第1節 ICTの利活用による国土交通分野のイノベーションの推進

■2 自動運転の実現

 国土交通大臣を本部長とする「国土交通省自動運転戦略本部」において、自動運転にまつわる重要事項に関する国土交通省の方針について検討を行い、自動運転の実現に向けた環境整備、自動運転技術の開発・普及促進及び自動運転の実現に向けた実証実験・社会実装の3つの観点から、平成29年6月に中間取りまとめを行った。
 自動運転の実現に向けた環境整備については、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の下に設立された自動運転分科会(平成26年11月設立)及び自動操舵専門家会議(27年2月設立)において、日本が共同議長に就任し、自動運転にかかる国際的な安全基準等の検討を主導するとともに、国内においても、高度な自動運転システムを有する車両が満たすべき安全性についての要件や安全確保のための方策について検討を開始した。また、自動運転車による事故に係る自動車損害賠償補償法(昭和30年法律第97号)上の損害賠償責任の在り方について、「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」においてとりまとめを行った(平成30年3月)。
 自動運転技術の開発・普及促進については、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等の安全運転支援機能を備えた「安全運転サポート車(サポカーS)」の官民を挙げた普及啓発や先進安全技術の国際基準化に取り組んでいる。また、高速道路の合流部等での情報提供による自動運転の支援や、自動運転を視野に入れた除雪車の高度化についても取り組んでいる。
 自動運転の実現に向けた実証実験・社会実装については、ラストマイル自動運転による移動サービスに関する公道実証を開始したほか、中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービスに関する実証実験を全国13箇所で実施した。また、トラックの後続無人隊列走行の実現に向けた後続有人隊列走行の公道実証を新東名及び北関東道で実施した。


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