第II部 国土交通行政の動向 

第5節 海洋環境等の保全

(1)大規模油汚染等への対策

 大規模油汚染の大きな要因になっているサブスタンダード船(注1)を排除するために、国際的船舶データベース(EQUASIS)の構築等、国際的な取組みに積極的に参加するとともに、日本寄港船舶に立入検査を行い、基準に適合しているかを確認するポートステートコントロール(PSC)(注2)を強化している。また、旗国政府が自国籍船舶に対する監視・監督業務を果たしているかを監査する制度の創設を我が国から提唱した結果、平成17年11月の国際海事機関(IMO)総会で「任意によるIMO加盟国監査スキーム」として承認され、18年9月より監査が開始された。我が国は、同制度の早期定着を促進すべく、19年2月にIMOによる監査を受け入れた。
 さらに、日本海等における大規模油流出事故への緊急対応に関する日本、中国、韓国及びロシア間の協力の枠組みを取りまとめた「北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)地域油流出緊急時計画」が実施され、平成18年7月よりその地理的適用範囲が拡大している。また、サハリン沖にて大規模油流出事故を想定した日露合同油防除総合訓練(第1回NOWPAP油防除訓練)が同年5月にサハリン・アニワ湾にて実施されるなど、大規模油汚染対策について、近隣諸国との国際的な協力・連携体制の強化に取り組んでいる。


(注1)国際条約の基準に適合していない船舶
(注2)寄港国による外国船舶の監督

 

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