第1節 豊かな住生活の実現

コラム 既存住宅の流通促進・活用

 住宅ストック数が世帯数を上回り、今後更なる人口減少が見込まれる中、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行することが重要です。
 我が国の全住宅流通量(既存住宅+新築住宅)に占める既存住宅の流通シェアは、新築住宅と比べて低く、欧米諸国と比べても非常に低水準であり、物理的な住宅ストックがあるのにもかかわらず、住み替えの受け皿になっていないという指摘もされています。このため、良質な既存住宅を安心して売買できるよう、既存住宅の流通を活性化させることが重要です。
 
既存住宅流通シェアの推移
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既存住宅流通シェアの国際比較
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 そこで、国土交通省においては、既存住宅・リフォーム市場の拡大・活性化に向けた基本的方向や取組課題を共有することを目的に、不動産取引実務・金融実務の関係者が一堂に会し、率直かつ自由な意見交換を実施する場として、2013年9月に「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル」を設置し、2015年3月に報告書を取りまとめました。本報告書においては、1)建物評価の改善と市場への定着、2)良質な住宅ストックの形成とその流通を促進するための環境整備、3)中古住宅市場活性化に資する金融面の取組み、4)戸建て賃貸住宅市場の活性化、5)地域政策との連携を柱に、2箇年度におけるラウンドテーブルの議論をまとめています。
 今後も、本ラウンドテーブルにおける議論を踏まえ、引き続き、関係者の現状認識・問題意識を共有することを目的として、必要に応じて随時「既存住宅市場活性化ラウンドテーブル」を開催し、関係者が相互に役割分担と連携を図りながら、我が国の既存住宅・リフォーム市場活性化に向けた取組みを実行に移していきます。


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