3 日米航空交渉


 日米航空協定は、日本の占領終了直後の昭和28年、まだ日本の航空企業による国際線の運航が行われていなかった時代に締結されたもので、このような当時の状況を反映して、以遠権等の権益及び協定の運用が極めて不平等なものとなっている。このため、その是正を目的とした日米航空協議が51年以来断続的に行われてきているが、米国が既得権の維持と追加権益の交換にはかなり厳格な相互主義を求めてきたため、永年、不平等性が残されたままとなっていた。
 貨物分野については、平成7年9月から5回にわたり協議を重ねた結果、8年4月に日米航空協定締結以来43年にして日米航空関係の平等化(貨物)をほぼ実質的に達成することに成功した。
 旅客分野については、8年6月、約3年ぶりに日米航空旅客協議が開催されたが、日本側が、@日米航空企業間の機会の平等化、A米国先発企業の協定に基づく一定のルールの下での以遠権の拡大、Bこれらを前提とした日米双方の航空企業の機会拡大を提案したのに対し、米国側は@当面の懸案事項の最優先解決、Aしかる後、先発企業の以遠既得権の不可侵の確認(この問題が解決されるまでは、日本企業の権益拡大は認めないとの立場)、B更にしかる後、双方企業の権益拡大を主張したため、物別れに終わった。このため、事態は予断を許さない状況にあるが、我が国としては、引き続き毅然とした態度で日米航空関係の不平等の是正を図っていくこととしている。