2 社会を支える担い手の再発見
これまで、社会生活における公共的な役割は、主として国や地方公共団体等の行政が主体となって担ってきた。今後の人口減少や将来的にも厳しい財政状況を踏まえると、社会の基盤整備のあり方だけでなく、社会を支える担い手の観点からも、求められるものを考える必要がある。
(これまでのスタイルの限界)
国や地方公共団体の財政は厳しい状況にあり、また高齢化等を背景に求められるものも増える中、国民一人ひとりのニーズにきめ細やかに対応していくに当たって、行政だけでそれを担っていくことには限界が予想される。実際に、地域によっては公共交通や福祉などの社会サービスの継続が困難となったり、あるいは従来以上にきめ細かな対応が必要となったりするなど、地域づくりを進める上で様々な課題が生じている。
一方で、人々の社会貢献への意向が近年高まりを見せている(注)。個人、NPO、企業等の多様な民間主体が、私的な利益にとどまらない公共的な機能を担っていく気運が高まっている。
居住地域のための活動について、国土交通省の調査において人々の参加意向を尋ねたところ、公園や道路等の維持管理等については行政の領域であるとの認識が依然として高いものの、ボランティア団体・NPO等の団体に任せるがそのためならお金を支払ってもよいと考えている人々が4人に1人以上いることがわかった。また、地域活性化のための行事の企画・運営には約4割の人々が参加してもよいと考えている。