第II部 国土交通行政の動向 

(4)南極における定常観測の推進

 国土地理院では、基準点測量、重力測量、GPS(全地球測位システム)連続観測、写真測量による地形図作成等の定常観測を実施している。観測データは、南極地域における地球環境変動等の研究に活用されるとともに、測地・地理情報に関する国際的活動に貢献している。
 気象庁では、昭和基地等でオゾン、日射・放射量、地上、高層等の気象観測を継続して実施している。観測データは気候変動の研究等に用いられるほか、南極のオゾンホールの監視に大きく寄与するなど国際的な施策策定のために有効活用されている。
 海上保安庁では、海流、水温等の観測、栄養塩、溶存酸素、重金属等に関する海水の化学分析、海底地形測量を実施している。これらのデータは、南極周極流の変動特性を明らかにし、南極海の海洋構造を把握するために必要であり、地球規模の気候システムの解明に寄与している。また、潮汐観測も実施し、地球温暖化と密接に関連している海面水位変動の監視に寄与している。

 

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