第1節 震災からの復興 

コラム 造船業の復興へ向けた支援

 東北地方の各地では、地域の様々な漁船の建造、修繕、整備を担う中小造船会社が多く存在し、エンジン整備や電気工事等の造船関連事業者と連携しながら、地域の基幹産業である地元水産業の発展を支えてきた。
 この度の東日本大震災では、東北の太平洋側に位置する37の造船所すべてと多くの造船関連事業者が壊滅的な被害を受けた。2万隻を超える多数の漁船が流出・損壊し、大きな打撃を受けた地元水産業の早期復興には、何よりも地域の造船産業の復旧・復興が不可欠である。
 このため、国土交通省では、中小企業庁等、関係省庁との連携により、「中小企業等復旧・復興支援(グループ化)補助事業」の活用支援や、設備の早期復旧に必要な資機材の調達支援を行った。これにより、平成24年2月時点において、37造船所のうち33社が限定的ながらも事業を再開している。また、地域に集積する造船産業の復興と将来の発展に向けて、各施設の共同化・効率化のための計画づくりや、建造技能の高度化のための講習会等による「地域造船産業集積高度化支援事業」を実施した。
 
復旧した造船所での進水式

復旧した造船所での進水式

 

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