第II部 国土交通行政の動向 

(2)船舶からの排出ガス対策

 船舶はエネルギー消費効率の面で優れた輸送特性を有しているものの、我が国全体に占める窒素酸化物(NOx)等の排出割合が大きい等の問題があり、船舶の大気汚染防止施策が必要である。船舶は国際的に移動するものであるため、規制の実効性を確保するためには、国際的に合意された規則を統一的に適用することが重要である。我が国は、海洋汚染防止条約に対応した「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」に基づき、原動機のNOx放出量の確認や船舶における定期的な検査を実施しているのみならず、IMOにおいて行われている船舶からの排出ガスに関する規制強化の議論にも積極的に参画している。
 また、規制に合わせて、環境負荷低減を実現するための新しい技術が必要であることから、硫黄酸化物(SOx)の排出量を削減するための活性炭素繊維(ACF)を活用した高機能排煙処理システムの開発や、トレードオフの関係にあるNOxとCO2の排出低減を同時に実現する超臨界水を活用したディーゼル燃焼技術の研究を実施している。

 

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