の幅広い関係者が参加して事業を推進している。モデル事業としては、公共交通機関の利用促進、自動車交通流の円滑化、歩行者・自転車対策、低公害車の導入等があげられる。


(注)「継ぎ目のない」の意味。公共交通分野におけるシームレス化とは、乗継ぎ等の交通機関間の「継ぎ目」や交通ターミナル内の歩行や乗降に際しての「継ぎ目」をハード・ソフト両面にわたって解消することにより、出発地から目的地までの移動を全体として円滑かつ利便性の高いものとすること。具体的には、乗継情報の提供、同一ホームによる乗り換え、相互直通運転化、接続ダイヤの設定、乗継運賃割引の拡大、共通ICカードの導入等

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む