第II部 国土交通行政の動向 

コラム・事例 「船舶版アイドリングストップ」の推進!〜東京港竹芝ふ頭で現地実験を実施〜

 平成18年10月から19年1月に東京港竹芝ふ頭において、貨客船さるびあ丸(4,965トン)を実験船に「船舶版アイドリングストップ」の現地実験を環境省等と連携して行いました。「船舶版アイドリングストップ」は、接岸中の船舶が必要とする電力を船内発電から陸上施設による供給(陸上電力供給)に切り替えて、港湾地域における二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)等の排出ガスを削減し、大気環境の改善を図る取組みです。
 


船舶版アイドリングストップのイメージ 陸上側と船 側の設備をケーブルで接続することにより、船舶に対して電力の供給を行う。「船舶版アイドリングストップ」の施策の効果としては、日本国内の全内航船がアイドリングストップを実施した場合、東京ドーム約400個分に相当する年間100トン程度のシーオーツーの削減が可能となること等が挙げられる。
 


現地実験の様子

 大型コンテナ船等の分野では、米国ロサンゼルス港等一部の港で先進的な取組みが始まっていますが、我が国を含めて世界各国の取組みはこれからです。平成18年3月に開催された国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会では、船舶からの大気汚染防止のための陸上電力供給設備の必要性等の議論が始まり、同年10月からは国際標準化機構(ISO)でも陸上電力供給設備の国際規格の作成作業が始まりました。国土交通省としては、今後、今回の実験結果を踏まえ、IMOやISOの議論等に積極的に参加していく予定です。

 

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